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#26 ヘテ村主催の歓迎会と収穫祭



「長旅お疲れ様です、クマリの人々を歓迎します。そしてヘテ村の収穫祭を今から開催いたします!」


 村娘姿のアリス村長の開催宣言に村の中央広場に集まった村人や難民などの群衆が大きな歓声を上げた。


 アベルのコンテナハウスの5色の魔法ランプも飾り付け盛り上げた。


 この島では少なくとも働く場所があるし、生活する家もある。

 むしろ人手は少ないくらいだ!


 島の5ケ所の特色のある集落ではやることが多すぎるのだ。

 組織や生活用品などゼロからのスタートだが、人々の顔は明るい。


 迫害する兵士もいないし、安全に生活する場所がある。

 子供たちも駆け回っている!


 これから畑を増やして家畜をふやして漁獲高をふやす、家具だって様々な物を作りだす。


 この島の資源はこの島で消費する限り採掘許可はある。

 さあ、今宵は船旅の疲れを野菜畑と大型帆船の魚介類を盛大に食べて飲んで慰労して、出会いを祝おう!


 アムル人のヘテ村民274人とクマリからの難民893人の合計1167人が、この島の新住民として団結して頑張ろう!


 アベルの時空間収納庫にある帝都購入したエールの樽やブラックボア肉も市場で買い入れた根菜類と炒めて大皿で多数出してある。


 むろん獲れたての魚貝類もパンと共にテーブルに山盛りだ。


 ここは特設宴会場のヘテ村広場であった。

 あちこちのテーブルからも談笑の声が聞こえる。


 遠洋漁業から帰った魚民たちの慰労も兼ねているのだ。

 ミーナが抜け目なく陣取った魚のテーブルでアベルたちも始めた!


 隠し砦から連れ帰ったダンカもワインを飲んでいる。

 この歓迎会兼収穫祭はメンバー全員強制参加です。

 隣の席からドワーフやエルフたちが覗いている!


 帆船に乗せたクマリ難民の中には様々な獣人も混入しましたがそれでいいのです!


 野菜畑から取れる果物や海から釣れる魚貝類そして村特産のワインや葡萄などもテーブル上に盛り切れない程ある。


 エルフは菜食主義だけれどドワーフは魚や肉も食べてくれる。


 先日の飛行船爆撃でナドウ王国は大混乱になったらしく避難民たちは興奮していた。


 噂だがエビノ遠征軍3000人は全滅したらしい、ナドウ新王は爆撃日に他の村視察で近衛兵1000人を引き連れて不在で助かったらしいとの伝聞情報だ。


 ただ取り巻きの裏切貴族達は家族ともども全滅したらしい。

 そんなナデシュ半島に避難民の生活する場所も援助する組織もなく。


 この島での今後の生活に人々は希望の灯を見出していた。


「わあ、おいしいにゃ!」


 ミーナの感嘆にアリス村長は笑う。


「取れたての大黒魚は煮ても焼いても生でもいけますよ!」


 アベルが見ると本マグロじゃねえか!

ミーナは美味しさのあまり唸りながら食べている。


 こちらにはサザエの焼いたのもあるし、イカと野菜の煮物もある。

 ミーナも楽しんでいる、テラもスーも初収穫のワインを飲んでいる。


 鳥の胸肉や森のソースの旨味を含んだ肉厚なキノコ、海の潮の香りのする大きな貝柱にあう芳醇なワイン。


 香草の添えられた茹で上がった全長80㎝もある大きな鯛みたいな魚、アイラたち3人娘はよく飲み、よく食べている。


 アベルはこの人々の希望を確かなものにしようと決意した。


 今後の会議には難民代表も入れなければ公正ではない。



 ◇◆◇



 魔王島会議の構成員は、アベル偽王、アイラ王女、テラ神官、スー魔導師、ダンカ鍛冶師、ミーナ情報担当、スフィ巫女、アリス村長、ヨセフ難民代表の計9人となった。


 警護員として夜刀姫がドア横に立っている。


 「クマリの人達からの話では今回の爆撃でエビノ遠征軍3000人は全滅して、ナドウ王は視察で近衛兵1000人と共に難を逃れたとの複数人からの聞き取りです。島として今後の対処方針を検討議題にあげたい」


 「当然、在野に雌伏している元クマリ近衛兵1000名を糾合してナドウ打倒軍を攻撃するべきです」


 「ヘテ村としては、外征でなく造船所での新造魚船や魚網魚具の生産のほう、農業用治水事業の用水路も気になります」


 「避難民の私たちが言うのもなんですが、妻や子供たちの生活環境や収穫までの食料確保そして新村の井戸や仕事に使う道具が充分に手に入るのかも気になります」


 「アベル企画書の兵器は技術が追い付かん、揚陸艇も見たがあれでは外洋渡航できない。根本的な計画見直しが必要だ」


 「どんな箇所がダメなんだ、指摘してくれ」


 「まずミニエー小銃だが撃鉄や雷管が出来てないぞ、四斤山砲なども接地信管が出来てない、綿火薬もない」


 「上陸揚陸艇は母船から揚陸の際に使用する近距離渡し船ぞ、3000㎞の外洋であの小さな平底船では無理がある」


 「黒色火薬の技術では今の火縄銃やナポレオン砲が限界だ」

 「知らなかった」


 「元クマリ近衛兵1000名に火縄銃やナポレオン砲を装備させて反ナドウ軍として挙兵するのが王道ぞ」


 「あの無差別爆撃を見て確信しました、アベルさんのスキルは世界会議で使用禁止にするべき禁忌の呪法です」


 「ならばクマリ軍の技術担当は俺がやろう、アベルはダン侯爵窓口で帝室とウルク大陸担当だ」


 「そうね、今後の新担当を発表します。クマリ難民窓口は私がやります。ナデシュ半島担当はダンカ殿に、ウルク大陸担当は偽王とスー魔導師に、島の温泉保養所担当はテラ神官に、島の農業開発担当はスフィ巫女に一任します」


 「新しい変更担当の方が私のウルク大陸での大活躍が近づきそうね」


 確かに組織対応ならこうなるな、やり過ぎたアベルは納得した。


 アリス村長もヨセフ難民代表も特段反対しないことは、この新体制で納得したということだ。


 「では隠し砦の地下工場はなにを生産しましょうか?」


 「半島の技術工ゴーレムと建築工ゴーレムには新クマリ軍の兵器や軍需品生産と道路港湾整備そして国境の壁や関所などの建築の生産工場をやって頂きたい」


 「了解しました」



 ◇◆◇



 アイラ王女の警護役ジェン・フォックスと島のテラ治癒院で活躍するナタリア・ウーゴ2名のステータス紹介です。


【ジェン・フォックスの紹介】


 ジェン・フォックス12歳は希少スキル空間ブロック持ちです。

 跳んでくる矢や魔法を空中に見えない壁を造り防ぐ能力のあるアイラ王女の護衛役です。


 名前 ジェン・フォックス

 年齢・性別 12歳・女性  (ノルデア暦520年7月1日誕生)

 種族     狐人(九尾族)

 職業 ・ランク   探索人(E級)

【鑑定石ではここまで表示される】


 ユニークスキル: 時空魔法(空間ブロック・空中歩行・9層ブロック)

 ノーマルスキル: 索敵・罠感知(狭域透視・霊視)・変身・夜目

 生活スキル:   水魔法・風魔法・土魔法

 派生スキル:   木の葉隠れ(疑似迷彩)・縮地(初級)


【ナタリア・ウーゴの紹介】


 ナタリア・ウーゴ6歳は帝都への難民で生き倒れ寸前に奇跡的にアイラ王女たちに拾われてテラ神官に師従して治癒師となりました。島の健康管理に大活躍します。


 名前    ナタリア・ウーゴ

 年齢・性別    6歳・女性  (ノルデア暦526年12月31日誕生)

 種族      人族(クマリ人)

 職業 ・ランク 治癒師(E級)

【鑑定石ではここまで表示される】


 固有スキル:治癒力(聖力)聖域力(接近拒否・認識阻害・精神安定)

 スキル:上級魔法 水属性1(心の癒し・傷再生・

洗浄)

     生活魔法(火属性・水属性・風属性・土属性)





 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



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