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夕焼けに桜咲く  作者: 朝比奈 黎兎
第6章 真冬の町
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*37*

 また変わらぬ朝がきた。あのあと、僕は三日ほど熱を出したらしい。久々だったせいか長引き、あれ以上長引いていたら、おそらく病院へ行くことになったんじゃないかと思う。だけど、何とか下がり僕は今寮の自分の部屋でゆっくり朝ご飯を食べていた。

 その間、僕は失っていたらしい過去の記憶を取り戻した。今思えば、なぜ忘れてしまったのかは分からない。けど、こうして思い出してみて僕は一人じゃないことを改めて知った。戸惑ってはいなくて、どちらかというとすごく晴れ晴れしている。砂糖とミルクたっぷりのコーヒーを飲みほし、洗面所の鏡の前で服装の乱れがないか確認する。そして玄関で靴をはいて、かばんを持って外に出る。今日は月に一度の全体朝礼だ。またグラウンドで朝から準備をしなければならない。かちっと、エレベーターの下へ行くボタンを押してくるのを待つ。その間に青葉先輩が来るのもいつものこと。


「はよ!やっぱ今日もお前が一番か!」

「いったいぃ……おはようございます、青葉先輩。この日だけはいつもより早いんですよね」

「失礼なやつだなぁ?ちゃんと起きてんだからいいだろ?」

「どうせ、静香に起こしてもらったのでしょう?電話で」

「げっ」

「なんだそうだったんですか。あ、榊原先輩おはようございます」

「おはようございます。ばればれなんですよ」

「うぐぐ……」

「静香先輩のモーニングコールですか」

「いーね、淳はさ。俺もモーニングコールしてもらおっかなぁ」

「会長の場合は、コール音に気付かず寝てるんですよ」

「そんなことないよ」


 そして一番最後に会長が姿を現すのも、いつも通りだ。でも、この前から僕には違ってきている。記憶とともに、思い出したのは昔から抱いていたこの人への想い。僕はどうやら会長のことが、好きだったようだ。それは今抱いているものと同じで、僕は記憶を失っていたのにまたこの人のことが好きになっていたんだ。でも、まだそれを伝えることはできないでいる。普通に話すのには何の変わりもしないのに、その思いを告げることだけはなぜか、簡単にはできそうにもなかった。実は今日までに何回も告白しようとは思ったこともあったのに、結局その場面になると、恥ずかしくて緊張して言葉がでなくなってしまった。いつか言えたらいい。そう思う。今まで何度も僕は会長に告白されてきていた。この想いを思い出すまでは、何気なくかわしてきていたけど、今はとてもうれしく思う。その時に返事を返してしまえばいいのかもしれない。けれど、今度は僕から告白したいっていう思いがあって。だからそれができるまでは、片思い同士でいてください。いつか必ず、言って見せます。『ずっと好きでした』って。 

これで、ようやくBLになったんですかね。

私のは本当に恋愛要素が薄くて薄くて……

なのでこれからは、まじめに恋愛小説になるよう頑張ります。

目指すは夕貴の告白です。

恋愛、恋と愛の話。

がんばろ……

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