28 命懸けの修行とゼローグの師匠!
「さて、そろそろ屋敷の中に戻るか!」
「うん!」
俺と梨沙は庭から、屋敷の扉の前へと歩いて行く。扉の前に着くと、俺と梨沙は屋敷の中に入り、広間に戻った。
「おかえり! 梨沙、お兄!」
凛は戻って来た俺を笑顔で、「おかえり」と言ってくれた。やっぱり、いつ見ても凛の笑顔は、とても可愛い! こんな顔が何時でも見れるのだから、俺は幸せ者だ。
「あぁ、ただいま。凛!」
そう言って俺は、凛の頭を優しく撫でてやる。すると、凛はとても嬉しそうにして、耳と尻尾を出し、犬の様に尻尾を大きく、左右に振っていた。
こんなふうに、尻尾を振っていると、まるで犬だな。本当は狐だけど……しかも妖怪だからな。
「えーっと、話があるんだけど、全員いるよな?」
「いるでありんすよ」
俺、凛、梨沙はソファーに座ると、全員の視線が俺に集まった。
「今から全員で、地下に行って修行を行う」
「修行?」
俺の言ったことに皆、不思議そうな顔をしている。そんな不思議そうな顔をするかなぁ。まぁ、でも、急に修行するなんて言ったら、当然のことか。
「どうして修行をするのゼロちゃん」
「理由は二つ、一つはまた俺が魔王と出合って、動けなくなる事もあるだろう? その時悪魔が出たら倒すのは、俺じゃなくて、お前達だ。二つ目は、お前達はまだ弱いからだ」
「なるほど」
「まぁ、修行する前に、ここに師匠を呼ぼうと、思ってるんだけどな!」
この事に、師匠を知っている、ナナ、アルシア、メロディア、オリヴィアは驚き、師匠を知らない凛、梨沙、唯、レイチェル、モニカは首を傾げていた。
俺が師匠について、説明しようとした時、凛がこう言ってきた。
「お兄の師匠?」
「あぁ、俺に剣を教えてくれた人だ、まぁ、正確には俺は師匠の剣を、ただ見てただけなんだけどな!」
「フィーユさんが何処に居るのか、知って居るんですか? ご主人様」
「いや、知らん! だけど、検索空間を使えば直ぐに分かるだろ!」
そう言った後俺は、検索空間を発動して、師匠の居場所を探す。
師匠が検索空間の範囲内に、居るといいんだけどなぁ。
「……居ねぇや」
「じゃあ、どうするでありんすか?」
「場所を移動するさ、ってことで、ちょっと待っててね!」
俺は空間移動で王都の中まで移動すると、再び検索空間を発動して師匠を探す。
「あ、見っけた」
俺は師匠の居る場所まで、空間移動で移動する。本当、便利な技だよな、これ。
「よっ! 師匠、元気にしてた?」
移動した先には、肩よりも少し長い、カールのかかった黒い髪に、白いワイシャツを裾を出して着て、黒いロングスカートを履いた、綺麗な女性が居た。
この綺麗な女性が、俺の師匠で有り、突破者の一人、フィーユ・ロードだ。
「ん? ゼローグか? 急に現れるなビックリするだろ。それと、返事はYESだ。少し待ってろ、直ぐに片付けるから」
師匠が居た場所は、広大な大地で野宿をしている様だった。相変わらず、話が早くて助かるぜ。流石、俺の師匠!
「ありがとな。そんじゃ、屋敷に帰るとしますか」
俺は、片付けを終えた師匠と共に、屋敷の広間へと、空間移動で移動した。
「ただいま! 師匠連れてきたぜ」
「おかえりなさいませ。ご主人様」
「おかえり! お兄」
「始めましてが何人かいるな。私はフィーユ・ロード、ゼローグの師匠で、突破者だ。よろしくな!」
「さて、師匠も連れてきたことだし、地下に行って、修行開始と行こうか!」
俺達は師匠を連れて、地下に向かった。地下に着くと俺は皆に、修行の内容を伝える。
「アルシアは唯と、メロディアはモニカと、タイマンで戦ってもらう。勿論、殺す気でだ。あ、でも本当に殺すんじゃないぞ?」
「分かってるよぉ、ゼロちゃん!」
「そして、凛とレイチェルでアルシア達と同様にタイマンで戦ってもらう。殺す気でな」
「分かったでありんす!」
「分かりました、ゼローグさん」
「最後に、オリヴィアと師匠でペアを組んで、俺と戦ってもらう。これが全員の修業プランだ。そして、ナナはアルシア、メロディア、唯、モニカのサポート、梨沙は凛とレイチェルのサポートを頼む」
「具体的に何をしたらいいの?」
そう言って梨沙は、首を傾げて俺に聞いてくる。
「簡単だよ、休憩中に、飲み物を渡したり、タオル渡したりすればいいから」
「分かった!」
「よし! それじゃあ、修行開始だ!」
修行開始と同時に、俺達は距離を取り、それぞれ、修行を開始していた。ナナと梨沙に被害が及ばないように、修行してるアルシア達は、隔離空間の中で修行をしている。
他の皆が修行してる中、俺達三人は修行の準備をしていた。
「さて、オリヴィア先ずは、お前には神器の使い方を教える」
「神器の使い方?」
「そう、神器には神器解放の他に、二つの力の解放がある。それが、限界突破と臨界突破だ。限界突破は命を削るが性能は、臨界突破の十倍。臨界突破は性能は限界突破に劣るが、命ではなく体力のみをを削る。まぁ、実際に見せた方が理解しやすいだろ」
俺は異空間から、変化する鎧を取り出し、右腕に身に付ける。
「神器解放! 変化する鎧! ……臨界突破!」
右腕に付けた神器解放した変化する鎧は、光輝き、小さな光の粒子となり、俺の全身を覆っていく!
光輝く粒子は、徐々に鎧を形成していき、白銀の全身鎧と化した!
「臨界突破者、変化する鎧、全身鎧!!」
「凄い……」
そう言った後、オリヴィアは呆然としていた。臨界突破者となった変化する鎧は、右腕は神器解放状態の変化する鎧と同様で、左手も右腕と同じ形状となっている。
足、腰、胸、顔も、両腕と同じ様な機械的と言うか、騎士の鎧っぽいと言うか、煉獄の臨界突破者同様、兎に角格好いいフォルムだ!
すると、修行をしていた凛を除いた、アルシア達が、手を止めて、俺を見ていた。俺の変化に気付いたのだろう。
「お前らぁぁぁあああ!! 見るのは俺じゃなく、目前の敵だけを見ていろぉぉぉおおお!!」
すると、俺の声を聞いたアルシア達は、驚いて暫し硬直した後、再び修行を再開していた。全く、修行に集中しろよな、これが実戦だったら、確実に死んでたぞ、あいつ等。
「これが、臨界突破者、今からお前もこの臨界突破を使えるようになってもらう」
「どうやったら、臨界突破扱えるようになるの? ゼローグ」
「俺の場合は、やろうと思ったら、出来たからな、どうしたら扱えるかは分からん! ……まぁ、あれだ、気合いと根性でどうにかなるだろ!」
「どうせ私は、貴方みたいな天才じゃなくて、凡人ですよーっだ!」
そう言って、オリヴィアは怒りながら、頬を膨らましている。頬を膨らませてる姿は、餌を頬に溜めてるハムスターみたいで、とても可愛いかった。
「まぁまぁ、そんな怒るなよ、この修行で俺への恨みを、少しは晴らせるかもしれないぜ! なっ?」
「私に出来るかな?」
「絶対に出来るさ! 自分を信じろ!」
「うん!」
俺は臨界突破者を解除した後、変化する鎧を異空間にしまい、異空間から魔剣グラムを取り出す。
「さぁ、俺達も修行開始しよう。全力でかかって来い!」




