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遅筆で申し訳ないです。
最近出来た、というショッピングモール?に行きたいと朝貴が駄々をごねたので行くことにしました。あれを放っておくと、後が大変なんだよ。で、僕らだけじゃ荷物運び?がいないって朝貴がいって、清ちゃんとりゅ……龍弥先輩(朝貴にそう呼べっていわれた)が強制的に行くことになったんだよ。
「朝貴のわがまま」
「えー、だって気になったんだよ!夕貴だって来たかっただろ?」
「そりゃ……まぁ……ここら辺で一番大きいっていう本屋さんは……気にならなくもないけど」
「えー、ここに来ても本なの?」
悪いんですかぁ?朝貴はもう少し読んだ方がいいよ。
「あ、じゃあ漫画の最新巻買ってきて!」
「漫画ってあれ?昨日読んでた奴……」
「そう!!今日発売日なんだ!ね、いいだろ?ついでに」
「……はぁ、うんわかったよ」
朝貴はこう言い出すと、しつこいんだよね。早く折れたほうが身のためだよね。
「いつまでこんなとこで、立ち話してるつもりだ?」
こんなところとは、フロアの隅にあるベンチ前である。
「でも……清ちゃんが……」
眠気で死にそうです。朝貴張り切ってたもんね。開店時間前に着いたもんね。清ちゃんにとっては、早起きに入るよね。
「おいてけそんなもん」
「そんなもんって、清桜怒るぞ?」
「……清ちゃんといるから、朝貴行きたいとこ行ってきていいよ」
「ほんと!?」
「うん。漫画はちゃんと買うからさ」
「わーい!って事で行くぞ、龍弥!!」
「ひっばんなボケ!」
大変だな。朝貴テンション高いし、龍弥先輩きっと振り回されるんだろうな。
さてと。
「清ちゃん、大丈夫ー?」
「んー……大分、頭冴えてきたかな……。ふぁ……あんな風に起こされたの、初めてかも……」
うん。あれは凄かった。榊原先輩と青葉先輩が起きてくるほどだもんね。さすがの清ちゃんも起きたよね。寝てられなかったもん。
「うん、よし。目、覚めた」
「え、いきなり?」
「やっぱぼーっとしてるのが一番だよね。冷たい水で顔を洗うなんて自殺行為だと俺思うんだ」
「そう?」
ま、今の時期はお湯にするけどね。ぬるま湯でばしゃばしゃってね。
「で、最初は本屋だっけ?」
「清ちゃんはどこか行きたいところとかないの?」
「あるにはあるけど……夕貴の行きたいところ行ったあとでいいよ。今日は一日荷物持ちします」
「べ、べつにいいんだよ?僕も持つし。ていうか、自分が買った物は自分で持つのが当たり前だし」
「いいの。彼女に荷物持たせちゃうなんてダメでしょ」
「か、彼女って誰ですか!!」
「行くよ、夕貴ちゃん?」
「僕男の子!!もうっ!!」
ということで、まずは本屋さんにいくことに。まぁ僕はこれといって欲しい本は、ないんだけどね。まずは朝貴が欲しいって言ってた漫画を持つ。それから店内を散策。やっぱりここら辺で一番大きいっていうだけはあるみたい。その品揃えの豊富さには、圧倒させられる。
気づけば僕は、漫画のほかに三冊の小説を持ってた。
「夕貴って、本と食べ物さえあれば幸せって感じだね」
「えぇ!?……そんなことないよ……」
僕そんなに単純じゃないよ?それに、清ちゃんもいなきゃやだからね。
「清ちゃん、ごめんね。本屋ばっかりいて。もうこれかったらほかのとこいこう?」
「まだよかったけど……夕貴がいいならいこうか」
「じゃ、お会計してくるね!」
本を抱え、レジ待ちの列に加わった。
いったいこの二人はどこまでいちゃこらしてくれないのか
まぁ、ショッピングモール?だし。
仕方がないのかもしれないですけど?
龍弥を好き勝手に利用できるのは朝貴だけ
ある意味最強ですね。
ショッピングモールの話は少し続きます。