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#12 月光でオーガロードと死闘



 三日目の正午になり問題の国境砦の見える山麓に到着しコンテナユニットを設営した。

 軽食を食べ、夜になるまで仮眠を取ろう。疲労は夜戦に大敵だ。



 設営後に、コンテナユニット・厩舎・車庫周囲に環付き鉄杭と魔鋼細線や木槌を使い、茂る草叢に隠れる様に鳴子代わりに魔鋼細線を地上30㎝に張り巡らした。



 普通に触るぶんには安全だが、馬の匂いで狩る気で走り込んでくると足切断の罠になる。

 これは夜刀姫不在になる今夜だけの狼そしてオークやコブリン対策だ。


 夜になり馬丁のギルさんに起こしてもらった。


 今回馬車と馬とコンテナユニットはベースキャンプとして麓に残して、馬の世話をギルさんに任せて、夜になりアベルはクロスボウを構えて、室内でも振り回せるトマホークを握った夜刀姫と登山路に入った。


 頂上付近の砦に火の灯りはかすかに見える、良い目印になる。


 夜刀姫は途中の山道で先に見つけた見張り役のオークを4匹程始末した。

 月明かりは有り、ノロノロと2匹のペアで歩きまわるオークの首を落とすのは簡単らしい。


 4時間程で尾根路に出た。この獣道を登れば砦の裏側に出る。



 月明りで身を隠すのは大岩しかない。砦に近ずく程オークではなく巡回するオーガが多くなる。

 また6匹程肌色が赤銅色のオーガが巡回でやってきた。



 岩影に隠れて横から夜刀姫は跳んでトマホークで6匹のオーガの角付き首を枯れ木を切落すように前面の地上に落とした。


 なんの問題もなく、首を消失したオーガ達は肩を蹴られて前のめりに倒れていった。


 山道はハッキリと月光で見え、オーガの肩の上で次々と跳ぶ夜刀姫の姿が美しい。

 倒れている6匹のオーガたちの死骸は空間収納庫に入れて騒ぎの元を消した。


 戦闘時間はそれ程でもない。まだオーガロードにアベル達の位置は感知されてないはず。

 このまま岩伝いに進む。尾根に近づくと隠れる岩が少なくなる。

 夜の弓矢は歓迎しないから、再び、砦に向けて姿勢を低くして登り始めた。


 廃砦は重なり合う峰の1つの頂上近くに造られている石造りの小さな二階建砦だった。


 やはり1筋の牽制する矢が飛んで来たが気配を消して岩影に隠れた。

 徘徊する夜の獣と思ったのか、騒いだ声は上がらなかった。


 侵入路は見張りのいる砦の屋上からにしよう。夜間の矢は願い下げだ。

 砦の裏手に廻り、大岩の足場が砦の屋上に近ずいている場所があった。


 砦は完全な山頂でなく9合目ぐらいにあり、山影で強風を防いでいる配置だ。

 攻略入り口はやはりあるな。屋上に1匹の見張り役オーガの姿が見える。

 アベルは頂上の大岩の足場から気配を消して射撃体勢に入る。


 そのままクロスボウでオーガの頭部を射ち抜き倒した。オーガの胴体は足元に崩れ落ちた。


 大岩から垂れる蔦が1本見えたので、階段を使わずに二階の窓につたい降りた。

 鎧窓は開いており、中に4つの寝台があり、3匹のオーガ兵士が月あかりで寝ていた。


 夜刀姫が窓から侵入してから、アベルは窓外から一番遠くのオーガの頭を打ち抜き、


残りのオーガが半身を起こした所を夜刀姫が2匹の首カットした。

 そのままアベルは二階の窓から音を立てない様に室内に侵入した。


 隣室で3匹のオーガを始末した気配で残りのオーガが気づいたのか隣り部屋の動く気配が止まった。

 アベルは寝台の後ろにしゃがみ、夜刀姫はドア横に立った。

 二人とも月光の当たらない影の部分に居た。


 隣の部屋の奥にオーガロードはいるのかな?ここは護衛達の部屋か。

 そのまま出口ドアの傍に身を潜ませて周囲の気配を窺うと、隣の部屋に二つの気配が感じられた。


 一つの気配は強大に感じてこちらを窺っている。もう一つは小さく動かない気配だ。

 オーガ達は充分に金属や革で全身を防護している。

 相手を狙うとしたら顔面とか防具の隙目を狙う以外にない。


 夜刀姫は首狙いでドアの横にトマホークを身構えて立った。

 とアベルがいろいろ考えていると、隣の部屋から大きな気配と金属鎧の音が出て来た。



 “カチャカチャ”



 この部屋に気配が近づいて来た。本人は静かに歩いているつもりみたいだ。

 アベルは一旦、部屋の闇に隠れて、クロスボウを構えて戸口を狙い集中力を高めた。



 やがて部屋のドアが乱暴に開けられると、角付き首が室内に突き出された姿が飛びこんできた。

 赤銅色の首とボルトの距離は5m程しかない、相手は背が大きくドアに頭を下げて室内に首を突き出した。



 戸口の高さは2.5m程で、廊下のオーガの身長は4mはあった。

 オーガは角首から下を青い鋼鉄のフルプレートアーマーで覆っていた。

 右手に持つ魔剣が刀身に赤い焔を纏い魔力を発している。オーガロードに決定・・・


 室内を見渡すオーガロードの頭部を素早くクロスボウで狙い、ためらいもなく発射した。

 相手の右眼孔に矢が撃ち込まれて、衝撃で膝を着き下がった首に横から姫がトマホークで斬り付けた。


 “ギャッ”


 首が下に動く中で斬り付けたせいか残念、延髄切断までには至っていなかった。

 オーガロードの左頸には斬り傷が半分赤黒く開き、白い骨と血潮が噴き出しているのは見える。


 致命傷なのは違いないがこのままだと失血症で死ぬまで長時間暴れ狂うだろう!

 瞬間に怒り狂い、室内にオーガロードは絶叫しながら押し入ってきた。


 “グオォォォォォ~!!!”


 頭は天井に擦り付けながら、右手の魔剣を振り回し始めた。

 怒りで片目玉は充血して真っ赤で寝台上のオーガの死体を斬り飛ばしている。

 アベルは次のボルトを装填しようとして、指先が震えて床にボルトを落としてしまった。


 “ガッ”


 オーガロードの左拳で横の夜刀姫が殴り飛ばされた。

 ドスンと夜刀姫の体が石壁に叩きつけられた。

 オーガロードの血潮が飛沫になってアベルの上から霧になって降ってくる。

 大部屋とはいえ月光の照らす中で床の上にはオーガ達の血脂だまりでヌルヌルしている。


 “グオォォォォォ~!!!”


 オーガロードは怒りで歯はむき出しで絶叫している。

 部屋の壁際には飛ばされた寝台4台とオーガ達の死体4体が積み上がり、倒れた夜刀姫は半身を起こして素早く右手から鉛玉をロードの顔に投的した。


 “グォッ”


 オーガロードがいきなり頭をのけ反らして両手で左眼を抑えた。

 魔剣は下に落ちる、左眼を抑えた指の隙間から血が噴き出している。

 そのまま固まっていたオーガロードがやがてゆっくりと前のめりに倒れて来た。


 ズ~ン・・・


 アベルはただ眺めていた。

 倒れた夜刀姫は立ち上がり手放したトマホークを両手に握り直してロードに近づいた。

 残心の構えで少しも油断していないのがアベルにも分かる・・・


 ザバッ


 夜刀姫が手斧でオーガロードの頸の斬り傷を再度斬撃した。


 グチャ


 延髄を切断して頭部がようやく床に落ちた・・・

 カオスだな、壁も天井も床も部屋中がオーガ達の血脂しぶきが跳び血染め模様になっていた。

 オーガロードの角付き生首も血が抜けると左右の瞳が上下に流れて、口元も筋肉弛緩して牙がむき出しだ。


 現実は美しくない・・・血だまり油地獄か。

 アベルはオーガロードの首を見てモァ~と室内に籠る血潮の匂いでえずいた。

 “オェ~ッ!”


 オーガロードの魔剣の焔も今は消えて床に転がっている。

 (どうしたしゃがみ込むな立てアベル!気合を入れろ)


 まだ隣の部屋の小さな魔力の存在は生きている。


 夜月姫に手信号で隣に移動すると送った。

 了解と夜月姫も手信号で応答してきた。


 隣り部屋の反応を伺った。


 アベルと夜月姫は部屋の出口に体を移動し油断なく隣部屋と階下の気配を窺った。


 大部屋の入り口にはまだ痙攣を繰り返しているオーガロードの赤銅色胴体がある。

 角頭と胴体は血が抜け切ったら空間収納庫に入れよう。


 この二階には隣室の小さな気配だけで、あとはない。

 魔力探知で遠くから巡回を終えて戻る気配を1㎞先で2匹捕えた。


 まだ時間があるから隣の部屋の様子を見てみよう。

 小さい気配は子供かも知れない。

 こんな時にオーガでも子供は斬りたくないな・・・



 ◇◆◇



 血抜きのすんだ兵士3体とオーガロードの胴体と首と魔剣を空間収納庫に入れると、そっと部屋を出て、夜刀姫も向かい側に立ちアベルが隣の部屋のドアを静かに開けた。


 オ~ッ!


 大きな部屋で貴族用ベッドが一つあり、部屋の隅に小さな鉄の檻がある。


 デイアンドル姿のエルフの少女が織の中に閉じ込められて蹲っていた。

 衣服は前開きで袖なしの深緑の胴衣と白い半袖ブラウス、緑のスカートと薄緑のエプロンと革靴を履いていた。


 アベルは思わず苦笑いした。

 いくら異世界でもオーガロードのペットが民族服姿のエルフだなんて、想像の斜め上だ。


 クシャクシャの緑の髪に大きな水色の瞳をしている尖った耳の小柄な痩せたエルフの幼女だった。

 麦わら帽子を小さな手で掴み震えているエルフの少女がアベルを睨んでいた。


「助けてくれるのでしゅか? 」


 エッ、いま、舌噛まなかったか?

 突っ込むと余計に怒りそうなので、夜刀姫に合図して鉄檻の鍵をひねり壊して扉を開けると、エルフ少女はモゾモゾと這い出してきた。



 左肩に紐で掛けている大きな移植ごてが足に絡まっており、

 右肩には水色の小さなポシェットがクロスして掛けている。

(幼稚園児に見えなくもないな)


「オーガロードは倒してくれましたか? 」

「ああ、オーガロードはあの世に送ったよ」


 エルフ少女は瞼を閉じて涙を1粒ツーとこぼした。


「母さん! あ、ありがとうございます、あのオーガは

母の仇です。私はスフィといいます」


「俺はアベルでこちらは夜刀姫だよ、よろしく。さあ1階に降りないと、巡回中のオーガ2匹が帰ってくんぞ」


「ちょっと待って下さい、母の形見がこの部屋にあるので探したいのですが! 」


「分かった、早くしてね」


 スフィは頬を膨らませて部屋の隅を探していた。

 よく見ると美人顔だが喜怒の表情変化が激しくて損しているな。


 目的の物を見つけたようでスフィは部屋の戸棚から植物図鑑を取り脇に抱えた。

 分厚い手書きの本とは、緑色のデイアンドル服と合っているか?



「これは私の母の遺品です。あいつに取り上げられたのです! 」


「そうか、では下の1階で残りのオーガを片づけてから出発だね」


 巡回のオーガ2匹がもうすぐ砦に着く時間だ。

 2階から1階に静かに階段を降りて行き夜刀姫が正面ドア横に気配を消して手斧を構えて待っている。


 アベルとスフィは階段の後ろにしゃがんで隠れた。

 アベルは今回のオーガロード戦でいかに自分が戦闘に不向きなのかを認識した。


 新しいアイテムを作れても、強大な力を持つ魔物を相手にすると体が震えて脳の命令を体がいうことを聞かない、みじめだった。

 やがてドアが開き、手下のオーガの首が室内に差し出された。


「誰か・・・! 」


 “ザバ”


 横から姫のトマホークが振り落とされるとオーガの角首が床上を転がり1匹目の胴体が室内に倒れ込む。

 続く2匹目は驚きで身体が固まった瞬間にドアを夜刀姫がさらに開き、姫が1歩前に出て横薙ぎで首を床に落とした。


 偶然に落ちた入り口の床上で2匹のオーガの角首同士がご対面で見つめ合うスタイルになった。

 夜刀姫の斬撃行動に一切の逡巡は見られない。


「スゴイ、これからはご主人様と呼ばせて下さい」


 エルフの娘が叫んだ。

 オーガ砦はいつからメイド喫茶になった?


「いやだ」

「そんな、こんなオーガ砦に可愛い幼女を置いて行くんでしゅか?」


 おい・・・また舌を噛んでないか?

 それと、俺の皮鎧の端をシッカリ掴む小さい手を早く離してくれ!

 やれやれ変な少女と縁ができてしまった。


 月は何事もないように明るく砦を照らしていた。

 そうだ、付近の村々を襲撃していたのならば、奪った財宝を女伯爵に返してやろう。


 村の復興に役立つだろう、少し家探しをしてから山を下ろう。


「予定変更な、少し宝探しをしてから下山しよう」


「盗賊の財宝をかすめ取るのですか、ご主人様もなかなかですね」


「いつからご主人になった?これは持ち主に返すのだ、一緒に来れば分かるよ」


「どうだかね? 」


 なかなかつらい人生を送ってきたみたいだね、このエルフ少女スフィは。

 地下倉庫に村々から奪った血痕付きの貨幣と武器・鎧等があった。

 多量の人骨と一緒に出て来た。

 こいつらは食人種なのか、皆殺しで正解だったよな。



 ◇◆◇



 領都オースチンのローレン城に7日ぶりにアベルたちは箱馬車で戻った。


 馬車は4人用なのでスフィの荷物はすべて空間収納庫にいれて、箱馬車にアベルとスフィと夜刀姫が座り、ギルが御者席に座り、帰路の車中でスフィの身の上話を聞いた。


 箱馬車はローレン城に着き、アベルは幌馬車から降りて城門を入り、中庭で待ち構えるトリッシュ女伯爵の前に歩いた。


「アベル様、本当にお疲れ様でした。いかがでしたでしょうか?」


「閣下、オーガロードを倒しましたので魔剣や財宝をお渡しします」


 アベルは中庭に進み、空間収納庫からオーガロードの魔剣と4mの青金属鎧の死骸と角付き首級とを、取り出して中庭中央の石畳上に置いた。


 その筋肉に覆われた異形な赤銅色胴体に周囲を取り囲む兵士達からどよめきが起こった。


 “おおぉぉぉぉぉォぉォぉォぉォォォォォ~~~!”


 残りの3mのオーガ兵士11匹と2mオーク4匹の斬首死骸計15匹も隅に並べたが反応は弱かった。


 “ぉぉォォォ~”


 見せる順番を間違えた!


「その他にもオーガ達が国境の村々から奪った物も砦から取り戻してきました」


 さらに地下で発見した血跡の残る貨幣とさびた武器・鎧等が山の様に積み上がった。

 最後に食べられた跡のある多量の人骨も一緒に・・・



「この人骨はオーガ達に食われた村々の人達の骨です。埋葬してあげないと悪霊などになるかもしれませんので持ち帰りました」


「この人骨は聖職者を呼び慰霊式のあと火葬いたしましょう。あとこの貨幣等の資材も、襲われた村々の復興に役立つ様に使うことを約束しましょう」


「お願いします」



「アベル様、本当にお疲れ様でした。詳しい話も聞きたいので城内までお越し下さい」


(後日、奪還した焔の魔剣には”ガルーシャ”の銘が見つかったとのことです。)


 アベルは城中の応接室に入り、夜刀姫を背後に控えさせながらオーガ砦攻略の様子をトリッシュ女伯爵に包み隠さずに詳細に説明をした。

 オーガロードの捕囚となっていた隣りに座るエルフ少女のスフィの事も端折らずに説明をした。


「そうですか、お母さんの事といいペット扱いとは気の毒な経験をしましたね、よかったらこの城で暮らしませんか、ソフィさん? 」


 すると、スフィは思い詰めた表情で、


「母様の仇を討って頂いたご恩のあるアベル様を私のご主人様と決めましたので、今後ともアベル様についていきます」


 トリッシュ女伯爵は笑いながら


「分かります、これだけ強いアベル様のことなら女の子なら誰でもついて行きたくなりますよね」


「アベル様、今回のオーガロード討伐の功績に対して家臣や領民の目もありますので、何も差し上げない訳にはいきません。騎士爵位ならすぐにでも差し上げますわ」


 アベルはスフィの件もあり、この領都オースチンに滞在の必要性を感じていた。


「俺は冒険を続けたいので爵位はご辞退いたします、金銭もギルドでオーガ達の売り払いを許可頂けたので満足ですが、希望を言えば俺の手造りで未完成の箱馬車が収納庫に1台あり、その内装を仕上げたいので馬車製造の専門業者を紹介頂ければありがたいのです」


 トリッシュ女伯爵は、瞬間ちょっと驚いた表情をしたが、


「おお、その事は執事から聞いておりますお安い御用です。その内装費用も当方が負担しましょう」


「前回の力添えの約束も依然として、有効のままですから忘れないでくださいね」


 白い扇で口元を隠しながら薄く笑うトリッシュ女伯爵は皇帝派貴族の自信がのぞいていた。


「トリッシュ閣下、今回の救出したスフィの休養を兼ねて、馬車の内装工事が終わるまで城外の林の敷地でキャンプ設営のご許可をお願いしたいのですが?」


「もちろん滞在許可しますわ、馬車もゆっくりと修繕するように業者に命じておきますから」


「いや、それは困るので早めの修理で、お手柔らかにお願いします」


 その後、オーガロード討伐感謝晩餐会への誘いを帝都出発の前日ならば受けますと回答して今日はご納得頂いた。

 それから館から再度中庭に出て、アベルは空間収納庫から出した手造り新型箱馬車を付いてきたロッシュ執事に引き渡した。

 内装修理箇所はロッシュ執事に内部の希望箇所を示して説明した。


 もちろんここまで御者してくれた馬丁のギルさんにも感謝の気持ちを伝えた。

 一週間の討伐旅行で疲れていたので元の輓馬と箱馬車を借りた、車内にスフィを乗せた。


 若い馬も元気だし飼料もそして馬用ブラシや飼葉桶も水桶も借りてあるので、アベルは御者台に登った、すると夜刀姫もアベルの横に座った、見取りをする気十分とみた。


 スフィとの出会いがあり、再び領都での自由な時間を得たので、


 1.スフィの着替え用衣装の仕立て注文や日用雑貨品を買う。


 2.夜刀姫や俺も外出着がオーガの血潮で着替えが必要なので購入する。


 3.帝都までの食料・食材を料理店や市場で購入する。


 4.石壁に激突した夜刀姫の体ダメージを自己点検装置で測定して再調整する。


 5.スフィの精神的なカウンセリングを行いトラウマの緩和に努める。


 以上の5つがアベルの休養を兼ねた当面のスケジュールになった。





 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


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