1話 出発
初めまして、オムレットと申します。
あらすじにも書いた通り、出来心で、衝動的に、無計画のまま書いております。なるべく失踪しないよう頑張りますので応援して下されば幸いです。
幻想的な世界に淡い憧れを抱きつつ、僕は退屈な日常をすごしていた。
退屈とは言え昔よりはマシ。あの頃はどこにいても、何をしても楽しく無かった。
数少ない楽しみは、ファンタジー系の本を読んだりRPGゲームで遊んだりして没頭することだった。
それぞれの世界観にどれも個性的な魅力があって楽しかった。
あ、それとあの人にあうこと。
今はとある" 変わった "お店で働き、のんびり過ごしている。
「ふぁ〜〜ぁ」
眠い……
すると後ろから
「おい、何あくびしてくつろいでおる!仕事せんか、仕事を」
と言いながら厚い本で頭を叩かれた。
「痛いよ。それにどうせ客なんて滅多にこないだろ? 爺さん」
「ふん! 品物の埃でも払っておけ。汚ねぇ品なんて誰が買う?」
そう言って爺さんは玄関へ歩き出す。
「おい爺さん! どこかに行くのか?それなら連れて行「ダメじゃ」…ケチ!」
毎日だいたいこんな感じだ。
そんなある時、不意に爺さんがこう言った。
「お前、まだ別の世界に行きたいとかガキみたいな事思っているのか?」
「……は?えーとまぁ昔程じゃないけど、行けるもんなら行きたいと思う。流石にそんなもん無い事ぐらい分かるぜ?」
急にどうしたんだ?
「もしお前が行きたいと思いなら連れて行ってやってもいいぞ。ただし考える猶予はあまり無いがな、どうする?」
………ん?
えーあー、ぅん?
脳みそが追いついてないぞ。
「……爺さん、病院について行こうか? 残念ながら腕の良い医者のツテは無いけどな」
「ふん、わしの脳みそは正常じゃ! 冗談では無く、本気じゃ」
確かに冗談を言ってる時の顔つきじゃ無い⁉︎ガチで頭をヤられたか?
「信じなくてもよい。お前は行くのか、諦めるのか、チャンスはこれっきりじゃ」
そんなこといきなり言われたってなぁ
でも…
「……」
「行きたい。あの頃からの夢だから、叶うなら、行きたい」
ぼくが爺さんと知り合って、今初めて良い笑顔を見た。
爺さんと知り合ったのは小学校の頃からだった。あれから今まで色んな聞いたことの無い世界の伝承や伝説、おとぎ話を聴かせてくれた。その世界の言語を教えてくれたこともあった。
正直、胡散臭いと思っていたけど面白かったから胡散臭いとかどうでもいいと思った。
そんな爺さんが居たから就職も爺さんの店にしたんだ。
まさかあんなこと言われるなんて思いもよらなかったけど。
それから数分後、爺さんと地下室に向かった。地下室には、店に並べていない品物が保管されている。
奥に進むと、古くて大きな木造の扉がぽつんと置いてあった。その傍らには中が詰まったバックパックと何故か日本刀があった。
「なぁ爺さん。あの扉が異世界に通じているのか?」
「ああそうだ」
「あのバックパックは旅の必需品だね」
「ああそうだ」
………
「……じゃあ、あの日本刀は?」
「身を守るのに武器の一つも持っていかんつもりか? 死ぬぞ」
いやいや
「だとしてもいきなり日本刀とかハードル高過ぎじゃない ?使ったこととか触ったことさえないよ? ナイフでいいじゃん」
さすがに隠された才能とかはないからね!
「別にすぐ使えとは言わん。必要になれば使うといい。売っちまってもいい。ナイフも入っておる」
まぁカッコイイけども、さ。僕の記憶では日本刀は武器の中でも随一の性能を持っていたハズ。つーかカッコいいな
爺さんなりに心配してくれているってことかな。
「さっきここに来るまでにも言ったが、わしがこの扉で向こうと繋げられるだけの魔力はもうほとんど無い。一度開ければ二度は無い。わしはここが気に入っとるんで、ついて行かんがお前はどうする? これが最後じゃ。引き返すのも行くのもお前次第」
「……選べ!」
僕は…
「もちろん、行くよ。夢を叶えてくる」
「さぁ行け! 小僧!」
「うん、行ってきます」
僕はバックパックを背負い、刀を片手にドアノブに手を掛けた。
「爺さん。いや、スタンリー・グレイハンズさん。長い間お世話になりました。ありがとう」
今回は異世界へ行くまでのプロローグ的な感じになっております。
頭には話のおおよそが出来ているものの、書き始めたばかりですので、次はいつになるのやら(汗)
感想お待ちしております。