41 報告会 そして陰謀が動き出す
「……帰ったか」
多分あいつらの目的は、俺に魔王化を発動させる事だろうな。それともう一つ、セシリアの写真を俺に渡す事かな。
……神の領域……か。一体どうやったらその、神の領域とやらに至れるんだ?
「セシリアを生き返らせたかったら、神の領域に至れ」ねぇ。……はぁ、どうしたもんか。神の領域に至るのは、当分の俺の課題だな、こりゃ。
「さて、エスフィールが心配だ。早く屋敷に戻ろうか」
俺が言うとリーディエットがこう答える。
「私もフィーの事が心配だし早く戻ろう。ゼローグさん」
「あぁ、空間移動!」
俺は空間移動を使い屋敷の広間に移動した。
広間を見渡すが広間には、エスフィールの姿はない。自分の部屋に居んのかな?
「フィーは部屋かな? ちょっと見てきますね」
そう言ってリーディエットは、広間を走って出ていった。
俺はソファーに座って寛いでようかな。そう思い自分のソファーに座ると、梨沙達も続いて自分達のソファーに、座り始める。ルイーザは俺の身体から出ると、梨沙の隣に座る。俺の隣は勿論、凛と唯だ。いやぁ、両手に花だねぇ。
ソファーで寛ぎリーディエットと、エスフィールが来るのを待っていると、俺の腹からぐぅーという音が鳴った。そういば、夜飯、食ってなかったな。あぁー腹減った。そう思っていたのは俺だけじゃない様で、他の皆も自分のお腹を擦っていた。
「ナナぁ、ご飯作ってぇー」
俺はお腹を擦り空腹を我慢しながらナナに言う。
「かしこまりました。ご主人様」
そう言いナナは広間を出て、夕食を作りに行った。
夕食を待っていると広間に、リーディエットとエスフィールが入って来た。
「あれ? ナナさんは?」
空いたソファーにエスフィールと共に座り、リーディエットが言う。
「ナナなら厨房で夕食を作りに行ったよ」
「よかったぁ、私もう、お腹ペコペコで」
リーディエットはお腹を擦りながら言う。
暫く待っているとナナが台車に料理を乗せて広間に入って来た。漸く飯が食えるぜ。さぁて、今日の夕食は何かなぁ。と、思っていたが、この匂いは間違いなく――。
ナナは台車に乗せたお皿にご飯を入れて、大きな鍋からお玉を使い、カレーをご飯にかけた。やったー! カレーだ! カレーだ!
配膳も済んだので俺達は手を合わせ「いただきます」と言った後、各々カレーを食べ始める。いやぁ、やっぱりナナのカレーは最高だなぁ。カレーの具は肉、じゃがいも、人参、そして玉ねぎだ。……あぁ、最高に幸せだぁ。
「おかわりも沢山ありますからね」
カレーを食べながらナナが言う。
俺はカレーを食べ終えると、ナナにおかわりをお願いする。俺はナナからおかわりを受け取った後、カレーを口に運ぶ。
他の皆も続々とカレーのおかわりを始めた様だ。ただ、エスフィールはカレーを食べ終えても、おかわりはしてない様だ。
「どうしたの? フィー。おかわりしないの? こんなに美味しいのに」
カレーを頬張りながら不思議そうにして、リーディエットが言う。
「うん、私はもうお腹いっぱいだから」
エスフィールはそう言うが本当だろうか。うーん、遠慮とかしてんのかな?
「遠慮してるのか? それなら別に――」
「遠慮なんかしてません!」
怒り気味にエスフィールはそう言う。
「そうか……」
……。まぁ、当然の反応か……。
「ごちそうさまでした」
そう言いエスフィールは皿を台車に乗せると、広間を出て行った。
「ごちそうさん。俺は部屋に戻るよ」
俺は皿を台車に乗せ広間を出ると、二階の自分の部屋に戻りベッドに座ると、ポケットからセシリアの写真を取り出す。
「なぁ、セシリア。俺はどうしたらいいんだ? あの時の様に教えてくれよ……。神の領域に至るにはどうしたらいい? エスフィールに許してもらうにはどうしたらいい? なぁ、セシリア。教えてくれよ……」
*****
……うぅん。ん? 目が覚めると俺はベッドで横になっていて、窓から太陽の光が射し込んでいた。そして、隣には、着ぐるみパジャマを着た凛と唯が、寝息を立てている。
……俺、いつの間にか寝てたんだな。
『眠ったお前を凛と唯が着替えさせて、ベッドに横にさせたんだ』
そうだったのか。俺は二人を起こさない様にベッドから降りて、凛と唯の頬にキスをする。すると、凛と唯は嬉しそうな顔をしてこう言った。
「お兄、大好きぃ」
「旦那様、大好きだよ」
俺は部屋を出ると洗面所に顔を洗いに行った。顔を洗った後歯を磨き部屋に戻り、いつもの服に着替える。
着替えた後、広間の中に入ると何時もの様にナナが待っていた。
「おはよう、ナナ」
「おはよう、ゼロ」
そういえば久しぶりにナナと二人っきりになったな。最近は梨沙と一緒に居たり、凛と居たりしたからなぁ。
俺はソファーに座り横になると、ナナがこう言ってきた。
「ゼロ、今朝アリア様から連絡があったよ。三大王国で何体の七十二柱の悪魔を消滅、封印したかを報告し合うって」
「そうか、分かった。それじゃあ、梨沙達の事頼むわ」
報告会は団員も参加しなといけないからな。団員じゃない、梨沙達は屋敷で留守番だ。何があっても良いように、屋敷は絶対空間で覆うし心配は要らないだろう。
「おはよーう」
「おはようございます」
アルシアが欠伸をしながら、広間に入って来た。それに続きメロディアも広間に入って来る。アルシアはまだ寝ぼけてる様だ。
その後、続々と広間に皆が集まって来るとナナは一度広間を出た後、直ぐに台車に朝食の食パンを乗せて戻って来て、ナナは食パンを乗せた皿を配膳する。
「いただきます!」
手を合わせ言った後俺達は、朝食を食べ始める。今日は苺ジャムにしようかな。俺は二枚の食パンに苺ジャムを塗って食べる。凛はマーガリンで、唯はブルーベリージャムをパンに塗って、食べていた。
朝食を食べた後、俺達は王都に行く準備をしていた。準備を終えると俺は空間移動を使って、王都の門の前に移動する。
門兵の許可を得て王都の中に入り、王宮に向かった。アルシア、メロディア、オリヴィアは騎士の鎧を着ているが、俺を含めた他の団員は何時もの服だ。
王宮の前に着き再び許可を得て中に入る。報告会をする部屋に入ると、既に全員揃って居た。部屋には、三大王国の国王と悪魔を封印した、騎士団が集合していた。どうやら、俺達が一番最後らしい。
「待っていたぞ、ゼローグ。さぁ、早く席につけ」
アリアはそう言い俺を席に座るよう促す。
俺は椅子に座ると背後に、アルシア達が立った。報告会が始まると早速、七十二柱の悪魔を封印した騎士団の団長達が、次々と報告する。先ずは、ダグシアン王国の騎士団団長が報告して、次にネストレイヴ王国の騎士団団長が報告する。そして、最後に俺の番が来て報告を始める。
「先ず、俺がサタンに仕える悪魔のアモンと、シトリーを消滅。そして、オリヴィアが同じくサタンに仕える、ナベリウスを討伐後俺が消滅させた。そして、最後に凛がアガレスを討伐後、俺が消滅させた」
「さて、これを踏まえて各国の悪魔の消滅、封印数を数えると……。えーっと、ネストレイヴ王国が二十六体封印で、ダグシアン王国が二十四体封印、そして、我が国は二十一体封印かこれで、七十一体。仲間になったレイチェルを含めて七十二体か。これで、サタンに仕えし七十二柱の悪魔は全て倒したな」
報告書に目を通してアリアが言う。
「最強の騎士とやらがいながら封印数はビリかよ。所詮、最強の騎士の実力ってのはその程度って事だ。ハッハッハッ! その、最強の騎士の称号この俺が貰ってやろうかぁ?」
ネストレイヴ王国の騎士団の逆立った赤髪の、ガラの悪そうな団員が高笑いしながら言う。
「俺の目的は魔王だ、七十二柱の悪魔は魔王を倒すついでにすぎん」
「さぁ! これにて報告会はお終いだ。各自解
散!」
そう言いアリアは手を叩きこの場を収めた。
さて、用も済んだし帰るか。
「帰るぞ、お前ら」
俺は空間移動を使い屋敷の広間に移動した。広間には梨沙とナナとリーディエットが、三人でトランプをしていた。
「お帰りなさいませ、ご主人様、皆様」
「お帰りゼロ、それにアルシア達もお帰り」
「お帰りゼローグさん、アルシアさん達もお帰りです」
俺達に気づいたナナ、梨沙、リーディエットが口々にお帰りと言ってくれた。
「あぁ、ただいま。俺は地下で瞑想してくる」
そう言い俺は地下に行くと、瞑想を始める。さて、これで、神の領域に至る手がかりが分かると良いけどな。
*****
この世界の遥か上空、天界にて――。
「最高神様! ご報告します、やはり魔王達は奴らの存在に気付いていた様です」
男は最高神と呼ばれた女性に跪き言う。
地面まで届くであろうウェーブのかかった、長い白い髪に金色の瞳をした美女だ。
全てを見透かしているかの様に、彼女はこう答える。
「えぇ、その様ですね」
「我々も奴らの侵略に備え、戦力の増強を――」
男はそう言うが彼女はこう言う。
「戦力の増強の前に先ずはあの子を強くしないと……」
やっと、第二章が終わりました。次回から第三章です。そして、今更ですがこのBATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜というタイトル、何故GODにSが付いていないのか、ミスじゃありません。ちゃんとした理由があります。勿論、神々の戦いにも意味がありますよ。GODにSが付いてない理由は五章の終盤で説明出来る筈!




