14 誰よりも愛した女性
「それにしても凄かったなぁオリヴィア。ナベリウスをわざと挑発して、ナベリウスを怒らせて大技を放つように仕向け、ナベリウスにお前が殺られたと思わせてスキを作り、一撃必殺で一撃を与えるなんてな」
「ゼロの行った通りナベリウスの持っていた魔剣は、私が伸ばした柵を全てオーラだけで破壊してしまうからね、彼女を怒らせて大技を放たせてそのスキを狙ったんだ」
オリヴィアって頭脳派なのかな? 俺なら圧倒的な力でねじ伏せるけど。
「さて帰るか」
「うん」
「じゃあなマール」
俺はマールに向かって手を振るとマールも、手を降ってくれた。俺は空間移動を使って屋敷の広間に移動する。
「ただいま!」
広間に着いて皆にそう言うと凛が、俺に抱きついてきた。
「遅いでありんすお兄。心配したでありんすよ」
「ごめんな」
俺は抱きついたままの凛の頭を優しく撫でると、凛はとても嬉しそうにしていた。
「お兄その右目はどうしたでありんすか?」
抱きついていた凛はそう言い顔を上げて、不思議そうにしていた。俺は広間に皆が居ることを確認すると、右目に浮かび上がったウロボロスの紋章について説明し始める。凛はずっと俺に抱きついたままだ。
「この右目は普段は隠してたんだけど、七十二柱の悪魔を滅する時は、どうしても右目にこのウロボロスの紋章が、浮かび上がるんだよ」
「それじゃあ何で今は隠してないでありんすか?」
「いちいち隠しいても結局は七十二柱の悪魔を、滅する時に右目に紋章が浮かび上がるから、いいやと思ってな」
皆に右目のウロボロスの紋章について説明し終えると、凛が俺の目をじーっと見つめていた。
「どうした凛、俺の目をじーっと見つめて」
「どうしてお兄の左目は呪われているでありんすかね?」
俺もそう思うよ何で呪われているんだろうなぁ。前に俺と凛と唯とルイーザの四人でお風呂に入った時に、ルイーザに聞いたけど教えてくれなかったんだよな。
「どうして凛ちゃんはゼロちゃんの左目が、呪われている事を知っているの?」
「昔お兄と暮らしている時にお兄が左目の事とか、色々教えてくれたからでありんす」
今まで抱きついていた凛は俺から離れて、アルシアに俺の左目が呪われていることを、知っている理由を説明していた。
「だから凛ちゃんはゼロちゃんの左目が、呪われている事を知っていたんだね」
「それにしてもどうして団長の左目が、呪われているのか気になるね」
本当何でだろうな、もう一度ルイーザに俺の左目が、呪われている理由を聞こうかな。教えてくれるかは分からないけど。
「ルイーザ聞こえてるだろ? 俺の左目が呪われている理由を教えてくれよ」
『分かったよ少しだけ教えあげるよ』
ルイーザは俺のお腹から上半身だけを出してそう言った後、俺の体から飛び出して俺の前に現れる。
「お前の左目が呪われている理由は、お前の昔の恋人に関係している」
それを聞いた俺はあまりの驚きに、言葉が出なかった。
「ゼロちゃんの昔の恋人?」
アルシアは不思議そうな顔をして首を傾げていた。
「私が教えてやれるのはここまでだ」
そう言ってルイーザは俺の体の中に戻って行く。まさか俺の左目が呪われている理由が、あいつに関係しているとはな。今までで一番驚いたかも。
「ご主人様の昔の恋人について聞いてもいいですか?」
「その前に何か食べる物無い? 腹減っちゃった」
俺のお腹からは腹の虫が鳴いていて、俺は自分のお腹を擦る。
「確かに私達もゼロちゃんとオリちゃんが、戻って来るまで何も食べてなかったから、お腹ペコペコだよ」
そう言ったアルシアのお腹からも、腹の虫が鳴いていた。
「それにお風呂にも入ってないしね」
「分かりました直ぐに準備します」
「私も手伝うよナナさん」
そう言ってナナと梨沙は遅めの夕食を作りに行った。俺達はナナと梨沙が夕食の準備を、終えるまでソファーに座って待っていた。ソファーに座り話しながら三十分程待っていると、広間に夕食の調理を終えたナナと梨沙が、台車に夕食を乗せて入ってきた。
「美味そうな匂い」
テーブルに料理が置かれていき料理を置き終えたナナと、梨沙もソファーに座る。
「いただきます!」
全員で両手を合わせて言った後、少し遅めの夕食を食べる。今日の夕食はご飯と味噌汁と焼き魚だ。味噌汁の具は豆腐と和布とネギが入っている。
「この焼き魚脂が乗っていて凄く美味しいな」
あっという間に夕食を食べ終えるとナナと梨沙は、食器を台車に乗せて厨房に向かった。
「焼き魚美味かったなぁ。また食べたいな」
「あんなに美味しい魚なら幾らでも食べれちゃうよね!」
食器を洗い終えたナナと梨沙が広間に戻って来ると、ナナと梨沙は皆に温かいお茶を淹れた後ソファーに座る。そして全員が俺に視線を集めていた。
「お兄」
ソファーに座っていた凛は、心配そうな顔をして、俺の方を見ていた。
「大丈夫だ」
そう言い俺は凛を安心させる為に、凛の頭を優しく撫でる。
「……セシリア・レスティン。俺が誰よりも愛した女性だ。そして俺が友を敵に回す原因となった、俺の大切な恋人の名前だ」




