lemon15 ホントのプリンス
ガタッ!!!ガタガタっっ!!!バンッ!!!!!!
え?ウソ、なに??
なんの音かと思いきや。バーンとすんごい音がしてなだれ込んできた警官たち。
えぇぇぇぇぇぇっっ!?!?!?!?警官たちって!?!?!?え、警官??なんで??
あたし何か犯罪犯した?いや、あたしじゃなくてこいつか。これはどーゅう状況なんだ???イミわかんないんだけどっ????
「神楽坂 漣。強姦容疑で逮捕状が出ている。署まで来い」
一番大柄で強面の刑事が逮捕状をつきだしてあたしたちに迫ってきた。
「はぁ?俺が?レイプ?んなもんしてねえよっ!!!」
いやこの状況でそんなこと言っても説得力ないと思いますけど。てかあたしも一応親の合意とはいえ、あたし自身は了承してませんから!
ドアの付近をみると、知ってる顔が二つ。一つは壊れたドアにもたれかかっている。
「お嬢様っ!!」
駆け寄ってくる森田を制して静かに歩み寄ってくる。警官たちがワサワサと動き出していた。
と。突然かけられたジャケット。
「行くぞ」
「へ?え、でも…」
「後は任せとけばいい」
「お嬢様!…お嬢様オケガはございませんか。申し訳ございません!私が注意していればこのような状況にはなっていませんでした。申し訳ありません!どのような罰でもお受けいたします」
「え?いやそんな罰なんて…!!助かったから。ありがとう。」
「甘いな。これは執事のミスだ」
上からつめたーい視線が降り注ぐ。
は?ちょっとなに言ってるのセンセッてば。あたしの執事なんですけどー。眼鏡かけてるから視線が余計にこわいです。。。勝手に森田にそんなこと言わないでよね。
「ひとつだけ。俺からの罰だ。今日はこいつを俺の家に泊める。その後ゴタゴタにならないように計らっとけ」
「はい。承知いたしました」
それだけ言い残すとセンセはあたしの腕を引いてホテルから連れ出した。
「ま、待って!どこに行くの!?」
「さっきも言った。俺の家だ」
「センセの……?……」
「安心しろ。嫌がることはしない」
いつもキスしてくるじゃん!思いっきりイヤがってますけど。気づいてます?
ホテル前に停まってる車はいつものBMじゃなくて今日はオペルだ。あれ?中には白髪のおじさんが乗ってる。
「お帰りなさいませ」
「あぁ。家までたのむ」
つまりセンセんちのお手伝いさん、てわけね。でも。センセの横に座るとさっきに光景がフラッシュバックしてきて背筋がゾクゾクした。頬をつめたい液体が伝う。…あたし泣いてるんだ。
見られたくなくて横を向いてるとセンセに振り向かされた。
「そんなに嬉しいか。俺の家に来るのが」
「…違うし。泣いてないし……グスッ…」
子供みたいに泣くあたしを二つの腕が心地よい強さで抱え込んでくれる。
「それが涙じゃないならなんなんだ」
「…とりあえずっ涙じゃないのーグスっ……」
自分でももっと素直になればいいのに、可愛くないってわかってるけど。そうできない自分に腹が立つ。
「…ごめんなさい……あたし…ぐすん…こわかったの…こわかった…センセがきてくれるんじゃないかって…思ってて…ごめんなさい…」
ポンっとやさしく置かれた手にキュっと力が入った。
「バカかお前は。お前は悪くない、謝るな。もっと言わせたいことは山ほどあるんだがな」
あ。そうかお礼言ってない。
「あ、ありがと…警察呼んでくれたのセンセ、でしょ」
「さぁな。でもまだ間違えてる。聞きたいのはありがとう、じゃない」
見えるビー玉がキラキラ輝いてる。それはいつになく真剣で今までにないくらい哀しげな目だ。
でもありがとうじゃないって。じゃ、なんなの??
「部屋でそんな顔してみろ。即座に襲うからな」
はい!?平気な顔してそーゆぅこと言わないでほしいんですけど!今大変な目にあったばっかりなんです!そう言い返してやろうと思ってたのに。
こぼれた最後の涙をカレの舌が掬い取った。
「ちょ、やめてよセンセ。。猫じゃないんだから」
「俺のせいで流れた涙だろ。俺がもらって何が悪い」
よくそんなドラマみたいなセリフ言えるよね。まぁ似合っちゃうから文句の言いようもないんだけどね。
「到着いたしました」
どうぞ。そういって開けてくれたドアから一歩出ると聳え立つ巨大な城に唖然と口をあけるあたし。
ほんとにこれ家なの。。。
あたしんちなんて比べ物になんなくらい大きい。何坪あるのよ。周りにほかの家はない。まぁ建てたくないでしょうね。自分の家がアパートみたいに見えちゃうんじゃないの。
もはや”城”と呼ばれるほどのカレの家に一歩おそるおそる足を踏み入れた。
「お帰りなさいませ。お荷物をお預かりいたします」
「は、はぁ……」
何人ものメイド服を着たメイドさんが走り寄ってくる。あ。ちょっと待って。変な妄想した。あー。。消えないよーちょっとぉ~あたしってばすんごい事妄想してんじゃん。
「おい。何つったってる。置いていってもいいのか」
「よっ、よくないですっ」
こんな広い屋敷に取り残されたら確実に100%迷子になっちゃうよ。自身あるもん。
「空き部屋。あそこ空いてるが」
「ほんとっ!?やった!じゃ、そこ借りてもいい?」
「あぁ。部屋を破壊しないでいてくれればスキに使って構わない」
破壊なんてするわけないでしょ。どんだけ暴れんのよって言いたくなる。あーでもやったー。やったやった♪これでセンセに襲われる心配もないね。
「気をつけろよ。その部屋出るぞ」
「え……?」
でるって?幽霊ってこと?やっぱりそれのことだよね??
「そーゆぅことは早く言ってよ!!!こわいこと言わないでって!!嘘でしょ??嘘だよね??」
「さぁ?大して興味もない。よって知らん」
なにそれっ。無責任すぎるでしょーがっ!!あぁこわいよぉ~。かちゃっと開けると一瞬にして吹き込んできた冷たい風。……。。。こわい……。やっぱりセンセと一緒の部屋にしようかな。
嫌がることはしないって言ってくれたし。。。大丈夫、だよね??
やーでも。もうこの部屋危険でしょ。でもちがうイミでもセンセの部屋は危険だし……。。。
「あー!!どうしよっ」
「あのう…なにかお困りで??」
「え?あ、なんでもないです~ごめんなさい」
迷惑そうな顔を(今あたしに見せ付けたよね、その顔)ちらっと見せてさっと去っていく。あの人センセの愛人じゃないの。なんなの。あたし関係ないんだから。
ん~!!よしっセンセのとこ行こうっ。。。
と意気込んだはいいものの。いざ入っていった部屋の前にくると出しては引いて出しては引く手。ノックしようかしまいか。
もう何度目だろう。伸ばした手を今度こそドアノブまで届かせようとしたのに。
がちゃ。
「あのな、人の部屋の前でウロウロすんな」
「ご、ごめんなさい」
「結局こわくなったか。大丈夫だ。そんなものはいない」
案外優しそうな顔で励ましてくれるけど。やっぱりあの部屋はなんとなくこわい。
「あっあのぅ……センセの部屋に泊めてくださいっっっ//////」
あたしは史上最悪に恥ずかしいことをお願いした。
あぁどうか何にもされませんよう!!
この時のあたしはもはやそれしか望んでいなかった。




