*60*
最近さくさく更新できるのはたんにストックがたまったからです。
筆?が乗る時は乗るんです。今はまさにそれです。
もうすぐラストになりますね。さびしい。
できればまだまだ書いてたいですけど。
本編が終わったら番外編でも載せます。
その後~みたいな感じで。
おかげさまで60話越えです。
いつもお読みくださりありがとうございます。
卒業式は月曜日に行われる。その2日前の土曜日。僕は清ちゃんと水族館に居た。いきなり出かけようって言われてついてった先がそこだった。生まれて初めて来た水族館に、僕は目を輝かせた。青く光る水槽の中をいろんな水生生物が自由に泳いでいっている。なんてきれいなんだろう。僕は年甲斐もなくはしゃいだ。
「清ちゃん、ペンギン!ペンギンが散歩してる!!」
「そうだね」
「?」
朝からずっと引っかかっている違和感。清ちゃんの様子がおかしいんだ。一応笑ってるけど、笑ってるように見えなくて。何か、別のことを考えてるような感じ。でもそれがなぜなのか、聞きだすのがなんか怖かった。どうしてなんだろう。
そのまま、僕らはさらに水族館の中を歩いた。もう閉館時間が迫ってきてる時間だけどね。アジやサバがキラキラ輝いて群れをなして泳いでるのを、水槽のガラスに手をついて眺める。そこでちらりと、横に立って同じように眺めている清ちゃんを見る。水槽からの淡い光に照らされたその顔は、どこか悲しげで、さびしそうな気がする。
どうしてだろう。もうすぐ卒業するから?でも、この前は近くの大学を受けて、休みの日会いに来るからねって、笑っていってたのに?毎日会えなくなるのがいやなのかな。それは僕だって嫌だけど。でも、そうじゃないのかな。もっと別に理由があるから?
でも、さびしいよね。きっと、会える時間も少なくなるんだろうな。高校生と大学生の生活は違うものだし。きっと勉強とかも難しいんだろうし。休みの日も、絶対に会えるって保証はないんだし。そう思うと、急にさびしさがこみ上げてくる。突然、もうすぐお別れなんだなっていう気持ちがわき上がってきた。別に数キロの距離だけど、ちょっと会いにいこうって言うわけにはいかないんだろう。僕も生徒会副会長になって、忙しくなるんだろうし。もう、すぐそばに清ちゃんがいるっていうのは終わっちゃう。やだな。せっかく同じ学校に通えてたのにな。ずっと夢だったんだ。いつか、一緒に学校生活送れたらいいなって思ってたんだ。やっとかなったのに、それはたった1年だけ。
でも、この1年は本当にいろんなことがあって、たくさんの思い出が生まれた。清ちゃんとも……恋人になれた。楽しくてうれしくて、幸せだった。一人ぼっちだった僕が、こんなにもいろんな人と出会えて仲良くなれたのは、清ちゃんのおかげだと思える。感謝したくてもしきれないほど。そんな清ちゃんが卒業しちゃう。やっぱり、ちょっとヤダな。
でも決めたんだ。笑顔で送り出そうって。
そう思ったら、僕は自然と行動していた。すぐそばにあった大きな手を、僕の手でしっかり握りしめた。びくっと動いたその手。そして、ゆっくりと僕の方を向いた清ちゃんの顔はおどろいてた。その顔を僕はしっかりと見つめ返す。
「清ちゃん、いままでありがとう」
「え?」
「この1年ね、僕すごく幸せだったんだ。行きたかった学校に通えて、たくさん仲良くしてくれる人ができて、修学旅行もいったし、夏祭りもいったし。文化祭もすごく楽しかった。たった1年だけなのに、すごくいっぱい思い出ができた。はじめは、嫌だったんだ。どうせ僕は朝貴の代わりなんだって。これは全部朝貴のなんだって。いつの間にか、起こってる出来事すべてが、僕じゃなくて朝貴のためのことって思えてきてた。清ちゃんのこともそう。此処に夕貴はいないんだって思ってた」
「それは……」
「うん、僕の勘違い。清ちゃんは最初から僕だけ見ててくれた。そうでしょ?」
「夕貴……」
「うれしかった。朝貴以外の家族にも見放されてる僕のこと、ちゃんと見てくれてて。認めてくれてるのがすごくうれしかった。好き……って言ってくれてるのもすごくうれしくて。確かに、この1年楽しかったことばっかじゃなかったけど。でも、清ちゃんが助けてくれた。いつも、僕を見つけてくれた。忘れないでくれた」
「……」
「ありがとう。それから、これからもよろしくお願いします」
手をつないだまま向き合って、僕は頭を下げた。上の方で、清ちゃんが短く息を吸ったのが聞こえた。
「清ちゃん卒業しちゃうけど、休日になったら会えるもんね。僕も会いに行くからね。それから、迷惑じゃなかったらメールも電話もするけどいい?」
「夕貴っ……」
「卒業式、卒業生代表の言葉言うんだよね?僕それしっかり聞いてるから。清ちゃんなら大丈夫。大学行っても、頑張って。僕も副会長頑張るから。運動も、できるようになりたいな。あはは、それはまだ無理かもしれないけどね」
「夕貴……夕貴っ!!」
また僕は清ちゃんの腕の中に埋もれた。でも、嫌じゃない。清ちゃんに抱きしめられるのは安心できるから好き。この時間が閉館間際で本当によかった。此処にお客さんの姿がない。いたら恥ずかしいよ。だから僕も思い切って清ちゃんの背中に腕をまわした。しばらくそのまま。あーあ、ずっとこうしていられたらいいのにな。あとちょっと。あと1分だけでも。なんて、よくばりかな。
すると、天井にあるスピーカーから、閉館の時間を知らせるアナウンスが流れる。それを聞いた僕らは、そっと体を離した。ちょっと名残惜しい。ふと、清ちゃんが僕の顔をじっと見てきていることに気がついた。やっぱり、かっこいい。清ちゃんと付き合ってるなんて、本当に夢みたいだ。でも夢じゃないから、すごくうれしい。
青く光る水槽の前、僕らは静かにキスをした。
水族館は、大好きなスポットです。
見てて癒されます。動物園見たいに臭くないしね←そこ?
水槽からの淡い青い光が幻想的な世界観というか……
最近行ってないので行きたいです。




