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夕焼けに桜咲く  作者: 朝比奈 黎兎
第2章 修学旅行
13/73

*12*

あれ、前回ちょっと清桜の素っぽいところが出ちゃった?


そんなことないですよねー気のせい気のせい。

でも好きな子のためなら何でもやっちゃうとか結構いいかもw


 ぎゅっと、痛いくらいに抱きしめられた。会長の肩のところにおでこがのっかって、会長の服に涙がしみ込んでいるのがわかった。だからほんとは離してほしかったけど、なんとなく安心できるそのあったかさに甘えて離れられなかった。ワンピースを握っていた手はいつの間にか会長の服を握ってて、しがみついてた。


「ごめんね、朝貴。こんな目にあわせて。俺のせいだ。」

「ちが・・・僕がふらふらして・・・あの人たち・・・振り払えなくて・・・だから・・・。」

「そんなことないよ。二人がかりだったんだしさ。」

「かいちょ・・・・う・・・うぇっ・・・・。」


嗚咽をあげて泣き始めた朝貴の頭を、ポンポンとなだめるようになでていく。


朝貴が落ち着いたのはそれからどれほどたったころだったか。


「ちょっとはすっきりした?」

「は・・・い。あの・・・助けてくれて・・・ありがとうございました・・・。」

「このくらい当然だよ。だって朝貴は俺の・・・・むぎゅっ・・・。」

「そんなこと言う口はこの口ですかぁ?」

「あひゃき・・・ひひょいほ・・・(朝貴、ひどいよ)。」

「っていうか・・・僕のジュース・・・・。」

「あ・・・・ごめん。・・・・とっさにというか・・・。」

「メロン・・・・。」

「ごめんて!!すぐ買ってくるから。」

「いいです・・・もう。その代わり、明日なんかおごってください。」

「いいよー。・・・・じゃ、帰ろうか。そろそろ夕飯の時間だしね。今日はホテルでバイキングだよ。」

「はい!」


元気に返事した朝貴だったが、なぜか立ち上がる様子がない。


「朝貴?」

「会・・・長・・・。た・・・立てません・・・。足・・・うごかな・・・くて・・・。」


僕そんなに必死に抵抗してたのかなぁ・・・。足動かなくなる程なんて・・・よっぽどだったんだ・・・。ど・・・どうしよ・・・これじゃ帰れない・・・・。


「仕方ないなぁ。はい、どーぞ。」

「え・・・・・会長・・・まさかそれって・・・。」


背中を向けてしゃがみこんだ清桜。間違いなくおんぶする時の格好。


「おんぶしてくからさ。ほら、早く早く。何ならお姫様だっこでもいいよ?」

「お・・・おんぶでいいです!!」


お姫様だっこで街中歩いて帰るほうが恥ずかしいよ!!おんぶも恥ずかしいけどさ・・・お姫様だっこよりはまし!!


何とか清桜の背中に乗っかった朝貴。清桜の背中に揺られながら、ホテルへと帰る。その帰り道、朝貴はふと懐かしさを覚えた。


そういえば・・・昔誰かにこうやっておんぶしてもらったな・・・・。誰だっけ・・・お父さん?もうちょっと・・・小さい背中だった気がするけど・・・・だめだ・・・思い出せない・・・・。


ゆらゆらゆれるのが心地よかったのか、朝貴はいつの間にか夢の中へとはいって行った。


いっそお姫様だっこってのもありですよね。何の羞恥プレイだw


なんだかんだいって朝貴は清桜のことそんなにやじゃないんですねぇ・・・

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