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夕焼けに桜咲く  作者: 朝比奈 黎兎
第6章 真冬の町
41/73

*40*


 清ちゃんと出かける日の朝。とても珍しい人から電話が来た。


「もしもし、おはようございます」

『夕貴おはよ!!そしてごめん!!』


 電話の相手はその清ちゃんからだった。こんな朝早くに起きてるのも珍しいし、電話してくるのも珍しい。しかもなんか凄く慌ててる。何かあったんだろうか。


「どうかしたんですか?」

『なんか急に俺の父さん海外から帰ってきてさ。休日だから顔見せろって五月蝿くて……。だから行かなきゃいけなくなったんだよ!!ひどくない!?』

「そうなんですか……。でもそれじゃあ仕方がないですよ。出かけるのはあきらめます。また違う日に誰か誘っていきますから。僕のことは気にしないでください」

「えー。そこはやだっ!とか言ってよぉ。俺悲しい。ね、午後からならいけると思うんだ。それじゃダメかな」

「僕は別に午前でも午後でも構いませんよ。それに今日は久しぶりに病院行こうって思ってたので、午後からのほうがいいですね」

「……病院?なに、夕貴どこか悪いの?寝てた方がよくない?」

「え、いやそこまで悪くないですよ。ちょっと咳出るんで、早めに薬もらっておこうって思った……朝貴に行ってきなよって言われただけです」

「なんだ、ならいいけど。じゃ、午後3時くらいに駅前でいい?」

「はい」

「じゃ行ってくるよぉ……」

「がんばってください」


 パタンと携帯を閉じて、そばのテーブルに置く。時計の針はもうすぐ9時になろうとしている。まだ朝貴は寝室で寝ている。彼のための朝食はテーブルの上にラップをして用意してある。


「ちょっと早いけど、出かけようかな。職員室に外出届出して、それから出発だね」


 医者は行きつけのため、駅につけばあとは迷うことなくいける。もともと方向音痴ではないし、学園の近くにバス停があったのを思い出した。そこから駅に行き電車に乗って病院に行こうと考えた。今はそのバス停でバスを待っているのだ。あと数分で来るらしい。


「夕貴、おはよぅ」

「うわっ!?」


 後ろからいきなり抱きつかれた。驚いてあわてて振り向くとそこには、私服姿の澪先輩がいた。


「れ、澪先輩!?おはようございます」

「夕貴はおでかけ?」

「そうです。澪先輩もですか?」

「うん、まぁね。じゃ、僕そろそろ時間だから」


 そう言って、走り去っていってしまった澪先輩。だけど、どこか逃げるようだった気もするのは気のせいだろうか。そう思っていたところにバスが来たので、僕はそれに乗りこんだ。バスに揺られ、僕は駅へと向かう。バスの中は程よく暖房が利いていて、1月の寒い外よりも快適なのは間違いなかった。いくらニット帽と、マフラーと手袋で防寒対策ばっちりだとしても、やっぱり寒いのは防ぎようがない。しかも今日は曇り空で雨か雪が降り出しそうだ。このまま曇りであることを祈ります。

 駅で降りた僕は、改札で切符を買って、病院がある駅に向かう。朝貴が入院していた病院は私立の総合病院だけド、僕の行きつけは個人経営の病院。僕は此処のおじいさんの先生が大好きだ。予防注射は痛いからいやだけど、それ以外は優しくていろいろ相談にも乗ってくれるいいお医者さんだ。清ちゃんもそうなるといいな。病院の窓口で診察券を出して、僕は待合室で順番が来るのを待つ。休日だからだろうか、結構ほかにも患者さんがいた。時間に間に合うかな……。

 で……。

 案の定、結構時間がたってしまった。只今2時半を過ぎたころである。あのおじいさん先生は、腕はいいけど、結構のんびり屋さんだからこんな風に待たされるのはいつものことなんだけど……。今日はちょっとヤバい気がするよ!!僕これ以上に走れないこと恨んだことないなぁ!!間に合いますように!!


「間に……あった」


 3時3分前。何ともぎりぎりで間にあった。もはや奇跡だろ。あわてててあたりを見回す。だがそこに、清桜の姿はない。くまなく駅前を探し回る。それでも見つからない。薬の入ったショルダーバックをギュッと抱えて、息を整える。まだ3時にはなってない。夕貴は駅前の何かの像の台座に寄りかかって清桜を待つことにした。もともと自分の用事。だから、清桜が遅れても文句はないし、むしろ急がせても悪い気がする。ずるずると体をずりおろし、その場にしゃがむ。行き交う人。客を待つタクシー。地面をつつく鳩。冷たい風がほおをなでるたび、夕貴の体は震えあがる。やっぱり、遅れてきたら喫茶店であったかいココアでもおごってもらおうかと思い始めた。

 黒い黒い曇天の空から。真っ白な雪が降ってきた。ひざの上にかばんを載せ、その膝を抱えてしゃがんでいた夕貴のニット帽にそれが降り積もる。肩に、背中に、それは徐々に積もり始めていた。夕貴はそれを払おうともせず、ただ地面のオレンジ色のタイルを見つめていた。駅の建物にある時計は午後5時45分になろうとしていた。

寒い中あんな風に私は待てません。1分でも過ぎたら多分帰るな。←

だって寒いの嫌なんですもん。私の住んでるところは雪降らないんですが、それでも寒いです。


しっかし、澪先輩を何で出したのかがわかりません←

しかも今の今まで澪先輩が檜山って名字なのを思い出せませんでした←

自分のキャラなんだし覚えとけよって感じですよね。

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