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異世界伝説巡り旅  作者: オムレット
第1章 旅の始まり
16/28

15話 闘技場

1週間遅れて申し訳ない

 あれから数日が過ぎ、地獄の特訓を乗り越えた僕はユーフリートと交わした約束の試験の日を迎えた。

 死ぬ気で頑張って、でも辛くて、でも支えてもらって遂にこの日がやって来た。相手が誰であろうと負けるわけにはいかない。


 むしろ彼が度肝を抜かすくらい強くなったと言わせたい。つーかあの野郎、訓練の最中本当に死ぬ気で励んでいたのに調子に乗ってちょっかいばかり掛けてきやがって、この数日の恨み晴らしてやる!




 僕は少し前に支給された騎士見習い用の制服に着替えた。この制服は少し濃いめの緑色をベースに銀に近い灰色のラインなどが入っている。騎士の制服はベースが同じ色なのだが金のラインや装飾が入っているのでカッコ良い。でもこの見習いの制服も十分気に入っている。



 着替えを終えた僕は一足先に朝食を済ませ、城から少し離れた町の一角にある円形闘技場へと向かう。

 町は朝だというのに相変わらずの活気で、特に市場は賑わっている。

 ここ数日は訓練が一日中あったので街に出向くことが出来なかった。だからこそ改めて見ると人々から笑顔が絶え間ない良い国だと感じられる。


 そんな事を思い歩いていると突然名前を呼ばれる。

「カルタさ〜ん、おはよーございまーす!」

 活気ある市場の中でよく気がつけたと思う声の主はセリーナの親友でそよかぜ亭の看板娘であるソフィちゃんだった。

「やぁおはよーソフィちゃん。朝の買出しかい?」

「はい! お店で出すお料理の食材をいつも買いに来ているんです」

 尻尾がフリフリと、耳がピクピク動く姿はとても可愛らしい。癒される。

「そっか、偉いね〜」

 僕がソフィちゃんの頭を撫でると本当の猫のように気持ちよさそうな顔をする。

「く、くすぐったいです。……あ、そろそろ行かなきゃ! カルタさん、またお店に来て下さいね〜」

 買出しの事を思い出したようで慌てて行ってしまった。彼女から声を掛けらてたとは言え引き留めてしまったのは悪かったかなぁ。



 ソフィちゃんに癒しをもらい元気が出てきた足取りで闘技場に到着した。

 入り口で立っていた闘技場の関係者であろう2人組の兵士の方々に事情を伝えると確認の為1人が中へ入って行った。


 待っている間暇なのでもう1人に話を振る。

「闘技場には初めて来ましたけど凄く立派な造りですね」

「ええ、何と言ってもこの国の名物の1つですから。という事は貴方はこの国の方ではないようですね」

「あはは、まぁ色々ありまして……そんなことよりこの闘技場ではどのような催し物を行っているのですか?」

「ここウィルドン王国運営のアーテルムニ闘技場の目玉は経歴を一切問わない勝ち抜き戦です。まぁこれは年に二度ほどしか開催されませんが勝ち抜き戦が開催される月には各国から人々が集まりますし、いろんな国の出店が沢山並びますよ」

 うおぉ凄い所なんだな、ここ。


「普段は闘技場で働いている戦士たちが闘って勝った賞金で生きているのです。また、人と人の闘いのみならず魔法で作られたモンスターと闘うものもあります」

 なるほど、こういう富裕層の娯楽施設であっても腕っ節で食い繋ぐ人もいるのか。

「怪我とか病気になったら大変そうですね」

「ええ大変みたいです。でも大抵は闘技場専門の医療職員が待機していますから骨折程度なら直ぐに完治させられますよ」

 医療もしっかりしてる。さすがは国が公認しているだけはある。きっと他国ではここまで医療にも力を入れている国はないだろう。


「あとは時々ギルドが主催の冒険者最強決定戦、という催し物もやってますし、申請したり相応のお金があれば催し物を個人、あるいは団体が開くことが出来ます」

 闘技場ってそんなに自由に使えて良いのだろうか?

 まぁこの国特有なのかもしれない。他の国はどうなのかは分からないけど。



 闘技場について色々と教えてもらったところで、確認に行った1人が帰ってきた。

「すみません、お待たせしました」

「いえ、彼に少し話し相手になってもらってましたし、ここの闘技場について知ることが出来ました。ありがとうございます」

「いえいえお構いなく。力になれたのなら良かったです」

「ではこちらへどうぞ。控え室へご案内します」

「お願いします」



「こちらになります」

 控え室に着いたようだ。

「中にはこちらで戦士をしておられる方々が闘いの準備を行っております。イスやテーブルがいくつかありますがどこを使っていただいても構いません。こちらの準備が整い次第お呼びいたしますで少々お待ち下さい」

「分かりました。ありがとうございます」

 僕は少し緊張気味に恐る恐る控え室の扉を開けた。


 中には歴戦の戦士たちが今日の試合のための準備をしていた。

 戦士の方々はとても怖い顔をしているので近寄り難い。それにどこを使ってもいいと言われたものの空いている場所もあんまりないので座ろうにも座り難い。

 すると入って来た僕に気が付いたのか何人かがこちらを見る。


 こっち見られてるよ。なになに何だよ怖いよ。うお、ゴツイくて鋭い目をした人がこっちに来た!

「どうしたボウズ。ん? 騎士団の制服だな。とりあえずここに座ったらどうだ? ずっと立ってるつもりか」

「あ、その、いえ! 座らせて頂きます」

「ボウズ、ここは初めてか? 俺はここで剣闘士をしているレッドだ、宜しくな騎士見習いのボウズ」

 あれ? もしかして実は良い人?

「こちらこそ宜しくお願いします。騎士見習いのカルタです」

「カルタってーのか、変わった名前だな。まぁそう固くならなくていいぜ。俺たちはここで闘う事で生きちゃあいるが血の気が多いのはあの場での話さ」

「そ、そうですか……」

 その割にはこの場の皆さん、目つきが怖いですよ?


 この待ち時間の間中ずっと震えてなくちゃいけないのか?

 何とかしてくださいよ、レッドさん!

「あっレッドさん? ちょっと良いですか?」

「おう、どうした? ションベンか?」

 違いますよ。いや、恐怖でチビりそうになるかもしれない。

 そんなことは置いといて、

「そうではなくてですね、何で皆さん僕を見てるのかなぁ、なんて」

「ん? そりゃあオメー、騎士団の団長さんと何かの約束で試験するんだろ。俺も含めてコイツらはそれに興味があるのさ」

 もう既に知られているのか!

 待てよ……まさかと思うが観客なんていないよな?

 それに誰と闘うか聞いてないな。


「……不安しかない」

「おいおいボウズ、今更怖気付いたのかよ。男だろ、情けねーな」

 ぐうの音も出ません。


 はぁ、この非常に居づらい空間で何があるかもわからない出番を待たなきゃいけないのか。

 もういっそのこと、早く僕を呼びに来てくれーーー!

はい、遅刻のオムレットです。

先週でやっとレポートも試験もオワタので、ようやく進められそうです。

初の活動報告で述べた2話連続投稿は来週出来ればと思っています。


さてさて今回は闘技場の説明回ですね。

再び登場したソフィちゃんは可愛い担当なので、またもう一度出番をあげたいと思います。(ちなみに私がモブキャラの中で1番気に入っているキャラクターです)


闘技場の補足という程ではないですが、見た目はコロッセオをイメージしてもらえるといいですかね。あと、他の国は基本的に奴隷を戦わせます。ウィルドン王国には奴隷は殆んどいませんし、この国で闘っている人たちは、腕に自信のある者やそれでしか稼げない人です。

貧民街もウィルドン王国にありますが、他国より生活の問題は少ないですが、働き口が闘技場の他にあまりないことが、この国の改善点という事になっています。


基本的に物語はカルタ君の視点のみで動くので、話に絡まない部分は私からの補足や皆さんの想像力にお任せしています。


さぁ次回は、試験開始です!

一体カルタ君は誰と闘うのか?

はたまた何と闘うのか?


お楽しみに〜

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