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BATTLE OF THE GOD〜神々の戦い〜  作者: エックス
第二章 七十二柱の悪魔
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26 三人目の魔王

 俺達は屋敷に向けて、手を繋いで並んで歩いていると、凛がこう言ってきた。


「ねぇ、お兄」


「ん?」


「屋敷に居る皆は、もう寝ているでありんすかね?」


「寝てるんじゃないか? まぁ、ナナは起きてそうだけどな」


 前に、食後の散歩をしに村まで、凛と唯の三人で歩いていた時に、アガレスに出合ったんだよな。

 その時はナナが俺達三人を、一人で待っていてくれたんだよな。

 アガレスと出合った時に、凛がアガレスと戦って、俺からのご褒美で尻尾が二本になって、パワーアップしてモード妖孤・二尾を、扱えるようになったんだよな。

 そして、そのご褒美で俺と王都で、デートをしたんだよな。

 その後、夕食を食べた後に、広場で俺は凛にプロポーズされて、俺と凛は婚約したんだ!

 改めて振り返ると、あの時、アガレスに出合ってなかったら、凛と王都で二人っきりで、デートをする事は、無かったんだろうなぁ。

 アガレスに感謝しないとな、あいつに出会ったおかげで、凛と婚約する事が出来たんだからね!

 それにしても、まさか、七十二柱の悪魔に、感謝する日が来ようとは……。


「わっちらが婚約した事は、明日言えばいいでありんすかね?」


「そうだな……ナナが起きてたら、ナナには言っておこうか。何時も俺達の世話を、してくれてたからな!」


「そうでありんすね!」


 そんな事を話していると、随分遠くから、からのさっきのシトリーとは、比べ物にならない位の魔力を感じた。

 これだけの魔力となると魔王か? 今日はとことんツイてないな、さっき、七十二柱の悪魔に出合ったと思ったら、今度は魔王かよ! 

 はぁ、面倒な事になった……。

 俺は、凛と二人っきりの時間を、楽しみたかったってのに! 七十二柱の悪魔といい、魔王といい、どうして俺の邪魔をするんだよ!

 って、愚痴ってもどうしようもないか。

 とてつもない魔力は、どんどん此方(こちら)に、近づいてくる。


「来るぞ!」


 魔王は勢いよく飛んで来て、地面に着地すると魔王は、何事も無かったかのように、地面に立っていて、シルエットのみが確認出来る。

 辺りには土煙が濛々(もうもう)と、立ち上っている。

 暫くして土煙が晴れると、魔王が立っている所は、クレーターになっていた。

 ピンクのロングヘアーに、蒼い瞳、身長は多分百六十センチ程、レヴィアタン以上に露出の多い格好をしていて、色んな所から素肌が見えていて、裸と言っても過言ではない、……凄いセクシーな魔王だ。

 そして、レヴィアタンと同じくらいの美人だ。

 眼前にいるセクシーな魔王の名は、メフィストフェレス、……魔王メフィストフェレス!

 魔王と目が合った瞬間、俺はとてつもない激痛に見舞われた。


「ぐぁぁぁぁぁあああああ!!」


「お兄!!」


 俺は余りの激痛に、その場に膝を着いていて、激痛に耐えていた。

 凛は心配そうにして、俺の側に駆け寄り、不安そうな顔で俺を見ているが、凛は何が何なのか、理解出来ずにいるようだ。

 クソッ! この痛み、……あの時、村でレヴィアタンと、出合った時と同じだっ!


「うぁぁぁぁぁあああああ!!」


「お兄!」


 ……いや、同じ……じゃねぇ……あの時以上の痛みだ! クソッ! 痛てぇ、痛てぇ、痛てぇ! 体中が痛てぇよ!

 刹那、あの村で起きた事と同じ様に、俺は身体の中に居る、何者かに身体の支配権を奪われていく感覚に再び陥っていた。

 あの時と同じかよっ!

 そこで俺は意識を失った――。

 俺は立ち上がって、眼前に居る彼女に声をかける。


「久しぶり、メフィー」


「久しぶりね、ルシー。元気にしてた?」


 彼女は笑顔で俺に言ってくる。

 相変わらずの綺麗な笑顔だ。


「まぁまぁだ」


「そう……あの娘の事が気になるんでしょ? あの娘、貴方にとても懐いていたからねぇ」


「俺を恨んでるだろうな」


「えぇ、貴方の事、とても恨んでいたわよ」


「だろうな、まぁ、俺はあいつを裏切ったんだから、当然の事だけどな」


 謝っても許してくれないだろうな。

 そもそも、俺があいつ会う資格なんて無いか……あいつには本当に、悪い事をしてしまった。


「でも……あの娘は、貴方の気持ちも理解していると……そう言っていたよ。泣きそうな顔でね」


「そうか……あいつには謝っておいてくれ。……くっ! ……限界か……」


 倒れそうになった所を、メフィー駆けつけて、俺を支えてくれた。


「ルシー! 平気か?」


「どうやら限界の様だ」


 そこで、俺の意識はプツリと途絶えた――。


         *****


『三人目の魔王に接触したか……』


『残り……九人』


『はぁ、残り九人かぁ……遠いなぁ』


『まぁ、気長に待とうよ!』


『そうだな』


 まただ、前も同じ様に、こいつら何かを話してる。一体何の話しているんだ? 残り九人って何の事だ? それに、ここは何処なんだ?


『早く目覚めないさいよ、ゼローグ。貴方の婚約者が心配してるわよ』


 何で俺の名を知ってるんだ? そういえば、王宮で寝ていた時も、似たような事を言われたな。だけど、声音が全然違う。何者なんだ? 俺の婚約者って……凛が俺の心配をしてるのか?


『そうよ……だから、早く目覚めないさよね。大事な婚約者なんでしょう?』


 そうだ、凛は俺の大切な――。


「お兄?」


「うぅ、凛……か?」


「お兄!」


 凛は大粒の涙を流して、俺に抱きついてきた! その顔は安堵の顔となっている。


「……っ……心配したでありんす……っ……十日も寝込んでっ……目覚めないかとっ……思って……」


 俺は十日間も眠っていたのか、だから、凛はこんなにも――。俺は凛の頭を、撫でて上げようとしたが、身体が一切動かなかった。王宮で寝てた時と同じか……。


「心配かけてごめんな……凛」


 漸く凛は落ち着いた様で、目を赤くしながら、服で涙を拭いていた。後で心配かけた詫びに、凛の事を思いっきり、抱きしめてやろう。


「……ううん、大丈夫でありんす。わっちは今から、広間に居る皆を呼んでくるでありんす」


「あぁ、分かったよ」


 凛は俺の頬にキスをすると、俺が目覚めた事を、広間に居る皆に知らせに行った。

 凛だけじゃなくて、他の皆にも心配をかけちまったな。

 まさか、十日間も寝込んでいたとはな。

 それにしても、凛は、どうやって俺を部屋まで、運んできたんだろう?

 まぁ、凛が戻って来たら、説明してくれるか……。

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