占城条:(占)第五節~第六節
五、移治国四年、靺城王「凱」死。移進兵于耀水。三月築堰。然後命兵毀之。水忽流下、浸靺城。靺城尽没水、民衆溺、亡靺城。六十城皆従占城。靺城民、爾後不留一所、行商。
五、移治国四年、靺城王凱、死す。移、耀水に兵を進む。三月堰を築く。然る後、兵に命じてこれを毀つ。水、忽ち下に流れ、靺城を浸す。靺城、尽く水に没せば、民、衆く溺れ、靺城、亡ぶ。六十城皆占城に従ふ。靺城の民、爾後一所に留まらず、商を行ふ。
五、移が国を治めて四年。靺城王の凱が死んだ。移は、(靺城のある)耀水に兵を進めた。三か月かかって堰を築き、その後兵に命じてこれを壊させた。水はたちまち下流に流れ、靺城を水没させた。靺城はことごとく水に沈んだので、民のおおくはおぼれ、靺城は滅亡した。靺城の民は、その後一か所に留まることなく行商を行うようになった。
六、移改上下制。則区城、王城、上城、中城、下城、支城。則民、大士、上民、中民、下民、奴婢。
王城占城耳。民在大士、上民、中民、下民、奴婢。
上城又曰鼈城。十城之也。民在大士、上民、中民、下民、奴婢。城令大士。
中城又曰蛇城。靺六十城中、大丗之也。民在上民、中民、下民、奴婢。城令上民。
下城又曰鰻城。靺六十城中、小丗之也。民在中民、下民、奴婢。城令中民。
支城又曰魚城。非城族邦之也。民在下民、奴婢。城令、王遣城族治之。
六、移上下制を改む。則ち城を区して、王城、上城、中城、下城、支城。則ち民、大士、上民、中民、下民、奴婢。
王城は占城のみ。民に大士、上民、中民、下民、奴婢あり。
上城は、また鼈城と曰ふ。十城これなり。民に大士、上民、中民、下民、奴婢あり。城令は大士なり。
中城は、また蛇城と曰ふ。靺六十城の中、大たる丗これなり。民に上民、中民、下民、奴婢あり。城令は上民なり。
下城は、また鰻城と曰ふ。靺六十城の中、小たる丗これなり。民に中民、下民、奴婢あり。城令は中民なり。
支城は、また魚城と曰ふ。城族の邦にあらざるがこれなり。民に下民、奴婢あり。城令、王が遣して城族、これを治む。
六、移は、上下の(身分)制度を改めた。すなわち城を区別して、王城、上城、中城、下城、支城。民は、大士、上民、中民、下民、奴婢である。
王城は占城のみであった。占城には大士、上民、中民、下民、奴婢がいた城令(知事)は大士身分の者であった。
上城は、別名を鼈城という。占城(に最初に従った)十の城がこれにあたる。住民には大士、上民、中民、下民、奴婢がいた。城令は大士である。
中城は、別名を蛇城という。靺城(に従っていた城)のうち、規模の大きい三十の城がこれにあたる。住民には上民、中民、下民、奴婢がいた。城令は上民の身分の者であった。
下城は、別名を鰻城という。靺城(にに従っていた城)のうち、規模の小さい三十の城がこれにあたる。住民には中民、下民、奴婢がいた。城令は大中民の身分の者である。
支城は、別名を魚城という。城族ではない国が従えば、支城となった。住民には下民、奴婢がいた。城令は王が派遣した者が就任し、土地を治めていた。




