1.
今日はみんないつものボロボロの服じゃなくて、少しいい服だった。
院長はいつもより気合が入ってた。
なんでも、貴族の代理の人が訪問するらしい。
しばらくすると、その人が到着したらしい。
見たこともない立派な馬車。キラキラしてる。
その馬車から、執事みたいなカッコいいおじさんが降りてきた。
「ようこそ我が院へ、ラルフ様」
「お邪魔します、アルスター院長様」
「歓迎いたします、談話室へご案内いたします。どうぞこちらへ」
「いえ、本日は子供たちに会いにきたのですみませんが、こちらで大丈夫ですよ」
「そうですか、是非ともお話ししたいと思っておりましたんですけど。」
「それはまた次の機会にということで」
そういうと2人はこっちに向かってきた。
そのラルフ様と目があった。
うわ、近くで見ると本物の執事だ。
でも、そのラルフ様は私の顔を見て目が溢れんばかりに丸くなっていた。
どうしたんだろうと思ってたら話しかけられた。
「君はなんでいう名前かな?」
「ソフィアと申します」
貴族が来るからと失礼のないように言われていた挨拶を言った。
「何歳ですか?」
「今年で3歳になります。」
「3歳なのにちゃんと挨拶ができて偉いね」
カチン・・・コチン・・・
前世でも今世でも褒められたのは初めてだからどうしていいか分からなくて固まってしまった。
「あ、ありがとうございます」
後ろから院長に睨まれてとりあえずお礼を言った。
今夜は叱られる。
そう思ったら怖くなって体が震えてきた。