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異世界伝説巡り旅  作者: オムレット
第1章 旅の始まり
17/28

16話 開始

 どれだけ時間が過ぎたか分からないが、ここの戦士たちが次々と闘いに赴く中で僕は一人呼ばれるのを待っていた。

 あまりにも退屈なので戦士たちの武勇伝を暇つぶしに聞いて回ったり、彼らの戦いのスタイルを参考にどんな戦い方が良いいか考えたりしていた。

 それでもなかなか来ないので考えることにも飽きてしまい、結局座って何も考えず待つしかなかった。


「…………………遅い」







 退屈で溶けそうになっていたところで控え室のドアをガタンッと勢い良く開け放たれる音がする。

 それはここへ来た時に案内をしてくれた兵士の方だった。

「カルタ様! 大変長らくお待たせして申し訳ありません。準備万端ですよ!」

「やっとですか。何でこんなに待たなくちゃいけないのか………」

「す、すみません。ですが安心して下さい! 試験に相応しい舞台を用意しましたので、全力で挑んで下さいね」

 来いと言われたから来たのに一体何時間待たされたと思っているんだ。


 僕を呼びに来た彼も何か言いたそうにこちらを見ている。

「どうかしましたか?」

「あの、ずっと不思議に思っていたのですが、どうしてあんなに早くこちらへ来られたのですか?」

「え? だって昨日、騎士団長のユーフリートから午前中に来いって言われたからその通りに来たんだけど……」

「でも早すぎません?」

「遅刻するより先に来て待っている方が良いだろう?」

「そうなんですか? まるで商人の様ですね」

「そう、なのか?」

 まさか商人に例えられるなんて思わなかった。なんでだろう?

 まあいいか。そんなことより、

「そんなことより、今朝聞いた話だと普段は戦士たちの職場みたいなものだと聞いている。だがあの団長と口約束の試験もどきをするためだけになぜ、通常営業している闘技場でやるんだ?」

 試験なんてを今まで使っていた訓練場を使えばいいはずだ。

「その答えは、自分の目でお確かめください!」

 クッソーーー! いい笑顔しやがって。



 そうこうしている間にフィールドへの出入り口に到着してしまったようだ。

「さあ着きましたよ! それでは、大精霊エアリスの加護があらんことを」

「あ、ああ。ありがとう? って今のは何?」

 エアリスって確かセリーナや国王ギルベルトにも付いていたミドルネームだよな。精霊のことだったのか。

 そういえば今度セリーナと行く神殿には大精霊がいると書物に記されていた。その大精霊の名もエアリスだった。

「エアリス様は我らウィルドン王国に加護を与えて下さっているのです。その加護が貴方に幸運をもたらしますように、という意味です。頑張ってください!」

 なるほど、そういう意味か。

 そんなこと言われちゃ、やる気が出ないわけがない。

「ありがとう、頑張るよ」

 僕は彼ら(・・)が待つ舞台へと歩き出した。







『うぉーーーーーー!』


『きゃーーーーーー!』


『こっち見てーーー!』


『死ぬなよーボウズー!』


『がんばってーーー!』




 うん、知ってた。そりゃあそうだよね。

 普段の試合をさっきまでやっていて、今は昼前だ。

 あと1試合で昼食という会場の状態のはずだ。

 そして僕の登場で謎の歓声が上がったということは、おそらく彼が僕のことを公表したのだろう。

 まるで珍しい生き物に遭遇したかのような歓声と、一部危険な歓声らしき一言を聞いた気がするのだが。


 僕はVIP席らしき場所でニヤついている団長様に言いたいことがある。

 だがそれをいう前にマイクのようなものを持ったユーフリートがこんなことを言ってきた。

「ここ数日のお前を見てもしやと思ったがまさか本当にあんな早い時間から来るとは、さすがだな」

 クソッ、変なところで察しのいい奴だ。

「変な嫌がらせは止めろよ! それと僕の事喋っただろ! まるで珍獣扱いされているみたいで不愉快だ!」

 ちなみに今フィールドには僕しかいないので実に恥ずかしい。出来ることなら今すぐ戻りたいがそんなことは出来ない。頑張ると約束した手前、逃げたくても逃げられない。

 僕の言葉に彼はこう返してきた。

「おかげで集客率はいいぞ。しかしこの場の雰囲気が気に入らないと言うのならば、この試験で自分の存在を知らしめて見せろ!」

 この返しに僕は、

「上等だこのヤロウ! 誰だろうと勝ってやる」

「その意気だ、カルタ」

 そう言ってユーフリートは手を振り上げる。





「これより、異世界からの来訪者にして騎士団見習のカルタ・サギリによる特別試合を開始する!」




『『『『うぉーーーーーーーーーーーーー!』』』』




「相手を務めるのはウィルドン王国王宮魔導士が作り上げる土人形(ゴーレム)のバトルウルフです」



 僕の目の前では魔法陣が地面に浮き上がっている。



「しかし、ただのバトルウルフではありません。大きさが通常のバトルウルフより二周り大きく設定しております」



 魔法陣からは高さ2メートルほどの大きさの『何か』が現れる。

 その『何か』は徐々に形を成していき、胸に魔法陣が描かれた土色の狼の姿となった。



「この特別試合のルールは、バトルウルフを行動不能にする、もしくは胸の魔法陣を破壊することでカルタの勝利となります。しかし、ここは闘技場です。死の危険性もあり、生き残れる保証はありません。身の危険を感じ白旗を上げる、または死亡した場合敗北とし、試合終了となります」



 死の、危険。



「さぁカルタ、死ぬ危険性のあるこの試合、俺とお前の口約束を今ここで破棄し逃げてもいい。だがそんなことではこの先旅はおろか、抵抗出来ずにモンスターの餌になるだけだ。ここまで言ったんだ、わかるだろう、どうする?」



 この上なく煽ってくるな。

 だがもうすでに腹はくくっている。

「逃げない。勝つよ」


「承知した。それでは試合、開始!」

こんちわ、オムレットです。

バトル回突入です。実際に戦うのは次回ですけど。


さて今回、騎士団団長であるユーフリートが仲良くなったカルタ君をなぜ煽ったのか、カルタ君はバトルウルフに勝つことが出来るのか。

見どころはこんな感じですかね。


さあカルタ君は無事に生き残れるのか、いつになったら旅が出来るのか。

次回もお楽しみに!

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