04 四人目の突破者
「うぅん……ふわぁ……」
窓から射す太陽の光で目が覚めた俺は、大きな欠伸をし身体を起こす。
「もう、朝か……」
俺、いつの間にベッドで寝ていたんだ?
『私がベッドに移したんだよ』
そうだったのか、ありがとう。ルイーザ。
『今日も修行するのか?』
いや、残りの突破者を探すよ。期間は三ヶ月あるとはいえ、あまり修行に時間を使ってられないからな。
今すぐにでも探しに行かねぇとな。
『残りの突破者を探すのは明日にして、今日はゆっくり休まないか?』
さっきも言っただろう。
他の事に時間を割いてる暇はないんだ。
突破者の残り七人はまだいいが、各地を放浪してる二人を探す時間が必要だからな。
それに、どいつもこいつもアイシャの様に協力的な奴じゃない。
寧ろ殆どの奴がその逆だ。
大体、何で今日は休もうなんて言うんだよ。
『お前を心配してに決まってるだろう!』
心配してくれるのは嬉しいが俺には時間が無いんだよ。
『……』
ありがとな。
さて、顔洗うか。リアンはどうすっかな。
まぁ、起きるまでに戻って来れるか。
俺は凛、唯、リアンを起こさぬようにベッドから降りて部屋を出た。
洗面所に入ろうとドアノブに手を伸ばした瞬間、洗面所からエスフィールが出て来た。
「おはよう、エスフィール」
俺は言う。
「……おはよう、ございます」
エスフィールは一礼をして答える。
「……あの、ゼローグさん」
下を向きエスフィールは言う。
「ん? 俺に何か用か?」
首を傾げ俺は言う。
「……」
*****
「僕を置いてかないでお母さん……」
僕がそう言うとお母さんは僕を抱き締めてくれる。
「フィー。来るのが遅いけど、どうかした?」
そう言って、知らない誰かが部屋に入ってくる。
「お姉ちゃん……」
お母さんは振り向いて言う。
「ちょっ! どうしたの! フィー!」
その人はお母さんのそばに来て言う。
「これには訳があるの、お姉ちゃん。実はね……」
お母さん……。
この人と何を話しているんだろう。
「私、他の皆を呼んでくる」
お母さんと話していた人は部屋から出ていった。
「お母さん……何処にも行かないで……」
僕はお母さんを強く抱き締める。
「私は何処にも行かないよ。ずっとずっと貴方の側に居るから……」
お母さんは僕の涙を拭いて言う。
「ゼローグ!」
扉を開けた女の人が言う。
「ルイーザさん」
お母さんは扉を開けた女の人に言う。
「すまなかった、ゼローグ。またお前を一人にしてしまって……」
涙を流して女の人は言う。
*****
「……おい、エスフィール。どうした?」
その場でフリーズするエスフィールに俺は言う。
「いえ、なんでも……それじゃ、私はこれで」
暫くしてエスフィールが答える。
「何だったんだ……?」
頭を掻き俺は言う。
って、さっさとリアンが起きる前に顔洗わねぇとな。
洗面所で顔を洗った後、急いで部屋に戻ると凛と唯は、着替えをしている様だったがリアンはまだ寝息をたてていた。
良かった、まだ起きてなかったか。
リアンが寝てる今の内に着替えるか。
それにしても、さっきのエスフィールは何だったんだろうな。
どう思う? ルイーザ。
『……私にも分からないよ』
そうか……。
さて、着替えも終えたし、そろそろリアンを起こすか。
「リアン、朝だぞ」
そう言い俺は眠っているリアンを起こす。
「おはよう、リアン。顔洗うぞ」
リアンの頭を撫でて俺は言う。
「きゅう」
「お兄、リアンの顔を洗うのはわっちと唯でやるから、お兄は先に行ってて」
着替えを終えた凛が言う。
「そうか、分かった。じゃあ、先に行ってるよ」
俺はリアンを凛と唯に預けて部屋を出た。
広間に入るとソファーで寛ぐシェリルとレイナがいた。
ナナが居ないって事は朝食の準備か。
俺はソファーに腰掛けて他の皆が来るのを待つ。
暫くして広間に続々とここに居ないメンバーが入ってくる。
それに続き朝食を台車を押してナナが広間に入ってくる。
朝食が並べられた後、全員で手を合わせこう言う。
『いただきます』
各々が朝食を食べ始める中、俺は先ずリアンに朝食を食べさせる。
リアンに朝食を食べさせ終えた後に、俺も朝食を食べる。
朝食を食べ終えた後、朝食を台車に乗せる。
「さて、行くか」
リアンを抱っこしソファーから立ち上がり俺は言う。
「何処行くの? ダーリン」
アイシャが言う。
「残りの突破者を探しに。当分、帰って来ないから」
俺があっさり言うとアイシャが立ち上がりこう言う。
「それじゃ、私も行く!」
「わっちも行きたい」
「妾も!」
それに続き凛と唯も立ち上がり言う。
「いいけど……」
三人の勢いに呆気に取られつつ俺は言う。
すると、意外な人物が手を挙げこう言う。
「あの、私も一緒じゃダメですか?」
エスフィールだった。
マジか……。
エスフィールがよく分からない……。
今朝の事といい何なんだろうか。
「いいけど、意外だな。お前は俺を嫌っていると思ってたんだが……」
頬を掻きながら俺は言う。
「はい、貴方の事は嫌いです。それでも、その……一応、奴隷から解放してくれた事には感謝してますから……」
もじもじしながらエスフィールが言う。
「そうか……じゃ、行くか」
俺達は広間を出て玄関で靴を履いた後、アリアに会いに空間移動でフィリナ王国の王宮に移動する。
門兵に王宮に通してもらいアリアに会いに行く。
アリアの居る部屋に案内され部屋に入る。
「今日は一体何の様だ?」
アリアがソファーから立ち上がり言う。
「ヴァイスは今、何処に居るんだ?」
俺は言う。
「何時もの宿屋だろう。それがどうした?」
腕を組みアリアが言う。
俺はアリアに事情を説明しタグシアン王国とネストレイブ王国に、入国できるようにアリアに手配して貰えないか頼む。
「構わないよ。だが、二つの国の王とは昔からの仲なのだから、私に頼まずとも……」
アリアは言う。
「まっ、一応な。……そんじゃな」
そう言い残し俺達はその場を後にした。




