23 そこにあった物
屋敷の中に入ると、前に来た時と同様に、見事にボロボロになっていた。
「ボロボロでありんすね」
「あぁ、見事なまでにボロボロだな。……さて、検索空間で中を調べてみるか」
俺は検索空間を使い、この屋敷の中を調べてみると、唯が閉じ込められていた地下に、更に下に行けることが分かった。
「何か分かったでありんすか?」
「あぁ、唯が閉じ込められていた地下牢から、更に下に行ける事が分かったよ」
「それ、唯を助けた時には、気付かなかったんでありんすか?」
「うん、唯に気を取られて、全然気付かなかった」
「兎に角、その地下牢よりも更に下に、行くでありんすよ」
凛はそう言った後、俺の手を握って地下牢に続く、階段のある部屋まで歩き出した。
俺と凛は、一階の右側の一番奥の部屋に着くと、凛は笑顔で俺にこう言ってきた。
「何があるかワクワクするでありんすね!」
「俺としては、面倒な事はごめんなんだけどなぁ」
「ほら! 行くでありんすよ! お兄」
そう言って凛は、どんどん螺旋階段を降りていく。俺も凛に続いて、階段を降りていくと、唯が閉じ込められていた、地下牢に着いた。
地下牢には他にも牢屋があり、唯の居た牢屋を含めて、全部で六つある。
俺は唯が閉じ込められていた、地下牢の床を調べると、下に続く階段を発見した。
「これか、下に続く階段は」
「どうやらそのようでありんすね」
「行くか……」
俺と凛は手を繋ぎ、更に階段を降りていく。暫く階段を降りていくと、開けた所にでた。広さは、俺の屋敷の広間の三倍くらいだ。
「凄いでありんすね」
「あぁ、半端ねえ」
何故、俺と凛がこんなに、驚いているかというと、辺り一面が金銀財宝で、埋め尽くされているからだ。しかも、金銀財宝の他にも、色んな物が置いてある。
「色々見てみるでありんすよ、お兄!」
「あぁ!」
俺と凛はこの部屋に、金銀財宝の他に、何があるのか探し始めた。すると、金の山の中から、とてつもないオーラを放っている、二本の大剣を見つけた。何方も両刃の大剣で、柄、刀身の全てが漆黒となっていて、もう一本の方は柄、刀身の全てが純白となっている。両方の大剣の鍔は金色になっている。
すると、二本の大剣のオーラに気付いた凛が、こっちに向かって歩いて来た。
「なんでありんすか? その大剣」
「この金の山の中にあった」
「ふーん、どうするでありんすか? その二本の大剣」
「貰う」
「やっぱり」
「凛は何か見つけたか?」
「ううん、まだでありんす」
「そうか、まぁ、こんなすげぇのがあるんだ、まだ他にもあるだろ」
「そうでありんすね!」
俺と凛は再びこの部屋の中に、何があるのか探し始めた。すると、今度は凛が何かを見つけた様だった。
凛の所に行くとそこには、一本の剣が地面に突き刺さっていた。
「なんだこれ?」
「剣でありんしょう」
「そりゃあ見れば分かるよ。取り敢えず引き抜くか」
俺は、剣の柄を掴み引き抜こうとすると、簡単に引き抜く事が出来た。すると、引き抜いた剣から、女性の声が聞こえてきた。
『使用許諾確認中です。……使用許諾確認完了、貴方をマスターとします』
「へ?」
何で剣が喋ってんだ? 貴方をマスターとしますってどういう事? 俺がマスターって事なのか? もう、いきなり過ぎて訳が分からねぇ。
「今の、貴方をマスターとしますって、お兄の事でありんすかね?」
「多分な、えっと、質問してもいいか?」
『何でしょう?』
「先ず、お前の名は?」
『私の名は、魔剣グラムです』
ん? 今、この剣なんて言った? 魔剣って言わなかったか、え、嘘だよね、マジで魔剣なの?
「本当に魔剣なの?」
『はい、正真正銘、私が魔剣グラムです。マスター』
「えっと、何で魔剣がこんな所にあんの? そもそもなんで喋れんの? 魔剣って皆喋れんのもんなの?」
『他の魔剣は、喋ることは出来ません。私だけが特別に、会話する事が出来ます。私が何故ここにいるのかは、分かりません。気付いたらここに居ました』
「何で俺がマスターなの?」
『私がマスターを、マスターと認めたからです』
「そうか……取り敢えずここを出るか」
俺は空間移動で、この部屋にある物を全て、屋敷の保管庫に移動させる。二本の大剣と魔剣グラムは、二本の大剣をクロスさせて背負い、真ん中に魔剣を背負った。
「行くぞ、凛」
「うん!」
俺と凛は来た道を戻り、屋敷の外に出た。時間を確認すると、丁度五時だったので、俺と凛は夕食を食べる為に、飲食店に向かった。
背中に三本の剣を背負ってる為、色んな人から視線が送られる。
「色んな人から、見られているでありんすね」
「まぁ、流石に三本も剣を背負ってたら、誰だって見るよな」
『マスター、視線が気になるのであれば、しまったらいいのでわ?』
「仕方ないしまうか。格好いいから、ずっと背負っていたかったんだけどなぁ」
俺は神器と同様に、二本の大剣を異空間にしまった。すると直ぐに視線はなくなって、視線に気にならなくなった。格好良かったのになぁ。
俺と凛は再び飲食店に向けて歩き出す。十分程で飲食店のある、場所に着いたので俺と凛は、どの店に入るか相談をした結果、今日のお昼に行った、レストランで夕食を食べる事にした。




