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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第二章 七十二柱の悪魔
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33 一歩前進

 二人が屋敷に来て一ヶ月くらい経った。

 二人の少女の名は、ロングヘアの子が、ヴェオーラ・フィン・リーディエット。

 ショートヘアの子が、ヴェオーラ・ネヴァン・エスフィール。リーディエットが姉でエスフィールが妹だ。


 二人が屋敷に来てから、二階の空き部屋を二人の部屋にしたが、二人はベッドも使わず部屋の隅で、二人並んで体育座りをしている。一ヶ月経った今でも二人は部屋の隅で、体育座りをして生活していた。まぁ、ご飯を食べる時は広間に来て、一緒に食べているんだけどね。

 俺は一ヶ月間二人に話しかけ続けていたが、自分達の名前の事以外は、何も言わなかった。二人の頭を撫でて見たり、頬を突いてみたりしたが、何の反応も無く一向に口を閉したままだ。


 そして、今日もまた二人の部屋に訪れ、二人に話しかけようとしたが、一ヶ月も話しかけても何の反応もないんだから、何か方法を変えてみる事にした。何がいいかなぁ? ……うーん……暫く考えていると、我ながら良い方法を思いついた。

 その名も! 押してダメなら引いてみよう作戦だっ! ――と言う訳で俺は部屋の隅で、体育座りをしている二人の隣に行き、同じ様に体育座りをする。リーディエットの隣に座ると二人は、不思議そうな顔をしていた。

 まぁ、当然だろうな、一ヶ月間話しかけていた奴が、急に隣に座ったのだから。


 十分程経った時、リーディエットが突然話しかけて来た。どうやら、俺の作戦は成功した様だ。流石俺!


「どうして……今まで話しかけていたのに、今日は話しかけて来ないんですか?」


 そう言って、首を傾げるリーディエット。


「押してダメなら引いてみよう作戦さ! 一ヶ月間も話してダメなら、今日は話さないで側に居れば、話してくれるかなって思ってさ……」


「そうですか……」


 俯いて言うリーディエット。


「自分達の過去を話すのは怖いか?」


「……はい」


 リーディエットは俯いた状態で、俺の質問に答える。妹のエスフィールも、リーディエットと同様に俯いている。余程、過去を話すのが怖いんだろう。


「そっか……なら、二人が自分達の過去を話しても良いって思える日まで俺は待つよ」


 顔を上げたリーディエットと、エスフィールは驚きの表情となっていた。俺は立ち上がって二人の頭に手を乗せ、優しく撫でると二人は安心したのか、穏やかな表情で声を揃えて言う。


「「ありがとうございます」」


「あぁ。……俺はもう行くよ」


 そう言った後俺は二人の頭から手を離し、二人の部屋を後にした。もしかしたら、二人が自分達の過去を話してくれるのは、そんなに長い時間は掛からないんじゃないかなぁ。

 その時が楽しみだ! 俺がその時を楽しみにしてると、中に居るルイーザが話しかけてきた。


『随分と嬉しそうだな。ゼローグよ』


 そりゃあ嬉しいさ! あんな可愛い子に感謝されたんだからなぁ! 嬉しくない訳がないさ!


『お前は相変わらず可愛い娘が、本当に好きなんだな』


 そりゃあそうさ! 可愛い女の子が嫌いな男なんて居ないぜ! 男は皆、可愛い女の子が大好きなのさ!


『……だが、まぁ、確かに、一ヶ月間も無口だった()の、あんな穏やかな表情を見れたのは私も嬉しいかな』


 だろ?

 ルイーザと話していると、屋敷の広間の前に着き広間の中に入る。広間にはリーディエットとエスフィール以外の面々が、ソファーで(くつろ)いでいた。


「今日はどうでしたか? ご主人様」


 ナナは俺にリーディエットとエスフィールの反応を聞いてくる。


「一歩前進さ」


 俺が凛と唯の間に座り、ナナの質問に答えると、アルシアが嬉しそうにして俺に言う。


「良かったね! ゼロちゃん!」


「あぁ」


 俺が答えるとオリヴィアが、不思議そうにして俺に言う。


「どんな手を使ったんだい? ゼロ」


「押してダメなら引いてみろ作戦」


 オリヴィアの質問に答えると。凛が首を傾げてこう言ってきた。


「つまりどういう事でありんす?」


 凛は普段から可愛いけど、首を傾げて不思議そうにしてるのも、堪らなく可愛いと思いつつ凛達に言う。


「一ヶ月間話しかけもダメだったからな、リーディエットとエスフィールみたいに、二人の隣に体育座りをしたのさ。そしたら、十分後くらいにリーディエットが、話しかけてきたんだよ」


 どういう手を使ったのか、作戦の内容を皆に説明すると、オリヴィアが声を漏らす。


「なるほど、それで、押してダメなら引いてみろ作戦って訳か……」


「やっぱり、二人は自分達の過去を話すのが怖いみたいだよ」


 俺が言うと広間の扉が開かれる。扉の方に視線を移すと、そこにはリーディエットとエスフィールが居た。どうしたんだろう?

 全員が訝しげにしていると、リーディエットが前に出て言う。


「ゼローグさん、さっき言ってくれましたよね。自分達の過去を話しても良いって思える日まで待つって」


 もしかして……自分達の過去を話してくれるのか?


『話してくれるんじゃないか? そういう雰囲気だし』


 長い時間は掛からないだろうと思ってたけど、本当に話してくれるのだろうか。

 ――と思いつつリーディエットに言う。


「あぁ。言ったよ」


 リーディエットは覚悟を決めた、という顔で俺達に言ってくる。


「今からお話します私達の過去を、過去に何があったのかを……」

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