lemon12 恋わずらい
あたしってばホントに長谷川に惚れちゃった?
ココ最近思っている疑問はなかなか消えてはくれない。
ただ……キライじゃない……とゎ思うようになっていた。
今日は微熱で37度台で…頭がぼやーっとしていた。
4時間目までは我慢我慢。球技大会の説明もあるし。
「大丈夫なの?保健室いく?」
と心配そうに聞いてくれる萌。
「うん!大丈夫だよー!ほら、全然元気だし?」
ちょっとだけムリをして笑顔で答えたがそれが余計に心配を買ったらしい。
「しんどくなったら言いなさいよ?倒れる前に」
ありがとぉ~萌~って抱きつきたかったけど、ムリだった。
体力がない……。
そして始まった授業。
あー。。ヤバイ…クラクラしてきた…まずいな…。
やっぱり保健室で少し休もうかな。
こっそり席をたって、後ろから教室を抜け出した。
そういえば。あたし。。。高校入ってから自分から保健室へ行くのは初めてだ。
この前倒れたときは早川君が運んでくれたみたいだし。
おそるべしあたしの免疫力。
「すみませーん……あのぅ…??」
って誰もいない感じ??職員室まで行かなきゃ行けないの?
めんどくさーいっ!だったらもういいんですけど。。と帰ろうとしたら…
「うわぁぁあっっ!!!…びっくり…しました…」
「何してるの?こんなとこで?」
長身の男があたしを見下ろしている。
だ、だれだ??でもめちゃくちゃ美形なんですけど???
長谷川とはまた違う感じが……。
「あ、あのー……えーっと…あ、朝から熱あってちょっと体だるくて」
そのオトコはしばしあたしを眺めると微笑んだ。
「そう。じゃ、入って」
なんとなく気づいたけど保健のセンセだったんだ。
白衣を身につけると、やはりしっくりきた。
てゆーかこんなセンセだったら女子が保健室にこびりついて離れないでしょうよ。
だから余計に注意しなきゃ。女なれしてるだろーし。
「おデコ、かして」
ちょうどいいぬくもりの手があたしの額にあてられる。
その端整な顔にじーっと見られると恥ずかしくて少し顔がほてった。
「うーん。微熱だね。どうする?早退する?」
「いえ。でも今の時間だけここで休んでもいいですか?」
「いいよ。じゃ、奥のベッドつかって」
フワリと笑うとセンセはデスクについた。
でも…ちゃんと確認しておきたいことがあった。
「あの、センセは保健のセンセですよね?あたし、センセの名前、しらなくて…」
そういうとびっくりしたようにあたいを見つめた。
「もしかして、保健室はじめて?」
「あ、いえ2回目なんですけど、前の時はいらっしゃらなくて…」
「そっか。僕ね香川修司。よろしくね?光環ちゃん」
うわ、、いきなり名前でよばれちゃったよ…。
「うーん。長谷川の友達っていうとわかりやすい?」
は?わかりにくいですからっ///
「だってキミ、隼人のカノジョだろ?」
隼人……長谷川の下の名前か。
じゃなくて。
「いや、そんなまだ全然カノジョとかそんなんじゃ」
「まだってことはいつかはそうなんだ」
「ちがいますっ///だからそーじゃなくて!」
うぅ…なんて言えば分かってもらえる??
完全に楽しんでるよ。むかつくーっ!!!!!
でもホントに付き合ってくれとか言われてないし、もちろん言ってない。
「なんとなくあいつがキミに惚れた理由がわかった気がする」
香川センセが呟くように言う。
「りゆう???」
「うん。でもそれは自分でみつけなさい。人からきくものじゃない」
そういうものなのか…。
なんか納得だわ。
「スキなんでしょ。あいつのことが」
…そうなのかな?自分でもわからない。スキってどういうことなんだろう。
「見てたらわかるよ」
「でも…どうすればいいのか分からないんです」
「んー。そうだね。スキって口に出してみることだね」
「……スキ……スキ…こう、ですか?」
「アハハっ…うんうん。そうそー。でも言い続けてみてね。
気持ちがはっきりすると思うよ」
スキ。そう初めて声にだして言ってみた。
それは甘くて溶けそうだった。