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#75 地下迷宮15階層 妖精ピピのお願い


ミロに罠内に30mの石階段を作って貰いアベルと夜刀姫と騎士達は穴底に降りて、胸部が穴だらけの25t青銅製巨人を収納庫に収納した。


その後、夜刀姫が土壁にめり込んでいた炭化タングステン短槍7本の石突きを握り土壁から引き抜いて騎士ゴーレムたちに返した。


地上に戻り浮遊板上のメンバーに誘って言った。

「午後もあるのでそこの出口洞窟で昼食にしませんか」


「出口洞窟でおいしい昼食を食べて気分を切り替えるにゃ」

 浮遊板上のメンバーの賛同が得られたので、浮遊板で出口洞窟に向かった。


出口洞窟に入ったアベルは収納庫から食事セットを取り出した。

木製テーブルと長椅子を出して昼飯タイムに移行して、さらにパンと果物と肉料理とスープの寸胴鍋を取り出して深皿に盛り付けてスプーンとホークを人数分セットしてチーム全員の昼飯となった。


もちろん冷却した水瓶とマグカップもテーブル上には人数分出してある。

隅にはトイレセットも忘れずに、衛生・調理系の排水は全てスライム付き排水槽まで配管を配置した。


もうこれは定番のMP容量の大きなスー魔導師が慣れた仕草で”結界”を洞窟入り口に張った。


着席した8人はいつものお気に入り席に座っている。

6人の騎士ゴーレムは席に座っている8人の従者に徹している。

調理場に1人、配膳に2人、給仕に2人、洗い場に1人立っている。


夜刀姫は洞窟ホール全体が見える位置に立って周囲を警戒している。



ふっとアベルは呼ばれた気がして洞窟奥を向いたが、洞窟ホールの奥で小さな妖精2人が銀粉を撒き散らかして飛び回っていた。

アベルは洞窟奥の妖精2人の所まで歩いて行き

「いたずら好きのピピさん、お久さ~」

「やあ…え隊長さん? 」


アベルは妖精に偏見を持たないので妖精が見えたのか。

「ねえ、妖精さん何か僕に伝えたいことがあるの? 」


「賢いね、じつは竹林で捕まっている剣虎の子供は僕の友人なの」

「ああ、竹林の空き地で剣虎の大人2匹と子供3匹だったね」


「子虎3匹のうち末のシオンちゃんと友達なの~放して欲しいな」


「これは人族との取引だからピピは何か上げるものがあるの? 」

「え~ルルは厳しいな」


しばらく飛び回った妖精は決心したらしく

「空き地で捕まっている剣虎家族5匹を解放してくれたら、17階層の召喚獣になって妖精使役の契約を結んであげる」


「魔獣召喚なのに妖精と契約できるの」

「うん、妖精は上位種だから問題ないの」

「出来るんだ」


「召喚は契約したら生涯契約だからね、ピピにしてはよく決心したよ」

「友達のシオンちゃんのためならピピがんばるの」


「狩るのは友達のシオンちゃんの家族以外ならいいわけね? 」

「うん、シオンちゃんの家族以外ならいいよ」

「よしその話受けた、俺も捕まっている子虎3匹は気になってたよ、俺はピピの願いを受け入れる」


「契約の時はシオンちゃんの家族を解放して、ガーゴイルクエストをクリアすれば妖精使役の契約が出来るのが分かるからね」

「ああ了解した」


 ガーゴイルクエストをクリアして召喚スキルで呼べる魔獣の視力嗅覚よりは高次元の妖精使役の方が多様な能力が使える。


妖精ピピは好奇心と霊感が強く何処にでも出没できる"覗き屋ピピ"が二つ名だ。

戦闘力は皆無だがガールフレンドのルルも付いてくるお得セットだ。



◇◆◇



妖精たちも消えてメンバーの昼食も終わり、再び浮遊板に乗ったアベルたちと騎士たちそしてゴーンたち15人が竹林での剣虎クエストに出発した。


やはり空き地の剣虎家族5匹の成存が気になり真っすぐに空き地に飛行ルートを取った。

全員には妖精ピピの願いで捕まっている剣虎家族5匹を解放することは話してあった。


浮遊板の高度は竹林を越える30m程の高さで、時速は10㎞の速さだ。

眼下の竹林は鬱蒼と茂っており中々空き地の剣虎の姿は見つけられない。


やっと竹林中の草原で土中にグッタリと埋まる5匹の剣虎家族を発見した。

高度を30mから10mに降下して上空からミロ魔法使いが土罠を解き地上に戻して体の浄化も掛けて綺麗にした。


5匹の剣虎家族は慌てて逃げ出した、浮遊板を着地すると騎士ゴーレムたちが手槍を構えて降りて周囲の捜索が始まる。


騎士ゴーレム6人は板から散開して周囲からの魔獣侵入に警戒している。

しかし空き地周辺の魔獣は剣虎家族の咆哮で逃げ去り、捕捉出来た5匹以外の剣虎の姿は見当たらなかった。


「ではこの捕捉した剣虎5匹を仕留める順番は暗視持ちのミー・ジェン・ゴーン・夜刀姫は除いたメンバーが順番を決めてやるにゃ」


「残った5枠は騎士ゴーレム6人にやらせますか」

「騎士ゴーレムを作ったアベルが決めるにゃ」

「了解です」


 捕捉した剣虎5匹を仕留める順番はスキル持ちを除いて、スー・アベル・タマル・ミロ・クロエの順番で剣虎を刺殺して無事暗視スキルを取得した。



◇◆◇



「残った5枠の指示を騎士ゴーレム6人に指示を出します」

「後学のために見学しているにゃ」


ミーナたちは浮遊板に乗り込んだままこちらを見ている。

アベルは騎士ゴーレム6体を一列に整列させて述べた。


「装備の確認をする、新手槍は破損してないか腰バックの容量は充分にあるか」

「異常ありません」


「ではこれから今後の方針を伝える、騎士ゴーレムの6人は昼間の付与クエスト時にはチームメンバーの安全確保を第1に行動すること」

「了解しました」


「騎士ゴーレムの強化とメンバーのクエストが競合する場合には、騎士の召喚目的を優先して、昼間はメンバー8人が付与スキルを得るのを警護しよう」

「了解しました」


「と言っても13階層から14階層の付与クエストは召喚以前の話なので、11日目のメンバーの睡眠時間を利用して俺が案内するから付与クエストをやろう」

「了解しました」


「15階層の付与クエストはこれから騎士ゴーレム6人だけで剣虎を1人1匹狩ろう、付与漏れの人は後日フォローする」

「了解しました」


「注意事項だが竹林の空き地にいた5匹の家族は倒してはいけない」

「解放した5匹についてはマーキングしてありますので大丈夫です」


「流石に風隊長だ、よろしく頼む」

「了解しました」


「俺はこれからパーティー員を16階層の入り口洞窟に案内してキャンプを設営する」

「了解しました」


「では明日の朝食時間までに16階層の入口洞窟ホールでキャンプしている俺の所まで降りて来ること」

「了解しました」


アベルは騎士ゴーレム6人が風隊長を先頭に隊列組んで竹林の中を剣虎狩りに出発するのを見送った。


「なるほど、あくまでも余暇の時間で騎士達のレベル上げするつもりにゃ」

「SP隊員をVIP警護中に訓練はないですよ」


「SP?VIP?にゃんのことにゃ」

「SPは警護する騎士のことで、VIPは招待した客人のことかな」

「アベルは時々訳の分からない言葉を使うにゃ」


 アベルは再び浮遊板に乗り込んで全員を15階層出口洞窟前まで輸送した。

話し合いで16階層まで階段洞窟内を歩いて16階層の入口洞窟ホールで宿営セットを出してキャンプを張った。


明日の朝食時間までに16階層の入口洞窟ホールでキャンプしているアベル達の元に15階層から騎士ゴーレム6人が到達するのを待とう。

10日目の夜は16階層の入口洞窟に到着してキャンプ設営した。


今夜はここで野営して11日朝食後から16階層のハーピー10匹の"危機感知"クエストに挑戦して昼食に入り、そのあと陸亀狩りに入ることになる。

16階層奥の陸亀狩りでは甲羅がダマスカス鋼でそのまま

ドロップするそうだ。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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