03 ひとりぼっち
七人でのバトルロワイヤル開始と同時に、近距離で戦うオリヴィア、師匠、アイシャが飛び出して行く!
俺を含めた残りの四人は後方に下がり、攻撃を仕掛ける。
「聖なる矢!」
俺の両腕に取り付けられたフェイルノートは、自動的に光の矢を射る。
放たれた矢はアルシアとシェリルに飛んでいく。
アルシアは弓を構え、俺の放った聖なる矢に向けて矢を放つ。
一方、シェリルは杖からサッカーボール程の炎の弾を、聖なる矢に向けて放つ。
何方も見事に相殺された。
まぁ、この程度は相殺されて当然か……。
それじゃあ、これならどうだ?
俺は両腕を空に構え矢を放つ。
放たれた矢は千を超える無数の矢となり、いたるところに降り注ぐ。
「聖なる矢の豪雨!」
さて、お前達はこの攻撃をどう捌く?
威力は聖なる矢よりも上だぜ。
「防御壁!」
シェリルは防御魔法で降り注ぐ矢をしのいでいる。
そういえば、神器の存在で普通に忘れていたが、シェリル魔術士だから魔法も使えんのか……。
魔法が使えて、神器があって、神の加護もある……チートじゃねぇかっ!
『お前が言うな』
不意にルイーザからツッコまれる。
……その言葉、そっくりそのままお前に返すぞ。
『お前に言われたくないな』
俺だってお前みたいなゲロ強いドラゴンに言われたくねぇよ。
『お前だってゲロ強い悪魔だろう?』
まぁ、そうなんだが……。
……って、こんなやり取りしてる場合じゃねぇか。
アルシア、メロディア、オリヴィアが矢を躱すのに必死になってる中、師匠は高速の剣技で降り注ぐ矢を一刀両断し、アイシャは自身の神の加護氷の能力で矢を凍らせていた。
「やっぱ、シェリル、師匠、アイシャには通用しないか」
あごに手をやり俺を言う。
一人一人倒していくのも良いが、それじゃあ面白くないしな。
やっぱ、一対七で戦り合う方が面白いか。
すると、オリヴィアが単独で俺に突っ込んでくる。
勿論、一撃必殺の能力で俺を気の済むまで殺し続ける。
その間、他の奴も俺達の戦いに交じるが、一撃必殺の能力で殺してしまうので、オリヴィアは檻の能力で鉄の棒を創り出し、俺以外の相手に使用している。
これで、一撃必殺の能力で俺以外の奴を殺さずに相手にする事ができる。
そして、檻は突破者や魔王の様な実力者じゃない限り破壊不能だろう。
武器として使うにはもってこいだ。
今はオリヴィアの気の済むまで殺されるとするか。
すると、気が済んだのかオリヴィアは別の奴を相手に死に行った。
それと入れ替わりにアルシアとメロディアが俺に向かってくる。
今度はアルシアとメロディアのコンビか。
バトルロワイヤル、退屈しない良いシステムだ。
*****
バトルロワイヤル開始から数時間は経った。
未だに俺達は相手を変えながら戦い続けている。
アイシャとも戦ったが身体は鈍っていない様で安心した。
これなら、十二神との戦いもどうにかなるだろう。問題は恐らく十二神のリーダーであろうゼウスだ。
全力でやって勝てるだろうか。
いや、絶対に勝てる。
なんたって、俺は最強だからなぁ!
『俺達、だろう? ゼローグ』
あぁ、そうだったな。相棒。
「ねぇ、ゼロちゃん。私そろそろ、限界だよ」
ヘトヘトになりながらアルシアが言う。
「私も限界」
「私もだ」
メロディアとオリヴィアもこれに続く。
あれから、どれくらい戦っていたんだ?
『軽く六時間は戦っていたぞ?』
そんなにか……。
楽しい時ほど時間が経つのが早いな。
それにしても、六時間も臨界突破者を維持できたのか……いい修行になったな。
「仕方ねぇ、一旦休憩にするか……」
一旦、七人での修行を兼ねたバトルロワイヤルを終えて、広間に戻ってきた。
「ふわぁ、眠くなって来た」
大きな欠伸をして俺は言う。
「なら、ソファーで寝るといいでありんしょう」
隣に座っていた凛が立ち上がり、俺をソファーに寝かせる。
疲れていたのか俺はすんなり眠りにつく事ができた。
*****
「ううん、ふわぁ……。寝てたのか……」
目を擦り身体を起こす。
「あれ? 他の皆は何処に行ったんだ?」
周りを見渡すが誰一人いない。
ルイーザ、他の奴は何処に行ったんだ?
……。
ルイーザに声を掛けても返事がない。
いつもなら直ぐに教えてくれるのに。
「俺、一人……ひとり……いやだ。ひとりはいやだよ……」
お母さん……。
「ゼローグさん、起きてますか?」
お母さん?
「お母さん!」
僕は離れたくない一心で思いっきりお母さんに抱き着いた。
「ちょっ、何してんですか! 私は貴方のお母さんじゃなくて、エスフィールです! 離れてください!」
お母さんは僕を引き離そうとする。
「何処にも行かないで……ひとりぼっちは嫌だよ」
僕は必死にお母さんを引き留めようとする。
「何を言って……震えてる? どういう事……」
僕の肩に手をやりお母さんは言う。
「お願いだから僕を置いてかないで、お母さん……離れたくないよ、お母さん」
ゼローグが一人と知りエスフィールに抱き着くシーンから、どう書こうかと悩んだ結果こんなに遅くなってしまいました。すいませんでしたっ!




