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lemon03オミアイ

「ただいまー」


罰則の掃除も四日目を迎え。。。今日も遅くに帰ってきた。

明日でおしまいだ。

「お帰りなさいませ、お嬢様」


出迎えてくれたのはあたしの教育係の森田。

あたしの母親が亡くなってすぐにつけられた人。


もう7年も一緒にいるんだけど。

これがまたなぞの多い人でさぁ。

年も知らないし、いつ寝てるのかも知らない。あたしが起きてる間は

ずっと起きてるから。

結婚はしていないのだろうか。

見た感じは若い。30歳はいってそうだけど。

まぁ人間であることを祈ろう(笑)


「お腹すいたー。今日の夕飯なに?」


「今日はお嬢様の好きなビーフの赤ワイン煮でございます」


「ウソ!!やったぁ!」

あたしの大好物だ。

こんな事で喜んでるあたしって単純…なのかな。


「今日はお父様もお帰りですよ」


その一言で

一気に下がったあたしのテンション。


「一緒に食べないとダメ?」


「お父様はそれを望んでおられます」


知らないよ。そんなこと。めんどくさいなぁ…。

たまに帰ってきたかと思えばダメだしばっかかしてくるし。


「お話があるそうです」

「話???」


まぁた会社がどうのこうの、でしょうよ。

てゆーか。あたしじゃなくてお兄ちゃんでいいじゃない。

会社継ぐのはお兄ちゃんなんだから。


「うん。わかった。それまで宿題してくる」

「調いしだいお呼びいたします」


頭を下げた森田をあとにあたしは自室へ行った。


☆☆☆


「で、光環は結婚はどうする」


は…??いきなりなんの話でしょうか?

あたし、まだ17なんですけど???


「実は見合いの話があってな」


「はい?」


「まぁ確定ではないが。ちかぢかだと思う。準備しておきなさい」


なにその上から目線。わけわかんない。

いきなり帰って来て話って見合い?


「お兄ちゃんでしょ。跡継ぎは」


あたしには6歳上の兄がいて、健人っていうんだけど

今はニューヨーク支局のパパの会社で勉強している。

詳しくは知らないんだけど、まぁうちは医薬品とか医療器具の会社で

一応世界的企業なわけ。

並木グループとしても活動してる。

そんなに大きくはないけどね。


「お前が医者の息子と結婚すればキープ先が出来るからな」


そう誇らしげに言い放つ。

それが余計にあたしをイライラさせた。


解かっていた。

うちの会社の利益になることぐらい。

それが何千億単位の金を動かすことぐらい。

だからこそイヤだった。あたしはいつもそうだ。


「あたしは__。自分の決めた相手と結婚します」


あたしはあなたの駒じゃない。


そういい残して席をたつ。


「だったら。連れて来い。お前の言うお前の決めた相手を」


「今はまだ……」


反論は”いいな”のひとことでかき消された。


そんなむちゃくちゃな。

この父親。だからあたしはキライなんだ。

自分の部屋へ行き、母の写真を眺めると自然に涙がこぼれた。









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