03 四人で王都に服を買いに行きます!
俺はアモンに向けて右手に集中させた消滅の力を、アモンに放ち勝負は決した。アモンとの勝負が終わる頃には夕方になっていたので、夕食に遅れないように急いで空間移動を発動して、屋敷の広間に戻る。凛と唯は人の姿に戻ってソファーで、布団を掛けて眠っていた。
「お疲れ様です。ご主人様」
「おう。アルシア達は上手く夕飯作れるかな」
「分かりません。ですが料理経験のある梨沙様とオリヴィア様が、一緒に居るので問題はないと思いますよ」
検索空間で屋敷の厨房の様子を見てみると、ナナの言った通りアルシア達は上手く夕飯を作れていた。
「ふわぁ。あれ? 何でお兄がそこにいるでありんすか?」
凛は目が覚めたのか裸姿で起き上がって、まだ眠いのか目をこすっていた。
「二人を起こさないようにトイレに行って、さっきトイレから戻って来たんだよ」
「ふわぁ。あれ? 旦那様はどこかえ?」
すると唯も目が覚めて裸姿で起き上がって、凛と同様に目をこすっている。二人の動きが全く同じで思わず笑いそうになった。
「ここにいるぞ」
二人はソファーから降りて着替えていたが、まだ寝ぼけているのか凛は唯の服を、唯は凛の服を着ていた。あまりに可笑しくて俺は、大きな声で笑っていた。それにつられたのかナナも、クスクスと笑っていた。俺は笑い終えて二人の着替えを手伝った後、丁度夕飯を作り終えた四人が、台車に料理を乗せてやって来た。
「夕食ができたよ」
そう言ってアルシア達はテーブルに、料理を並べてソファーに座る。俺とナナも空いている所に座っている、俺は凛と唯の間に座ってナナは梨沙の隣に座る。
「ルイーザお前は食べないのか?」
俺は中に居るルイーザに話しかける。
『私も食べていいのか?』
「当たり前だろ」
『それじゃあ。頂こう』
そう言ってルイーザは俺の身体から現れると梨沙の隣に座る。
「いただきます!」
そう言って俺達九人は両手を合わせて、夕食を食べ始める。アルシア達が作った料理はとても美味しくて、ルイーザも料理にとても満足していた。ルイーザは三年間の修行を始める時や、修行が始まって俺の相手をしてる時以外は、俺の中にいたので俺の中に居たので、ナナの作った料理を今まで食べる事は無かったのだ。
「どの料理も美味しいな」
「ありがとう。ルイーザさん」
ルイーザもだいぶ皆に慣れてきたようで、梨沙やアルシア達と会話をして、楽しんでいるようだった。
「ごちそうさま」
夕食を食べ終えて俺は風呂に入った後、自分の部屋に戻っていた。俺以外の皆はルイーザともっと話したいという事で、一緒にお風呂に入っていた。検索空間を使っていると風呂の様子が、分かってしまうので俺は検索空間を解除していた。俺は部屋のベッドに横になって、アモンが言っていた事を思い出していた。宿した直後に死ぬならどうして俺は、生きてるんだろうな。
「お風呂というのはとても気持ちいいんだな」
「それじゃあ。明日も一緒に入ろう」
「いいでありんすな」
凛と唯とルイーザはバスタオル一枚の姿で部屋に入って来た。
「何でお前らバスタオル一枚なんだよ」
「わっちと唯はどのみち裸になるからバスタオル一枚で、いいと思ったでありんすよ」
俺はルイーザの方を向いて、バスタオル一枚の理由を聞く。
「私は着る服が無かったから」
顔を赤くして恥ずかしそに言ったルイーザ。こういう顔もするんだな。
「はぁ、明日は王都に行ってお前らの服を買いに行くか」
「私の服もか?」
「あぁ」
三人は凄く嬉しそうにしていて直ぐに凛と唯は、狐と絡新婦の姿になってベッドに横になり、ルイーザは俺の中に入って行く。
「おやすみ」
そう言い俺は部屋の電気を消して眠りにつく。朝になって目が覚めると何時も通り凛と唯は裸だった。二人を起こさないようにベッドから降りて、パジャマから何時もの黒い服に着替える。その後凛と唯が目を覚まし服に着替えていた。俺達は早めに朝食を食べて王都にある服屋の前に、空間移動で移動して中に入る。
「先ずはパジャマから選ぶか。どんなパジャマがいいんだ?」
「唯やルイーザと同じパジャマがいいでありんす」
「私もそれがいい」
「ルイーザもそれでいいか?」
「うん」
隣に居るルイーザに聞くとルイーザは、恥ずかしそうにそう言った。一時間程パジャマを選んだ結果、結局三人は着ぐるみパジャマを選んでいた。凛は狐の着ぐるみパジャマで唯はまさかの、蜘蛛の着ぐるみパジャマだそしてルイーザは、黒いドラゴンの着ぐるみパジャマを選んでいた、狐の着ぐるみパジャマはまだ分かるが、よく蜘蛛とドラゴンの着ぐるみパジャマがあったなと思った。俺は三着ともこの三人の為にあるかのように感じた。パジャマを買う際店員は、不思議そうな顔をしていた。
「次の店行くぞ」
「うん」
パジャマを買った後今度は別の店で、普段着る服を選んでいた。凛は普段着ている浴衣がしっくりくるようで、普段着ている黒い浴衣と似た、赤い浴衣を選んでいた。唯はさらしはそのままで、下に着る服をどれにしようか悩んでいた。ルイーザもどの服にしようか、悩んでいるようだった。今度は二時間程悩んだ結果唯は、今まで下に着ていた服に似た青い服を選んでいた。ルイーザは黒いミニスカートに、太ももくらいある白いハイソックスと、お腹が見えるくらい丈の短い白いシャツを選んでいた。服を買い終える頃には丁度お昼になっていたので、空間移動で屋敷の広間に移動すると、丁度皆が昼食をテーブルに置いていたので、皆で昼食を食べた後三人は買って来た服を四人に見せていた。