表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

世界シリーズ番外編

青年が訪れる前の世界状態

作者: 448 23

番外編ですよ。

 海が赤い。

 学者たちによれば、魔力の濃度が濃い場所は視覚的に違うらしい。身体に影響などはないため、禁止区域には指定されていない。だが、偶然にもそれらの場所は海のど真ん中。船で30日、飛行魔術で10日かかる。

 禁止区域にされていないにも関わらず、誰も存在しない赤い海。

 そこには、光があった。青く、淡い光。

 まるで、命のようだった。



「いいかい、我が孫よ」

「うん、おじいちゃん」

 とある町の一軒家で、その家族は話していた。

「この世界にはな、オードという姓をもつ者たちがいるんじゃ」

「……オードって、イハンってやつでしょ?」

 この世界では4文字以内の姓は違反となる。あるはずのない、姓だった。

「オード一族はな、世界にある柱のためにいるといわれているのだ。ほれ、お前さんに見せたじゃろう? 光る柱を」

「うん。確か、晴天の柱だよね」

 光る柱。晴天の柱と呼ばれ、悲しみ(sadness)を使って、魔力を造る。さながら、工場のように。

 工場のように。

 工場のように、見せるために。

 魅せる、ために。

「もし辛いことがあったら、悲しむのだ。そうすれば、晴天の柱が吸ってくれる。悲しむことは悪いことじゃない。わしらたちは、悪くないのじゃ」

「うん、分かったよ。おじいちゃん」




 これは、青年が訪れる前の人々の会話。

愚かでしょう? あの家族。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ