12 過去編「魔王」
過去編です
3年前の記憶が走馬灯のように蘇る、50年に一度の天地の入れ替わり、50年で魔王は君臨、50年たてば勇者に倒される、「システム」がこの世界、故に倒される覚悟はあった、父、魔王に性別は無いが父として記憶に残っている。父が切り殺されたその刀で俺も死ぬのか…そう…思ったんだ。「6人の勇者」と「魔王」の戦いでいままで崩れる事の無かった所が崩れた。息子のダクウがいる場所が。50年の掟が破られたとき、世界は「人」で溢れたあのころに戻る。人が人に自らの「悪」の印をつける時代が、故に息子と共に土砂流に巻き込まれた、これで俺が死んで息子が生きればそれでいい、そう思った。目が覚める「う…?」息子はすやすやと寝ている。そして「勇者」の一人が目の前で…子供泣きしていた「お、おきた?」さっきまでへらへらしていたよくわからない勇者が急に大泣きしてそんな事を言うもんだから「は?」と言ってしまった。「おきたああああああ」ぎゅうううううううう…ってだきつくなああああああああ!!;;なんだこいつ!?;;勇者じゃないの…いや…強さは勇者に違いない、じゃあなんなんだこいつは!?「クライ怖いクライ怖いクライ怖い(略)」たしかに人間の目には真っ暗な暗さだな「お前…誰に向かって抱きついてやがる!?//」「アークだよ!!;;」びえええええ!!よけい泣かせてしまった;;え?いや魔王だから泣かせるのは当然じゃ…あれ?…こいつも土砂に巻き込まれたのか?こいつの力量(速さ)なら当然交わせた筈だ、何故…「ふぎゃああああ」「あ!!いいこいいこ」「だぁ♪」何いいいいいいいぃ!?息子は勇者に撫でられている、そして機嫌がよくなる。いままで絶対的になかったであろう光景。「魔王なでる勇者なんて…聞いた事が無い…」「アークもなでてほしい?」「はぁ!?;;///」なでなで、な、え、あ、う、…は?ええええ!?;;「お前…魔王をなんだと思ってるんだ?」「魔王?モンスターの頂点」「だったら!!」「だったら?」なでなで「それを…」奴は笑った。「本当は何か事情があって魔王なんでしょ?」「!!…」「もぅこんな辛い事やめなよ?ね?」それを聞いた俺はこの50年という物がなんなのかを答えた。「…」「どうだ、コレが理由でも止めろと言うか?」「言う」「…なぜだ」「だってそれじゃアークが今日死ぬ事になるもの」「……いいんだよそれ」「よくない」「…この状況でどうやって出るんだ?」「出れる、その50年のシステムを完成させなきゃ、でしょ?」そういうとキリノは息子の頭を撫でた…そうか、こいつだけは助け「アーク、君を助けたい」「は?」「皆一緒にでよう」「助かる方法があるみたいな言い方だな」「あるさ」その時天井が赤くなった。「アークの仲間はアークが好きだから」さめては赤くなり、さめては赤くなる「封印してあげるよ、そのふざけたシステム…風刀流奥義…天殺!!」キリノの天殺は天まで届く刃、分厚い天井が壊れる。仲間に引き上げられて笑う、皮肉なもんだ、父を殺した技で助けられた。しかも殺されたその日に。「ごふっ」「!?」キリノが血を吐いて倒れた。思い返せば腹には俺がやった刺し傷がある。「こいつ…どうしま」「助ける」その自分の答えと共に見えた青空、初めて見る青空、キリノは魔王城で目をさまして…他の奴らが大変だ…そして5日後「なぁにぃ?まだ0才の息子がいてかばって死ぬ気だったあ!?なんていい奴だ!!」「兄貴のダチはきれねぇ」「この馬鹿がお世話になりました」「キリノがいうなら」「キリノがいうんじゃしょうがない」どゆこと「なんで納得できるんだ?」「「「「「だって…泣き出したら魔王どころじゃない」」」」」たしかに。あれじゃ泣かせられないよなというか泣くなよ… それから三年 「魔王様、笑ってるぜ今日」「何かいい事あったのかしら」…いい事か、三年前の今日の出来事を思い出しただけで口元がゆるむんだ…ザー、上から雨、「へっへーん成功だぜ!!」「やめなよダクウ~」正確にはバケツの水「お前等…いいかげんにしやがれぇ!!!!!(怒)」「へっへ~んにげるぞ白星!!」「僕も!?;;」「いいからきやがれ!!」二人はすぐさまどこかへ、一息つき…笑った
やっと過去編の一人目、最もこの人(人じゃないけど)が短いです