20 二人っきり
馬車に乗って王都に向かうまで俺と凛は、隣どうしに座って王都に着くまで、イチャついていた。
すると凛は笑顔で俺の顔を見ながら、こう言ってきた。
「あ、そうだ! お兄、アガレスと戦った時に、わっちがパワーアップした時の姿の、名前を付けてほしいでありんす!」
「俺が名付てもいいのか?」
「うん、お兄に名付けてほしいでありんす」
「そうだなぁ……モード妖狐・二尾ってのはどうだ?」
アガレスと戦った時の凛は、銀色の耳と尻尾を出していて、尻尾は一本から二本になっていて、銀色のオーラを纏っていたのだ。
自分のパワーアップした姿の、名前を聞いた凛は、凄く嬉しそうな顔をしてこう言った。
「うん! 気に入ったでありんす! 二尾って言うのは、アガレスと戦った時のわっちの尻尾が、二本あったからでありんすね」
「あぁ、その通りだよ」
今後凛の尻尾が増えていって、モード妖孤・二尾が、モード妖狐・三尾、四尾となっていって、戦闘に応じて尻尾を増やしたり減らしたりして、力の調整が出来るようになるといいな。
すると馬車が止まって馬車の扉を、開けたナナがこう言った。
「少し休憩にしましょう。ご主人様、凛様」
俺と凛は馬車から降りて、前にも着たことがある、村の宿屋で休憩していた。
「凛は王都に着いたら、どこか行きたい所はあるのか?」
「まだ決まってないでありんす、何をするかは王都に着いてから決めるでありんす」
「そっか、王都は凄い広くて観光客とかもよく来るから、観光名所とかに行ってみるのもいいかもな」
十分程休憩した後俺達は宿屋から出て、馬車に乗った後、馬車は王都に向けて進みだした。
俺と凛は王都に着くまで、イチャイチャしたり、雑談をしたりしていた。
再び馬車が止まったので俺達は、馬車のドアを開けて、馬車から降りると馬車は、王都の門の前に着いていた。
「ふぅ……やっと着いたぜ」
「それでは王都でのデートを、楽しんで来て下さいね。ご主人様、凛様」
そう言った後ナナは馬車に乗って、屋敷へと戻っていった。
門を通って王都の中に入ると、昼時だったので俺達は、前に行ったことのあるレストランに向かった。
レストランに向かって歩きながら凛は、自分のお腹を擦ってこう言った。
「もうお腹ペコペコでありんす」
「あぁ、俺もだ」
レストランに到着して中に入ると、昼時で混んでいるかと思ったが、そこまで混んでいなかったので、長い時間待たずに済んだ。
俺と凛は四つある椅子に、向かい合わせに座って、テーブルにあるメニューに目を通す。
「どれにしようかなぁ」
「前に来た時も迷ったでありんしょう」
「そういえばそうだったな」
メニューを見ていると、ステーキの写真が目に入って、凄い美味しそうだったので、ステーキに決めた。
「俺はステーキにするけど、凛は何にするんだ?」
「それじゃあ、わっちもお兄と一緒にするでありんす」
「デザートとかはいいのか?」
すると凛はメニューに指を指して、笑顔でこう言った。
「それじゃあ、このジャンボパフェがいいでありんす!」
凛が指を指したメニュー表には、バケツくらいの大きさの、容器に入った大きなパフェの写真があった。
「食べれるのか?」
「二人で食べれば楽勝でありんす」
やっぱり俺も一緒に食べる事になるんだね。まぁデートって感じがして、いいんだけどね。
メニューを決めた後俺は、店員さんを呼んで、ステーキ二つとジャンボパフェを、店員さんに頼んだ後、凛と頼んだ料理が来るまで雑談をしていた。
すると台車に二つのステーキと、ご飯を乗せた店員さんが来て、テーブルに二つのステーキを並べてくれた。
「さぁ、食べようぜ! 凛!」
「うん!」
「いただきます!」
俺と凛は手を合わせて言った後、俺はフォークとナイフ持って、ステーキを食べようとすると、凛が困った顔でこう言った。
「これはどうやって食べたらいいでありんすか? お兄」
「フォークで肉を抑えて、ナイフで肉を切って、食べるんだよ」
凛は俺の言った通りにやってみるが、中々上手く切ることが出来ない。
「俺が切ってあげようか?」
「うん、お願いするでありんす。お兄」
俺はステーキを一口サイズに切った後、凛に一口サイズに切られた、ステーキを渡す。
「ありがとう! お兄」
そう言って凛は嬉しそうに、ステーキを口に運ぶと、驚いた後に幸せそうに、ステーキを食べていた。
俺もステーキを一口サイズに切った後、一口サイズの肉を口に運ぶ。肉はとても柔らかくて、噛む度に旨味が溢れてきて、あっという間に食べきってしまった。
「ステーキ美味しかったでありんすね、お兄」
「凄い美味かったよな、今度ナナに作ってもらおうかな」
そんな事を話していると台車に、ジャンボパフェを乗せた店員さんがやって来て、テーブルのお皿を片付けた後、ジャンボパフェをテーブルに乗せた。ステーキがあまりに美味しくて、完全にこいつの存在を忘れてた。
やべぇ、食べきれるかなこの量。
メニュー表にあった写真を、よく見ていなかったので、気づかなかったがジャンボパフェは、アイスとチョコアイスの、ミルフィーユみたいになっていて、その上にはクリームやフルーツなどが乗っていた。
これを頼んだ凛もとても驚いた顔をしていた。
普段から凛はとても可愛いが、驚いた顔も可愛いな。ってそんな事より今は、このジャンボモンスターを、片付けねぇとな。
どっから手を付けたらいいんだろうか、正解が分からない。
変に手を付けたら形が崩れそうだ……どうしたものか。まぁ考えていてもどうしようもないし、とにかくこのジャンボモンスターを二人で、頑張って退治しよう。
「これって二人で食べきれる、量なんでありんすかね」
「いや、四人前って所じゃないか」
「四人分を二人だけで……はぁ、まぁ、とにかく食べるしかないでありんす」
「そうだな」
こうして俺達のジャンボパフェならぬ、ジャンボモンスターとの、長い戦いが始まった。先ずはフルーツの苺やキウイ、メロンなどを二人で食べ始めた。
「甘くて美味しいでありんすね」
「あぁ、そうだな、クリームと一緒に食べると、凄い美味しいぞ」
俺達は順調にフルーツを食べ終えて、次はミルフィーユ状になった、アイスを食べきるだけだ。すると隣のテーブルに、座っている女性が、前に座っている男性に、あーんをした後今度は、男性の方が女性にあーんをしていた。
それを見ていた凛は私にもして、というような顔で此方を見ていたので、仕方なく俺はスプーンでアイスをすくって凛に向けた。
「ほら、あーん」
「あーん」
そう言ってアイスを食べた凛は、今までにないくらい、嬉しそうな顔をしていた。
こうして俺達はお互いに、あーんをしながらジャンボパフェを、食べ進めていった。
なんとか二人だけでジャンボパフェを、食べきることが出来た。食べきることが出来たのは嬉しいんだけど、軽いトラウマになりそうだ。
俺はレジで会計をした後、俺と凛は食べ過ぎで具合が悪くなり、宿屋で少しの間休憩する事にした。




