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私とお兄様


家のことはどうにもならないっていうか、どうかなって欲しいわけじゃないからやっぱり手っ取り早いのは他に好きな人を作ることかしら?


ていうか、リックは好きな人いないのかな?


実のところリックはかなりモテる。


公爵家の嫡男で、顔は整っているし、学園にいた時は成績常に上位

おまけに剣の腕もピカイチという文武両道。


今はセヴァリー公爵のもとで領地管理などについての勉強をしているらしい。


しかし今の所、彼とどこかの令嬢の噂を聞いたことはない。

一応婚約者がいるからときちんとしているのか…。


だったら尚更早く婚約を破棄してしまえば好きな人を作って恋愛したりできるはずなのに。


部屋の中でぐるぐる考えていたらドアをノックする音が聞こえた。


「ベル、入ってもいいかな?」


そう言いながら入ってきたのはお兄様でありアンカーソン公爵の嫡男、サイモンだ。


「お兄様!今日は休日なのですか?」


普段から父のもとで勉強しているお兄様は日頃忙しくなかなかゆっくり話すことができない。


「ああ。今日は休みだから可愛い私のベルと過ごそうかと思ってね。街にできた新しいケーキ屋さんでも行くかい?」


お兄様はとことん私に優しく可愛いって毎日のようにいってくれる。


まあ正直シスコン気味ではあると思うけれど、大好きなお兄様だ。


「いいの!?行きたい!」


そう身を乗り出した私を優しく微笑み頭を撫でてくれる。


「じゃあ支度しておいで。私は下で待っているからね。」


そう言い部屋を出て行くお兄様を見送り私は早速身支度を進める。


「私結婚するならお兄様みたいな優しい人がいいのよねえ。」


思わずこぼす私にリリーは微笑む。


「サイモン様はお嬢様のことが大切で仕方ないご様子ですものね。その言葉を聞いたらきっと飛んでお喜びになりますよ。相変わらず仲がいいですねえ。」


まあつまり私も大概ブラコンということだ。

なのでお兄様のように優しい人がタイプなのだ。


俺様タイプは断じて違う。



身支度を済ませ下に降りるとお兄様が両手を広げて待ち構えてくれた。

いつものことなので私はお兄様の腕の中に飛び込む。


「あああ〜!かわいい!私の妹は天使なのか!?」

と悶えているお兄様もいつものことなのでスルーしつつ

「早くケーキ行きましょ!」

と促す。


馬車に乗り街の入り口まで向かう。

お兄様にエスコートしてもらい馬車を降りるとそこには会いたくなかった人たちがいた。



いや、正式には会いたくなかったのは一名だけど。



「相変わらず兄離れができていないな!」




うげっという顔をした私をどうか許して欲しい。



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