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メイドで襲われる

 お風呂の後に問題が起きた。

 「本当にこれを着るの?」

 「着替えの用意が間に合いませんでした。申し訳ございません」着替えを持たない僕とドローン少年に用意された着替えはメイド服だった。

 「さっきまでの服を着るからいいよっ」

 「洗濯中です」洗濯機で洗われていた。

 隣でドローン少年が淡々とメイド服を身につけつつあったので、僕も溜息をつきながらメイド服に着替えるのだった。


 「絶対変だよ〜〜」

 「とてもお似合いです」メイドの言うことは宛にならない。

 「カシャ」「!?」

 「ちょっ山下さん写真撮らないでくださ〜い」

 「ドローン少年さんもお似合いですよ」

 「サイズはちょうどいいね」おぅ、ドローンくんの声を初めて聞いた。


 「メイド服は部屋着には向かないよね〜」

 「そんなことないでござるよ」

 「仕方ないですよ」僕達三人は居住スペースとしてあてがわれた部屋に向かった。その部屋には2段ベッドが2つと机が2つ備え付けてあった。

 僕は2段ベッドの下段を使うことに決めると、そこに寝っ転がった。思えば無駄に安定だけはしていた生活を失った。今後の人生を考えると凄い不安だ。僕は変わることが出来るのだろうか。人生の一歩を踏み出せるのかな。なんだか随分と非現実的な場所まで連れてこられてしまった。等と考えているうちに眠りに落ちる。


 「ハァハァ。ハァハァ」僕は近くで聞こえる不気味な吐息と下半身がスースーするのに違和感を感じ眼を覚ました。

 「どわ〜〜〜っ」僕は反射的にキックを放つ。

 「オウチ」

 ベッドの中で体制を立て直す。

 「なんのつもりだ〜〜」

 「拙者、男の娘イド《おとこのむすめいど》も全然アリだったんだな」眼鏡を曇らせた山下さんがゾンビのように再度襲いかかって来ようとしている。

 「メイド服似合いすぎですよ」上段から顔を覗かせドローン少年がそう言う。

 「助けてよ」僕が助けを求めると頭を引っ込めやがった。君子危うきに近寄らずってやつか。うん、僕も逆の立場だったらそうしている。自分の身は自分で守るしかないのか。武器になるものを手探りで探し、ベッドの中からメイド服と一緒に貸与された銀のお盆を見つけると、それで山下氏の頭をバンバン叩いた。

 「ギッギブでござるよ」

 「ハァハァ」なんとか僕の貞操は守られた〜。


 「何事ですか」運営の三人が今頃駆けつけてくる。

 衣服の乱れた僕の姿を観た三人の反応は三者三様。メイ子さんは顔面蒼白とし、メイド長はゲラゲラ笑う。ポケモンマスターは顔を赤くして眼のやりどころに困っているではないか。

 「山下さんと別の部屋にして下さい」僕がそう言うと。

 「その必要があるわね」要望はあっさりと受諾された。当たり前だ。そして、山下氏はポケモンマスターによって連行されて行った。

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