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はぁっ・・・・はぁっ・・・・・・・。
とてつもなく広い校舎の中を、一人が逃げ、二人が追い掛ける。もう、朝貴の脳裏に、校舎内は走っていけないの校則は消え失せていた。とりあえず逃げねば、自分の貞操その他もろもろが危険なのだ。でも、これ以上走ってもいられない理由が朝貴にはある。
「も・・・勘弁して下さい――――!!僕なんか追っかけても・・・何の得もないですよ――――!!」
「なにいってんだー!いいことだらけだから、大人しくつかまれ―!!」
「そうだそうだ!」
「いやあああああああああああああああああ!!」
だめだ・・・・このままじゃ・・・走れなくなっちゃうよ・・・・。
朝貴はキッと前を見つめてひときわ複雑な構造になっているところに駆け込む。右へ左へ、もうどこをどう走ったかわからないほどになってきている。その複雑さからか、追い掛けてきていた先輩達とはいくらか距離が出来ていた。
「っ・・・はぁ・・・・っ・・・・あ・・・・わぁあああ!!?」
足がもつれて、朝貴は盛大にその場に転んで倒れた。
「いたたたた・・・・。っ・・・うっそ・・・やだ・・・足、動かない・・・やだ・・・。これじゃ・・・つかまっちゃうよ・・・・。」
朝貴にはとある問題があった。それは長い間や、無理な運動をすると足が動かなくなるのだ。それは幼少の頃でた高熱によるもので、このせいで体育の授業はそんなに出れないのだ。朝貴はなんとか、立ち上がろうと足に力を入れるが全く動こうとしない。徐々に近付いてくる足音に、朝貴はパニック寸前だ。
「誰か・・・たす・・・助け・・・・・・。」
だが、こんな辺鄙なところに朝貴を助けてくれるものなどいないと、脳の片隅で思っていた。迫りくる足音にもう駄目かと諦めたその時、ふわりと身体が浮き上がった。
「っえ・・・・・。」
「だまってろ。」
頭の上で声がする。どうやらこの声の主に朝貴は抱きかかえられているようだった。顔を見ようと顔を上げようとしたのだがその声の主が急に移動し始めたためそれは叶わなかったのだった。
そして朝貴が抱えられたまま隠れたのは近くの空き教室だった。ドアの死角になっているところで床に下ろされそのまま後ろから密着されて、身動きとれないように隠れている。まぁ、足がまだ動かないのでどこにも行けないのだが・・・。そして数分後にその教室の前を通り過ぎていく二つの足音を聞き、朝貴ははぁっと安堵の息を吐いた。
だが、まだ安堵するには早かったのかもしれない。
首筋にぬっとした感覚を感じ、朝貴はぴくんと体を震わせた。
ふむ・・・熱出して足になんか出るとかあるんでしょうか・・・。
あまり深く突っ込まないでください。なんとなくそういう設定ほしいと勝手につけただけですのでw
さて、次回少し微エロ?微微微微微エロwがはいるかもです。