30 強さの基準
人は自分よりも強い存在を、格が違うとか、次元が違うと例える。
突破者や魔王はこれに当てはまる。他の者と実力が、余りにかけ離れているからだ。
だが、ゼローグはそんな生易しい物じゃない、ゼローグからしたら他者との実力がかけ離れた、突破者や魔王すら蟻と同然なのだ。
突破者や魔王が他の者と、実力がかけ離れている様に、奴と突破者や魔王の間には、天と地ほどの差がある。
ゼローグの実力はそれ程までに、強大すぎるのだ。正に、常識を遥かに逸脱した、規格外の存在。
故に最強の騎士。
何者もゼローグを倒す事は出来ない……。
……そして、そのゼローグですら、蟻と思えるほどの危険な存在が、ゼローグの中に宿っていることは、ゼローグを含めまだ誰も知らない……。
「さて、先ずは……プルクラム騎士団団長、シャロン・バークレー!」
「はい!」
シャロンは大きな声で返事をすると、領域数計測装置の前に立ち、下画面に手を当てようとすると、アリアが思い出したかの様にこう言った。
「あ! そうだ、領域数を計測する前に、領域数の基準を言うのを忘れてたわ。シャロン、悪いんだけど一度戻ってくれる?」
「分かりました」
そう言ってシャロンは元の場所に戻り、アリアが領域数の基準を話し始めた。
「先ず、下級騎士の領域数は約三千領域。次に、上級騎士の領域数は約五千領域だ。……それじゃあ、シャロン・バークレー領域数計測装置に触れてくれ」
「はい!」
シャロンは再び大きな声で返事をして、領域数計測装置の下画面に手を触れると、シャロンの領域数が上画面に現れた。
シャロンの階級はパラディン、騎士の階級の最上位だ。普通、フィリナ王国では騎士団の団長がパラディン、そして、騎士団団員は聖騎士と決まっている。騎士団団長になるにはパラディンである事と、神の加護を宿している事が条件で、騎士団団員も同様だ。
まぁ、聖騎士になる条件は神の加護を宿している事だから、聖騎士は全員条件を満たしているんだけどね! それ以下の階級の下級騎士や、上級騎士は王宮の警護をしている。
俺の騎士団は特別で、神の加護を宿してなくても、入団する事が出来る。まぁ、美人限定なんだけどね!
「数値は三万四千か……では、次、プルクラム騎士団団員、イヴ・アイバーン!」
アリアはシャロンの領域数をメモすると、次の人物の名前を呼んだ。
「はい!」
イヴ・アイバーンと呼ばれた少女は、シャロンに負けない位の大きな声で返事をする。イヴは水色のサイドポニーテールに、水色の瞳、アルシア達が着てる様な鎧を着ている。
イヴは領域数計測装置の前に立つと、下画面に手を触れる。すると、上画面にイヴの領域数が現れた。
「ふむ、一万二千か……。それでは、次、プルクラム騎士団団員、クローディア・ヘンレッティー!」
「はい!」
クローディア・ヘンレッティーと呼ばれた少女は、返事をした後領域数計測装置の前に立つ。腰まである赤色のロングヘアに、赤い瞳、騎士の鎧を着ている。クローディアが手を触れるとクローディアの領域数が画面に現れる。
「一万八千っと、それじゃあ、次、プルクラム騎士団団員、シャーロット・カーリン!」
「はい!」
シャーロットは領域数計測装置の前に立つと、下画面に手を触れる。すると、シャーロットの領域数が画面に現れる。
シャーロットは、ウェーブのかかった肩よりも長い金色の髪に、金色の瞳、騎士の鎧着ている。金髪美少女、何時か仲間にしたいなぁ……。それと仲間になるなら巨乳の子がいいなぁ。
「一万六千っと、次、プルクラム騎士団団員、エリザベス・ターニャ!」
「はい!」
エリザベスは領域数計測装置の前に立ち、手を触れると画面にエリザベスの領域数が表示された。
ピンク色のツインテールに、ピンクの瞳、騎士鎧を着ている。シャロンの団員は皆、美少女ばかりなので目の保養になる。
でも、あんまり鼻の下伸ばしてると、凛とか梨沙やナナに怒られそうだ。気をつけないとな。
『私だって怒るぞ? ゼローグよ』
起きてたのか? 今まで静かだったから寝てるかと思ったよ。
『こういう場だ、私だって静かになるさ』
「エリザベスの領域数は二万か……さて、次は、プルクラム騎士団団員、ローレンダ・エミリエット!」
「はい!」
エミリエットは銀髪のポニーテールに、銀色の瞳、騎士の鎧を着た美少女だ。めっちゃ可愛い。絶世の美女と言ってもいいくらいだ!
エミリエットは領域数計測装置に手を触れると、エミリエットの領域数が画面に表示される。
「ほう、二万二千か、凄いな。次、プルクラム騎士団団員、ノエル・ネストホルン!」
「はい!」
ノエルは金髪のショートヘアに、金色と水色のオッドアイ、騎士の鎧を着ている。
ノエルが領域数計測装置に触れると、画面にノエルの領域数が表示される。
「一万四千五百っと、次、プルクラム騎士団団員、フレデリカ・デューイ!」
「はい!」
フレデリカは黒色のロングヘアに、黒い瞳、騎士の鎧姿だ。フレデリカも他の団員と同様で、もの凄く可愛い! 美少女サイコー!
『心の声がだだ漏れだぞ? ゼローグ』
いいんだよ、どうせお前にしか聞こえてないんだから。いやー、やっぱり可愛い女の子はいつ見ても良いもんだねぇ。
『あんまり鼻の下を伸ばしてると、怒るぞ、ゼローグ』
そうは言うけどさぁ、可愛いいんだから仕方がないだろ? お前もそう思うだろ? ルイーザ!
『まぁ、それは……多少は思うけど』
だろ? ってことで、大目に見て!
『わ、分かった……少しだけ大目に見てあげる』
「えーっと、一万四千っと。次、ブリリアント騎士団団長、エミリア・ルルー!」
エミリアはスケッチブックにはい! と書いた後、両手を上げてアリアに見せている。
エミリアが領域数計測装置に向かって歩こうとした時、近くに居た団員達がエミリアを応援していた。
エミリアは領域数計測装置に触れると、画面にエミリアの領域数が表示された。その数値に全員が釘付けになっていた。それもそうだろう、表示された数値は――。
「ご……ご、五万八千!?」
先程までの数値とは、比べ物にならない数値。それ程エミリアが強いと言う事だろう。
神の加護を使いこなせていないにも拘わらず、この数値である。全員が釘付けになるのも無理はない。
すると、計測終えたエミリアが俺の方に向かって走って来くると、エミリアは無邪気な顔で俺の目を見つめていた。そして、スケッチブックを取り出し、何かを書いているようだ。エミリアは書き終えると、スケッチブックを俺に見せてくれた。そこには、私凄い? と書いてあった。
俺はエミリアの頭を撫でながらこう言った。
「あぁ、凄いぞ! エミリア!」
エミリアは俺に褒められて嬉しかったのか、もっと撫でてと俺の手を取ると、自分の頭に乗せた。俺は再びエミリアの頭を優しく撫でると、エミリアはとても嬉しそうに飛び跳ねていた。




