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夕焼けに桜咲く  作者: 朝比奈 黎兎
第6章 真冬の町
43/73

*42*

再び視点を夕貴に戻していきます。


 

 あれからどれほど経ったかなど、夕貴は確かめようともしなかった。あれからずっと、彼はしゃがんだままオレンジ色のタイルをただ見つめていた。うつろな青い目に、オレンジ色が徐々に白く染まっていくのをただ写していた。あたりはすでに暗く、貴宅に急ぐ人や、これから恋人とのひと時を過ごしに行く人など、さまざまな人どおり。その中にいる夕貴だが、静かにしゃがんでいて誰も気にも留めない。手袋に包まれているのに指先はジンジンとしびれ、体の芯まで冷え切っている。このままでは本格的に風邪をひくだろうが、すでにその少年の頭にそんなことは浮かんではいない。

 なんで来ないんだろう。もしかして僕との約束忘れて帰っちゃったのかな。それとも来る途中で何かあって……。どうしよう、連絡した方がいいかな。でも、もしまだお家でお話してるなら迷惑かな。そもそも僕の携帯、電池切れちゃったからかけれないし……。やっぱり僕は忘れられちゃったんだ。そうだよね。だってまだお話してるわけないもんね。そっか、清ちゃんからも忘れられちゃうんだ僕は。ならもうここから動かなくていいや。此処で凍え死んじゃっても別に誰にも気づかれないよね。それはそれでさびしいけど……。

 清ちゃんだけは違うってどこかで思ってたのに。それは僕だけだったのかな。ずっとずっと、僕が小さいころから一緒にいてくれた清ちゃんだから、今回も絶対に来るんだって思ってたのに……どうして?やっぱり僕だめなのかな。お母さんが本妻じゃないから?あの人から生まれてきたら、みんなに認められたのかな。そしたら、僕も丈夫で、朝貴と一緒に小学校にも行けて……朝貴がさされることもなかったのかな。なんだ、やっぱり僕いらないじゃん。僕がいるからみんな不幸になってるんじゃん。なら僕、お母さんのところ行ってもいいかな。

 そんなことをどれほど繰り返していたことだろうか。オレンジ色がもう見えなくなったところに新しい色が見えた。黒。それがオレンジを隠してた雪を踏みしめて止まった。僕の目の前で。それでも僕は、なぜか顔をあげれなかった。もう動きたくもなかったのかな。そしたらその黒いのがいったん引いて、次の瞬間、何にも見えなくなった。体全体に重くのしかかってくる。けど、つぶされないのは僕に全体重をかけてないからだろう。前に引っ張られる感覚がして、モスグリーンが視界いっぱいに広がる。黒いファーも見える。そして聞こえるのは上がって何度も吐かれている荒い息の音。痛いほど抱き寄せてるこの人は誰?なんて思ってたら急に体を離されて、そしてうつむいてた僕の顔をその人は力いっぱい両手で頬を挟んで無理やり上を向かせた。視界に移り込んだ、薄紫色。その人の顔はすっごく複雑な顔だった。怒ってる?悔んでる?どっち?


「馬鹿夕貴!!なにしてんの!?今何時だと思って……っ……俺なんか待ってないでさっさと帰ればよかったのに!!体弱い自覚あるの!!雪だって降ってる、いくらコートとマフラーで防寒してるからって、まだ1月なんだよ!!少しは自分を大切にしなって何度言ってると……!!」


 その人――――清ちゃんは僕の顔を見て言葉を切った。ごめんなさい、でもね止まんないんだ。どうしたらいいのかな。でも、止めたくないな。冷たい手してるね。必死になって走ってきてくれたんだね。ちゃんと此処まで来てくれた。僕を見つけてくれた。


「よかった……」

「え……夕貴!!」


 僕はそこで意識を手放した。清ちゃんにもたれかかるように、ただしっかりと清ちゃんにしがみついたままで。

清桜も怒るときは怒ります。

けどもう少し口調がきつくならないんですかね。

夕貴に電話がつながらなかったのはただの電池切れでした。

私もよく一本しかないまま出かけてうわっってなります。


今日あと何話か更新できればしたいです。

あと、クリスマスの番外編でSSも載せたいと思います

あとあとっ!登場人物紹介も何とか……

出来なかったらごめんなさい!!

番外編は短編として載せます。でも内容がちょっとあれなので

エロ……っぽく、でもそうじゃないような……

いちゃこらしますので注意です。

夕貴も清桜も静香も淳も澪も良介も出ます。というかこの6人しか出ません。

あ、でも朝貴と龍弥も出したい……。どないしょ。

うーん、まぁ、番外編だしいっか!←←

全く本編に関係ありませんって注意書き書けば……大丈夫なはず。

頑張って今日中にアップします!!


では!

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