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lemon14 myプリンス

感想受け付けています!どういう展開がいい、などご意見きかせてください!

 やっと開放されたかと思いきや。

 「こっち向けよ」

 「…イヤです。」

 てゆーか。むりむりっ。。。こんなオトナのお色気丸出しの男を直視できるほど、恋愛経験豊富じゃないです。あたし。それに一緒にいたらカレカノみたいに見られちゃってません?


 「なら向かせるまで」

 と、言葉通り向かされる。ほんとに強引…。

 幸いちょうど照明が落ちてくれたからよかった。でもこんな大勢の前で見詰め合う形とか、妖艶に微笑むセンセとか、まわされた腕にゾクゾクしてるあたしってどうしちゃったんだろう。


 「キスはしないで下さい…」

 「俺にはしてくれとしか聞こえないが」


 真逆のこといってるでしょ!わざとだ!大きく上がった口角がカレの満足度をあらわしている。

 ここがいくら会場の隅っこだからって。ヒトが見てないからって。

 「センセも立場あるんでしょ」

 「俺にはそんなもの関係ない」


 あたしは会社背負ってんの!そっちに被害なくてもこっちは後で何言われるか。

 


 「俺がどこの人間かきかないのか」

 「…じゃあ聞こうか?」

 「まぁ。そのうちイヤでもわかる」


 なんかそれ森田も言ってたけどー。なんなの2人とも。勿体ぶっちゃって。そのうち分かる、とか。今すぐ教えなさいよー。

 あ。くるっと裏返されてもとにもどった。

なんだ一応考えてくれてるんだ…とか思っちゃってたり。なに考えてるあたし!


 「お前の父親。どれだ?」

 「へ?お父さん?」

 あら。人の父親を”ドレ”って。あるいみすごすぎコノヒト。。。

 あぁ。いたいた。誰かと話してる。


 「あそこ。セの高い方」

 「……ふーん。なるほどな」

 あたしが指さした方をじぃーっと眺めると、へぇ。と笑った。

 何に納得されたんでしょう?まぁいーけど。てか、あたし呼ばれてる?やっぱり?


 「お嬢様。旦那さまがお呼びでいらっしゃいます」

 「では。失礼します」

 と、挨拶も森田の前だから丁寧に断って。


 先にスタスタと歩き始めたから。後ろで2人が眼鏡姿で。どれだけそっくりか、なんて気づくはずもなかった。



☆☆☆

 だあれ?この好青年?

 父と他2人の男。特別カッコイイとかじゃないけど。なんて爽やかな。

 「挨拶しないさい。光環」

 にらみを利かせたその目があたしを威圧する。


 「はじめまして。並木光環と申します」

 「こんにちは。僕、神楽坂漣です。よろしくね」


 にこっと爽やかに微笑みかけてくる。あー騙されちゃだめ。男は顔じゃないって身の程に知ってるんだから。

 「今夜、私達は大事な会合がある。だから今日は2人で遊んできなさい。神楽くん娘をよろしく」

 なななっ/////勝手に話すすめてんじゃない!遊んで来いってどういう事?よろしくって結婚みたいなこと…

 「あぁ。まぁフィアンセが可愛くてよかったな」

 相手方の父親が文句なし、とばかりに上から下まで舐めるように見回す。

 なにコノエロオヤジは。女子高生をそんなふうに見るな。


 「そうですね」

 「まぁ漣くんになら安心して任せられるな」

 「そう言って頂いて光栄です」

 …つ・ま・り。このひとがあたしの結婚相手ってこと??

 はぁ?ふざけんじゃないわよ。勝手に決められてなるもんですか。

 会合とやらの話をしながら去っていく2人に心のなかで毒づく。


 「じゃ、行こうか」

 「え?」

 親がいなくなると会場から連れ出されて。どこへ行くかもしらないんだけど???


 「どこに、ですか?」

 「キミも早く終わらせたいでしょ?」

 かみ合わない会話。それが余計に怖い。やだ…このヒト怖い。何考えてるの?

 エレベータにのると極度に近くなったキョリ。


 「そんなに身構えないで。僕はこんなとこで襲う趣味はないから」

 ね?とまたまた爽やかな笑顔で。


 「あっあたしっ。用事っあるんでっ!」

 そういって逃げ出そうとドアが開いた瞬間に飛び出したのに。

 ぐっとつかまれた二の腕。


 「離してっ!!!」

 「そんな力で男にかなうはずないでしょ」

 軽くそう言われて押し付けられた唇。なに…コレ…いやだっ!!!

 必死でもがいてるのに、それを楽しむかのように絡められる舌。


 「っ…っめてっ……」

 「フっ…いいねぇ僕嫌いじゃないよ。そういう女の子」

 

馬鹿にしたように、冷たく氷のような声が頭上から降りかかる。こんなにも、愛のないキスはむなしいと、悲しいとどうして思ってしまうのだろう。

 あたしが。愛のあるキスの甘さを知ってしまってるからだろうか。

 おねがい……誰か…来て……センセ来てよ……たすけて…。


 「いい?あいつらにとって俺達は子供つくるための道具なわけ。その期待にこたえないとね」

 そういうと抱き上げられたあたしのカラダ。どこへ行くかなんてもう分かってるから聞かない。

 あたしの”初めて”は全部このひとになるんだ。


 どうせなら。センセにあげたかった、とか思ってたのに。なんで……

 丁寧にあたしをベッドに横たえるといきなり押し倒された。


 「その目。スキだよ。その生意気な目」

 「うるさい。あなたってかわいそうよ」

 「は?俺が?なんで。こんなにかわいい子を抱けるのに?」

 「そうやってホントは親のいいなりになんかなりたくないくせに、運命だから変えられないとか思ってるんでしょ。全部、こうやってこんなことしてるのも親のせい。自分の人生歩めないのも親のせい。あんだバカじゃないの。そうやって一生自分から逃げてればいい」


 暗くて顔なんて良く見えなかったけど、それでも彼の顔が引きつったのが分かった。それに動揺してあたしをしめつける手に力がこもる。

 「お前こそバカじゃねぇの。運命かえられるとか思ってんだろ。そんなのは現実見てねえやつが言い逃れしてんだよ。会社のために生まれたんなら会社のために行動しろ」

 「そうね。だったらそうするわ。スキにすればいいじゃない。勝手に抱けば?」

 

 センセ。あたしもう諦めます。センセのこと、惚れろとか言われてムリだったし。いくら考えても答えでなかったし。この人の言うとおり会社のために貢献します。






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