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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第二章 七十二柱の悪魔
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36 傲慢の罪

 リーディエットとエスフィールの身体中にあった傷が消え、二人が喜んでいる最中俺はとある事を考えていた。

 それはリーディエットとエスフィールの村を襲った、妖狐の生き残りをここから探せるかだ。

 まっ、物は試しだ。検索空間(サーチスペース)で探して見るか。そう思い俺は神器時空(タイムスペース)を解放して、検索空間(サーチスペース)を発動する。検索空間(サーチスペース)の圏内に居るといいけどなぁ。

 ……どうやら検索空間(サーチスペース)の圏内には、妖狐の生き残りとやらは居ないようだ。……はぁ、面倒になる前に消して起きたいし、場所を移動すっか。そう思った時、凛に話しかけられられた。


「お兄? どうしたでありんすか?」


「あぁ、妖狐の生き残りとやらを探そうと思ってな」


 俺がそう言うと凛は真剣な表情で、こう言ってきた。


「それならわっちもついて行くでありんす! 約束でありんしょう? お兄とはずっと一緒でありんす!」


 本当なら駄目だと言いたいが、ずっと一緒だと前に約束した以上、駄目だ、なんて言えるわけないな。


「分かった、一緒に行こう。凛」


 俺がそう言うと凛は真剣な表情から、打って変わり普段の可愛い笑顔だった。


「て事で俺と凛は妖狐の生き残りを探す。お前達は屋敷で待っててくれ」


 皆に凛と共に妖狐の生き残りを探すと伝えると、アルシアがこう言ってきた。


「私達も行くよ、ゼロちゃん!」


「だけど……」


 俺がそう言うとメロディアが、こう付け加えられる。


「何を言っても無駄ですよ団長」


 そう言ったメロディアやアルシア、オリヴィアや梨沙、ナナや唯、レイチェルやモニカの真剣な表情を見て、俺は諦めてこう言う。


「……はぁ、分かったよぉ。全員で行くよ。リーディエットとエスフィールと師匠は、ここに残ってくれ」


 リーディエット達にここに残るように指示するとリーディエットがこう言ってきた。


「嫌です。私も行きます!」


「駄目に決まってんだろ!」


 俺が言うとリーディエットは、真剣や表情でこう言う。


「妖狐の生き残りを倒しに行くんですよね? 私達はその人に聞きたいんです、どうしてお父さんやお母さん、村の大人達を殺したのか」


 確かにリーディエットやエスフィールにとって、その事は一番聞きたい事なんだろうけど――。


「それは俺が聞くからここに残れ!」


「嫌です! 私達が直接聞きたいんです!」


 睨み合う俺とリーディエットの間に入り、師匠がこう言う。


「いいじゃないかゼローグ。お前が守れば問題無かろう?」


「師匠ぉ!」


 師匠の発言に俺は間抜けな声で言う。

 俺は視線からリーディエットに視線を移す――。


「はぁ、分かったよぉ! 俺が守りますよぉ! 守ればいいんだろう?」


 諦めて俺が言うとリーディエットは、満面の笑みでとても嬉しそうにして、こう言う。


「やったー! フィーも勿論来るでしょ?」


「……う、うん。お姉ちゃんが行くなら」


 少し考えた(のち)に言うエスフィール。


「さて、どこら辺に移動しようかね」


 ……うーん。更に東の方角にでも行ってみようかなぁ。


「よしっ! ここから更に東に行ってみるぞ!」


「はい!」


 俺が言うと全員が一斉に返事をした。

 俺は空間移動(ワープホール)を使ってここから更に東の方角に行ってみる。ついた先で俺は検索空間(サーチスペース)を発動して、妖狐の生き残りが居るか探した。

 …………。

 ――っ! ハハハっ! マジでかっ! 一発で見つけちった……。こんな事もあるんだな。妖狐の生き残りを一発で見つけた事に驚いていると、凛が不思議そうな顔をして、こう言ってくる。


「どうしたでありんすか? お兄、変な顔になってるでありんすよ」


「ハハハ、何でだと思う?」


 俺は自分の顔が変な顔になっている理由を、皆に聞いてみた。

 皆が頭を悩ませる中、梨沙がこう言う。


「……もしかして、妖狐の生き残りを見つけたとか?」


「当たり……」


 梨沙の質問に俺が答えると、皆は驚きの声を上げていた。まぁ、当然の反応だよな。俺もこんな早くに見つかるとは、思ってなかったからな。


「直ぐ近くだしさっさと倒しに行くか」


 そう言い俺は空間移動(ワープホール)を使って、妖狐の生き残りが居る場所に移動する。


「ん? なんだ? お前ら? 何処から来た?」


 目の前に居る妖狐の生き残りが、不思議そうにして言う。凛と同じ銀髪に銀色の瞳だだ。まぁ、そりゃそうか。


「てめぇを恨んでる奴と、てめぇを殺しに来た者さ」


「俺を恨んでる奴と俺を殺しに来た奴ぅ? 誰が俺を恨んで誰が俺を殺しに来たんだぁ?」


 妖狐の生き残りの問に俺がこう答える。


「てめぇを恨んでるのが後ろに居る二人で、てめぇを殺しに来たのがこの俺様だ!」


「ふーん、恨まれる様な事も殺される様な事も、した覚えはないんだけどなぁ」


 妖狐の生き残りは興味なさそうにして言うと、後ろに居たエスフィールが前に出てこう言う。


「ふざけるな! お前四年前に自分が何をしたのか、覚えてないのか!」


「四年前ぇ? ……あぁ、お前、あの村の餓鬼共か! ハッハッハッ! なんだ生きてたのかぁ。とっくに死んでると思ってたよぉ」


 随分とふざけた野郎だな。


「どうしてパパやママを殺したんだ!」


 エスフィールが涙を流しながら怒鳴る。


「どうして? 殺すのに理由なんていらないだろぉ? まぁ、強いて言うなら楽しいからかな」


 それを聞いたリーディエットとエスフィールは、その場で泣き崩れてしまった。

 俺はリーディエットとエスフィールの頭を軽く撫でた後、一歩前にでる。


「さて、てめぇを殺す理由を言ってなかったな。俺は妖狐の里を滅ぼした張本人さ」


 そう言った途端、奴の目の色が変わる。


「てめぇが同胞を殺したのかぁ!」


 そう言い殴り奴は憤怒の形相でかかってくる。


「何故同胞を殺したぁ!」


 奴の拳を右手で受け止めて、左拳で奴の右頬を軽く殴る。殴られた妖狐は後方に吹きとんで行くが、何とか体制を立て直す。

 俺は隣に居た凛の頭を優しく撫でて言う。


「てめぇらが凛を川に捨てたからさ。俺の凛にそんな酷い目に遭わせたんだ、滅んで当然だろう?」


「まさかとは思ったがやはりそいつは、俺と同じ妖狐の生き残りだったか……。おい、お前、お前は俺の女になるべきなんだよ! だから、さっさとこっちにこい!」


 奴は凛を指差して言うが凛はこう言う。


「嫌でありんす! わっちはお兄を愛してるでありんす!」


「見事に振られたようだな。さて、お喋りは終わりだ。本気でかかってこいよ」


 俺は奴を挑発して言うと奴の周りに銀色のオーラが現れた。

 モード妖狐か……。尻尾の数を見る限り、三尾かな。

 奴はモード妖狐になると、再び俺に殴りかかってくる。俺も飛び出し奴に殴りかかる。

 奴の右ストレートを躱してカウンターぎみに、奴の左頬に左拳を打ち込みその勢いで、地面に叩きつける。


「ガハッ」


 地面に叩きつけられた勢いで、口から血を吹きだす。奴は立ち上がり再び俺に殴りかかるが、再び俺の拳を顔面に喰らって、血を吹き出す。

 つまらなすぎる。所詮はこの程度か。

 立上がる様子がない。


「なんだよ、もう終わりか。まぁ、最強無敵のこの俺様が相手じゃ、仕方のないことか」


 奴はヨロヨロと立ち上がりこう言う。


「糞がっ! ふざけやがって! 俺の女にならないなら――」


 奴は左手を手刀の形にすると銀色のオーラが左手を覆い、オーラが刀の形になる。

 ――っ! しまった! 

 咄嗟に凛の方に向かうが既に凛の胸には奴のオーラで覆った手刀が突き刺さっていた。

 完全に油断していた。

 奴は手刀を凛の胸から引き抜く。崩れ落ちる凛を抱きしめ俺は言う。


「凛! おい、しっかりしろ!」


 凛は右手を俺の頬に当てこう言う。


「……お兄……はぁ、……愛……して……る」


「嘘だ……嫌だ、凛、死んじゃ駄目だ。目を開けてくれよ、頼むから目を開けてくれ」


 そう言う俺の目からは大粒の涙がボロボロと溢れていた。他の皆も俺と同様で涙を流している。


「なぁ、冗談だろ? そうだ、これは悪い夢だ直ぐに夢が覚めて……」


「ご主人様……」


 そう言いナナは涙を流し首を横に振る。


「はぁ、おい、お前。貴様が俺にさっさとトドメを刺せば、こうはならなかった。その女が死んだのは、貴様が傲慢だったからだ。貴様が傲慢だった故にその女は死んだ。つまり、貴様のせいというわけだ」


「俺の……せいで……凛が……死んだ。……うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!」

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