魔術粒子と幽霊
実はかなり前から説は提唱されていた。
だが、それを観測することは極めて困難とされていた。
幽霊と言う存在は、いろいろと言われている。
その中で最有力とされていたのが、魔術粒子の集合体と言う説である。
魔術粒子は、魔術を行うために必要な素粒子で、5種類が観測されている。
この5種類の相互作用によって、魔術を使うことができる。
幽霊と呼ばれるのは、この魔術粒子を可視化した集合であるというものだ。
そのための再現実験が行われることとなった。
実験当時の1960年代では、そもそも魂と言うのは魔術粒子と神経線維による魔術作用によって生じた意識ということになっており、現在では若干差異があるとはいえ、大きく変わったことはない。
実験は大々的に行われ、複数の一流と呼ばれる魔術師が集まって、人型に魔術粒子を混ぜた。
神経線維は死体の脳を用いることとした。
これで準備が整った。
そして、魔術を発動させる。
脳波の検査をしていた機械が微弱な電流を感知する。
それだけで驚きだというのに、さらには人として意識を生じたようだ。
魔術粒子を肉体として、話すことはできなかったが身振り手振りで意思の疎通ができるほどだった。
神経線維というのがそこら中にあるわけではないが、ホコリや木くず、布の繊維などに魔術粒子をまとわすと、単細胞生物のような動きをすることもわかった。
一応、幽霊はこれらに加えて、錯視も含まれているのではないかとされている。
要は、いまだに研究中だということのようだ。




