07 うそつき
それにしても、本当にセレスは可愛いなぁ……。もう、天使ですよ。
「お兄ちゃん、にぃに、お花のかんむり作ろう!」
笑顔でセレスが言う。
「あぁ、いいよ」
俺はしゃがんで花を摘む。
それに続きヴァイスも花を摘む。
花を摘み終えそれぞれ花の冠を作り始め
た。
ヴァイスは少し苦戦してる様だったが、形にはなっていた。ちょっと、歪だが……。
セレスはかなり綺麗な冠の形になっていた。流石セレス。俺の可愛い妹だ。
俺のは可もなく不可もなく、恐ろしく普通な花の冠が出来上がった。
作れないよりかましか、こういう時の為に練習しておいてよかった……。
「よし! 出来た」
冠の形を整え俺は言う。
「私もできたよ、にぃに!」
セレスは笑顔で自分の作った花の冠を、俺に見せてくれる。
「綺麗に出来たじゃないか! 凄いなぁ」
セレスの頭を撫でながら俺は言う。
「お兄ちゃんはできた?」
セレスはヴァイスの方に向かって言う。
「あぁ、一応はな」
不満そうな顔でヴァイスが言う。
「お兄ちゃんのちょっと形がヘンだよぉ」
クスクスと笑いながらセレスが言う。
「仕方ないだろ、見様見真似で作ったんだがら」
それ、見様見真似で作ったのか。
見様見真似で、よくそこまで形になったな。俺だったら絶対に無理だわ……。
「それよりも、何故、お前が花の冠を作れるだ」
不服そうな顔でヴァイスが言う。
「天才な俺はこういう時を見越してしこたま練習してたんだよ」
胸を張り俺は言う。
「にぃに、すごーい!」
そう言ってセレスは俺に拍手をしてくれる。
「ハッハッハ! そうだろう、そうだろう! 俺にできない事は無いんだよ。フハハハ!」
セレスに褒められ俺は高笑いをする。
「それじゃあさ、作ったかんむり交換しよ」
作った花の冠を前に出しセレスが言う。
「交換? 良いけどどうするんだ?」
手に持った花の冠を地面に置きセレスに聞く。
「お兄ちゃんとにぃにの花のかんむりを私が貰って、私がもう一個かんむりを作ってそれを、お兄ちゃんとにぃににプレゼントするの! だから、もう一個作るから待ってて」
セレスはそう言ってもう一個の冠を作り始めた。
暫くして花の冠を作り終えたセレスは、俺とヴァイスに作った冠を頭に乗せてくれた。
俺とヴァイスもセレスの頭に作った冠を乗せた。
「どう? 似合ってる?」
セレスは立ち上がりくるりとその場で一回転する。若干パンツが見えそうでドキっとしたが……。
「凄く似合ってるよ!」
笑顔で俺は言う。
「お兄ちゃんはどう? 私、似合ってる?」
セレスはヴァイスにも言う。
「あぁ、勿論だ!」
ヴァイスが言う。
「次は何がしたい? セレス」
俺はセレスに聞く。
「うーん、何をしようかなぁ。……かくれんぼがしたい!」
セレスは数分考えた後に言う。
「あぁ、いいぞ。それじゃ鬼は俺がするよ」
立ち上がり俺は言う。
「ううん、鬼は私がやるの! だから、お兄ちゃんとにぃにが隠れて」
突然俺の耳元に、連絡用の魔法陣が展開される。
ん? 何の用だろう?
「悪い、急な任務が入って行かないといけなくなった」
花の冠を頭から取って俺は言う。
「えぇぇ、今日は一日中遊べるって言ってたじゃん!」
頬を膨らませてセレスが言う。
「ごめんな」
セレスの頭を撫で俺は言う。
「にぃにのうそつき」
セレスはそっぽを向き言う。
「直ぐに戻ってくるからさ」
しゃがんでセレスに言うがセレスはそっぽを向いたままだ。
「セレスの事は――」
ヴァイスにに近づき言おうとしたが、ヴァイスはこう言う。
「貴様に言われるまでもない。さっさと行ってさっさと戻って来い」
小声でヴァイスが言う。
「あぁ……」
俺はその場を後にし俺を呼んだ人物達の元に空間移動で移動する。
「急に何の様だよ。お前ら」
俺の目の前には十二の魔王達が並んでいる。
さっさと用を済ませてセレスの元に帰らないとな。
「ゼローグ、お前とは今日でお別れだ」
真ん中に居るサタンが言う。
「? それはどういう――」
瞬間、背後から何者かに攻撃された。
「がっ――」
……ごめんなセレス。約束、守れなくて……。
*****
「そのせいで、俺はセレスとの約束を破ったって訳さ」
俺は言う。
「ねぇ、攻撃された後はどうなったの?」
不安そうな顔で唯が言う。
「分からん……。あの後の記憶は一切無いんだよ。」
首を振り俺は言う。
『何故、魔王達に聞かなかった?』
いや、聞くタイミングを逃したというか、それどころじゃなかったし。
『それもそうか……』
「裏切ったって約束を破ったって意味だったんだね」
納得した顔でエスフィールが言う。




