3話 会話
2話の続きです。
というか実質2話ですね
「知ってるも何も国王の親友であり、我が国の英雄の1人だぞ」
……え?
(ウッソだーーーぁ‼︎)
「ウッソだーーーぁ‼︎」
あのクソジジイそんなに偉かったの?
ならなんでコッチの扉の外は牢屋なの?
「お、おい。訊いといてそんなに動揺するなよ。びっくりするじゃねーか」
「すみません。あっちでのイメージと全然違うので少し、いやとても動揺してしまいました」
「お、おう。そう、なのか? つーか会ったのか? お会いしたのか! マジかよ、スゲーなボウズ! どうだった? さぞかし素晴らしいお方なのだろう? 早く聞かせろよ、ボウズ‼︎」
おおぅなんだなんだ?
いきなり興奮しだして、引くわー
無駄にキラキラした目が逆に怖い。
しかしながら、悲しいかな全然素晴らしくないから困る。
どうしたら良いものか。
ま、いっか!
僕の知ってる爺さんはアレだけだし。
ということで彼には適当に僕の知る爺さんの生態を教えた。
「そうか。確かに我々が知るお方とはかけ離れているな」
「でもコッチの世界では基本的にあなた方が知る人そのものでしたでしょうし」
「ああ、気遣いありがとう」
こうして仲良くなった兵士と改めて自己紹介し合った。
彼はイグナーツと名乗った。
ご結婚されているようで王国周辺の村に家があるようだ。
村には名物の大きな風車があってしばしば旅人が訪れるらしい。
「良いですね。ここを出られたら村を紹介してくれませんか」
「構わないよ。出られたら、な?」
その後は自分のいた世界について話した。
コッチの世界の人からすればおとぎ話のような話にしか聞こえないだろう。
イグナーツさんは興味深そうに時々質問しながら聴いていた。
イグナーツさんとの会話は爺さん以外では初めて楽しいと思った。
いろんな話で盛り上がった。
おそらく数時間たった。
「うん? もうこんなに時間経ったのか」
イグナーツさんは僕からは見えない位置にあるだろう時計を見てボソッとそう言った。
こっち世界での時間は分からないが、イグナーツさんの反応から長い間話していたのだろう。
話し込むと意外と時間が経つのが早いんだな。知らなかった。
「疲れただろう? 寝たらどうだ。もう深夜だぜ、っとしまった。これじゃ窓がない意味がないな。今のは黙っててくれよ、カルタ」
「意外とおっちょこちょいなんですね、イグナーツさんは。分かりました。ではお言葉に甘えて寝ます」
思いのほか疲れていたらしく目を瞑ってすぐに眠ってしまった。
次の日、まさかあの人からこんな形で助けられるとは思わなかった。
コッチの世界で初の友達ゲットです。
と〜もだ〜ち ひゃっくにん で〜きる〜かな〜
本当にたくさん友達増えると良いね、カルタくん(親心)
さて、
次回はまさかのあの人から助けが⁉︎
釈放されるのか?