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告白したい




リックとクレアとの話が一通り終わると、リリーがそろそろお時間です、と帰宅を促す。



「きちんと話せて嬉しかった。クレア、またお茶してくれるかしら?」


勝手な思い込みによりそっけない態度を取ってしまったのだからお礼がしたい。私のうちに招くのもいいかもしれない。


「もちろん!今度は二人きりでぜひ!」

クレアは本当に嬉しそうにそう答えてくれた。


「帰りは送ってもいいだろうか?」

リックの提案に私はさっきの愛の言葉が頭に浮かび、この状況で馬車に一緒に乗るなんて緊張で死にそうだわと思い断ろうとする。


「せっかくだけど、うちの馬車で来ているから…。」

「いいえお嬢様、その馬車で私が帰りますのでご安心ください。ガネル様、お嬢様をよろしくお願いいたします。」


とリリーが食い気味に了承してしまった。


「ああ。責任を持って送り届けよう。」


どうやら私はリックの馬車で帰るしかないらしい。



 

クレアと別れ馬車に乗り込むと何とも言えない空気が漂う。


「誤解させるようなことをして本当にすまなかった。」

「い、いや、もういいのよ?誤解だってわかったのだし…。」


何よりクレアがリックのことをはっきりと散々切り捨てているので二人が恋仲だなんてもう見えなかった。


「ああ。俺は正真正銘君だけを愛している。」


甘い空気に私はどうしていいのかわからなくなる。


「えっと、どうしたの?いつものリックらしくもない…。」

「君にははっきりと言葉にしないと伝わらないのだと今日改めて痛感したからな。君が俺のことを愛しているといってくれるようになるまで頑張って口説いていこうと思う。」


もう!本当に!どうしたらいいの!?

こんなにもはっきり宣言されて恥ずかしくならないほうがレアな人種だと思う!

私は真っ赤になりそれ以上何も言えなかった。



自分の部屋によってからお風呂に入る。

一人になると自然にいろんなことが頭をめぐる。


「いや、もしかしなくてもこれは両思いというやつでは!?」

私もリックが好きで、リックも私のこと、その、愛しているといってくれたわ!これはもう完全に立派な婚約者じゃない!?婚約破棄の可能性なんてぶん投げてもいいじゃない!何より言い出した私はもうリックと結婚したいと思っているし、リックの方も問題がないってことだから。



それをどう言うかよね…。



お風呂から上がってもまだうまく考えがまとまらない。その時


「ベル!私の可愛いベル!今日は買い物一緒に行けなくてごめんね。」

お兄様が申し訳なさそうに部屋に入ってきた。


「お兄様!いいの、お仕事お疲れ様。あ、あのね、相談があるんだけどね、」


家族に話すのは少し恥ずかしいけれどお兄様は優しいし頭が良いからきっといい答えをくれるはず。


「リックと両思いみたいなんだけど、それをどう伝えればいいと思う?リックの方はね、真剣な顔で私に愛していると告白してくれたの。だから私も思いを伝えて婚約破棄だなんて勢いで言ってしまったことを謝って正式に恋人っていうか、婚約者として隣に立ちたいの。」


私がここまで言い切りお兄様の顔をそっと覗くと、何とも言えないような顔をしていた。


「私の…可愛いベルが…私以外の男と?それもあのパトリックと両思い??嫌だ、信じたくない。嫌だ!!」

「えっと、お兄様?」

「ベル!」


ブツブツと一人で何かを言っているお兄様に声をかけると肩をがしりと掴まれる。


「ほんっとうにあの男でいいんだな?ベルなら今後どんな素晴らしい男にも、なんならこの国の王子にだってきっと見初められるだろうけど、ほんっとうにいいの?」


「もちろん。リックがいいの。」


私の答えにお兄様はまたもや、あああああと奇声をあげながらうなだれた。

ていうかありえませんからね?王子様になんてお会いするのはきっとデビュタントの時や王家主催の夜会だけ。お兄様たちはお仕事で会うこともあるかもしれないけれど私はそんな場面ないと思う。



「可愛い妹の幸せのためなら仕方ない…。」

ようやくお兄様が落ち着いてきたらしい。


「この前用意していた刺繍は渡せたの?」

「いいえ。勇気が出なくって…。」

「じゃあそれを渡して、言葉でも伝えるのが1番なんじゃないかな?結局のところストレートな愛情表現に勝るものはないと思うよ。」


まあベルに愛してるなんて言われて嫌な人なんているわけないしね!ましてやパトリックだしね!と微笑みながら答えてくれた。


たしかに今日刺繍糸は無事買えたし!というかリリーがいつの間にか買っていてくれたんだけれど、せっかくだから彼の色である黒でイニシャルを刺繍したハンカチを贈ろう。

そして勇気をだしてリックがしてくれたように愛してると伝えよう。


「ありがとうお兄様!!」

「いいんだよ可愛いベルのためだ。もしもリックに何かされたらすぐ言うんだよ私が懲らしめてあげるからね?」


…お兄様が懲らしめると言うとなんていうか、怖い。


読んでいただきありがとうございます。


物語あと数話で完結予定です。


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