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#10 オーガ砦討伐の準備 



 アベルはトリッシュ女伯爵から訓練を兼ねた5日間の領都オースチンでの外泊許可をもらって、城壁そばの林の中に泉があったのでコンテナハウスを出して設置した。


 当然、この場所にも女伯爵からの兵士はついて来て隠れて木の陰から監視している。

 

 アベルは林の泉の傍の草原に300㎡程度の平坦で四角い空地を土魔法で整地した。


 来週の月曜日までの4泊5日間の滞在予定だ。退去するときには剥ぎ取った草地を戻し地上排水溝や地中浄化槽も盛り土して現状回復する。



 アベルが製作したコンテナユニットは4つのモジュールユニットで構成されている。


 1つのユニットは60㎡18坪程度のオンドル兼用のH50㎝鋼鉄箱の上に構築されており、箱にコンテナハウス2棟をL字型に組み合わせて乗せて他の敷地は庭園に作られている。

 寝室ユニットは寝室コンテナ1棟と浴室ボイラーコンテナ1棟から構成されており、庭の部分の上空は藤棚で覆ってある。



 庭の端には椅子と円形テーブル1/4部分も柱と共に設置あり、4つのユニットを合わせると白いドーナッツ状のテ-ブルが椅子付きで出現する。


 今回もアベル用とゲスト用の2寝室ユニットを左右に配置した。寝室コンテナ1棟の中には2台の木製シングルベット枠がゆったりと縦に配置してある。



 実際の直前準備なので、左右2ユニットの火魔石ボイラー装置も試運転してみる。

火魔石を作動させて温めた空気を四つの鉄箱にある鉄パイプ空間に循環させてみる。


例えば、雪原で野営しても4つのモジュールユニット上の空間は常に床暖房された上にコンテナ群や庭園施設が乗っている状態になる。



 次に左下に配置したのは炊事場ユニットで、調理台・流し台・竈3口の炊事場コンテナ1棟と玄関部分と食料倉庫からなるコンテナ1棟と庭園部分と円形テーブル1/4部分から構成されている。


 なお玄関部分にはクローゼットと階段も設置されている。



 最後に右下にトイレユニットで化粧台と個室トイレ3部屋のトイレコンテナ1棟と裏口部分と飲み物倉庫コンテナ1棟と庭園部分と円形テーブル1/4部分から構成されているモジュールだ。


 全ての8棟コンテナ上部は草花テトラポットが両側に配置されており、目隠しのH1m防風鋼板もコンテナ外側に貼られている。



 アベル用の寝室コンテナの屋上にカマボコ型の自己点検装置を設置した、睡眠不要の夜刀姫にはここに躯体を横たえて、静電気除去と魔水計測をして、身体の破損状態を測定しながら夜間は俺の警護をしてもらう予定だ。



 コンテナ上部への出入りには玄関部分と裏口部分に金属製階段が設置されている。

 アベルと夜刀姫の二人は屋上から階段で下に降り、玄関部の引き戸から庭園に入った。

日光が屋上や藤棚にも降り注いで、木漏れ日で中の庭園やコンテナを紫色に染めている。


 アベルは自分用の寝室ユニットに入り、空間収納庫に手造りベット2台を収納した。

そして室内に絨毯を敷いた、その上に従者用シングルベット2台を縦列配置して、箪笥・コート掛けをベット傍にそれぞれ配置した。



 それから、天井部に屋内用大型魔法ランプを1台取り出して取り付けた。

 寝台には夏用の羽毛枕、シーツ、毛布、羽毛布団上下などをベットメーキングした。

 寝具類のパジャマや下着、ハンカチ、靴下関連は男女別に箪笥に用意した。


 アベルの寝室ユニットの内壁にはインテリアとして鉄丸盾と片手剣がベット横に飾ってある。


 浴槽コンテナでは天井部に屋内用大型魔法ランプを1台取り付けて、脱衣場に鏡台と箪笥も配置した。

 浴室との境にはタオル地のマットを置いた。

 ここの箪笥には、タオルや下着類を男女別に用意した。

 寝室から浴室に出入り口は接続してある。



 寝室の庭側の引き戸を開けて庭に出て、庭園用の色付き魔法ランプを藤棚に5台吊るした。


 夜が楽しみ!プランターもコンテナ傍に2台床置きした。草花を植えよう。

 さらに右隣のゲスト用の寝室ユニットに渡った。やることは自分用のと全く同じ作業手順だ。


 次に渡ったのは炊事場ユニットで、調理台・流し台・竈3口の炊事場コンテナ1棟と玄関部分と食料倉庫からなるコンテナ1棟とを確認した。


 建物標示は炊事の匂いで分かるだろう。

 火魔石利用の携帯コンロも製作したし、庭園のガーデンパーティーも可能だった。

あと購入した食器や調理器具などと深胴鍋や中華鍋・やかん・釜なども配置した。


 庭園部分と円形テーブル1/4部分は他と同様に配置されているモジュールだった。

なお玄関部分には外衣用クローゼットと屋上に出る金属階段も設置されている。



 最後にトイレユニットで化粧台と鏡台1台を入れて、個室トイレ3部屋の水洗トイレの排水作動を最終確認した。入口ドアにトイレの絵文字標識を張り付けた。


組み合せの裏口部分と飲み物保存倉庫コンテナ1棟とやはり庭園部分と円形テーブル1/4部分から構成されているモジュールも最終確認した。



 全ての8棟コンテナ上部は草花テトラポットが両側に配置されているのも確認した。

目隠しのH1m防風鋼板もコンテナ外側に全周にわたり貼られている。


コンテナ上部への出入りには玄関部分と裏口部分設置の金属製階段しかない。



 本格運用でコンテナハウス1m上空に鉄骨で格子状に展開する骨組みの強度確認した。

強雨や降雪時に空間収納庫から位置指定で波板薄鋼板を16枚も展開する骨組みです。

晴天日にはコンテナユニット上空は日光採取のために開放しています。



庭を展開して気付いた事は、虫除け結界か除虫草が必要だということだ。羽虫がすごい!(虫や幼虫・卵は収納時に弾かれます)


 4つの庭園部分は現在板張りになっており、将来は芝生を全面に張りたい。

当面、木目調の板張りの上に椅子、テーブル、ソファーをコンテナ壁面に配置した。

 この庭園部分の動線は確保してある。中央に4本の円柱と柱群を取り巻く白色ドーナッツ状テーブルが完成してある。



 コンテナハウスの運用については、冒険者ギルドの搬送人依頼で商人に指名された時は、荷馬車の警護や商人の目が有り過ぎてテントと毛布で地面に野宿するしかない。


 多人数の冒険者仲間のパーティーの場合は、コンテナユニット内に招待して風呂・食事付でもてなし、寝るのは床暖房の庭園でテントでマットと布団・毛布・枕で寝てもらおう。



 ◇◆◇



 領都オースチン郊外での外泊許可の5日間の第1日目は、コンテナユニットの備品や消耗品の入れ替えと補充作業で過ぎた。


外出は、コンテナハウスの予備マット4枚購入で街の寝具店に出かけた時だけだ。



 5日間の第2日目


 2日目は二人で冒険者ギルドの練習場で俺は1日間の弓のコーチに銀貨1枚を、夜刀姫は接近戦のコーチに指導料銀貨3枚を払い3日間指導コースを受けた。


 俺には曲射と次弾補給の意識がない所らしい、夜刀姫にはフェントの大切さと体術習得が必要らしい。



 冒険者たちが実践の中から編み出した戦技は確かに素晴らしいものがある。

 アベルは自分に合ったクロスボウを考えている。


 このユニットの資材置き場の中にはいろいろな貴金属やガラスの材料を貯蔵してあるし、近くにギルドの試射場があるから最適だ。



 3日目では、アベルは早朝に夜刀姫をギルドの練習場に送り、再びユニットの中に戻った。

 俺の本日のクロスボウ改修はライフルスコープの製造から集中力だ!


 アベルは城で貰った十字クロスボウを空間収納庫から出してみた。

 この弦の張り方は足で弓の先端に出ているフックを踏み本体を引き上げて張る方式だ。

 足と背中の筋肉で引くのでかなり強い弦の張力は得られる。



 欠点はライフルスコープがなく銃尾がついてなく抱え込む狙撃姿勢になることだ。

 原始的な照準装置もなくトリガーの右手の銃把がないし、左手の保持握りがない。


 ライフルスコープの原理は遠近調整機能があればよいので、大きめの金属筒先端に対物レンズを付けて後ろにスライドできる小型の金属筒を付ける。

 小型金属筒の先端に正立レンズを付けて後部に接眼レンズをはめれば、画像は得られる。


 対物レンズ先端に凹凸レンズを重ねて嵌める箇所が難所だったが、大筒後部にスライド部を作り、そこに小筒を入れて実際に画像の焦点を合わせる作業は楽しみながら出来た。


 十字線(crosshair)も先端に平面ガラスの防塵フィルターをはめて、平板のガラス裏面に極細線で十字線を描いた。後部接眼レンズには上下する蓋を付けた。

 銃本体も中空チタン製で製作するので最適位置で保持グリップも銃把トリガー部もフレーム尾床も製造出来た。



 先端に足レバーの付いたアサルトライフル銃とクロスボウの混合形態になってしまった。

 クロスボウ上部にボルトの発射溝とバネ鋼板と弦がロック機構と一緒にある。

 トリガー上部にライフルスコープが接合されている。

 50㎝ボルトは革製弾帯を作り後腰のケースから引き抜く方法にした。


 当面は素人の俺でも使える足曳方式のクロスボウで夜刀姫を援護するしかない。

 クロスボウ本体の長さはL92㎝で横幅はW92㎝になり重量は3.4㎏になった。

 ボルトは軽合金で500本作り長さL50.8㎝で径はΦ0.8㎝ ある。



 クロスボウの製作も一段落したので、昼の軽食をとってから夜刀姫を迎えにギルドに行った。

 夜刀姫はダークエルフ少女の珍しさからか若い男性冒険者たちには人気があるらしい。


 3日目の訓練から、夜刀姫の希望で間合いが長く取れる魔鋼製両手剣を2本新造した。

 両手用の全長150㎝重さ3㎏で、柄が40㎝刃部分が110㎝の両刃武器になった。

 夜刀姫の掌に合わせた柄造りで、素材は柄も刀身も魔鋼製で、剛力と重量で魔物を叩き潰す鈍器だ。

左右2本の重量剣を自在に操るのは人間には不可能だ。

装備は腰バック中に両手剣2本を常備して戦闘に備える。



 ◇◆◇



 4日目はやはりアベルはギルドの弓練習場でクロスボウの弾道補正をした。


 夜刀姫は最終日の接近戦指導日だった。

 4日目は夜刀姫が実戦経験から新造した両手剣二刀流の刀法をギルド教官に修正してもらう時間だ。

 

 アベルのクロスボウは狙撃で40mの距離で的の中心付近に集まりだした成果は大きい地味な自信が得られた。

 夜刀姫は他の冒険者との練習試合でも白星を多く出している。



 ◇◆◇



 4日目の午後は冒険者ギルドの裏手倉庫に行って馴染になった解体責任者に魔の森の大毒蜘蛛やらコカトリスやバジリスクなどを手渡した。

 予想した様に獲物の即死級毒袋とか石化する呪い目玉とかに喜んで、彼は嬉しい悲鳴を上げていた。


 買い取り金額は大毒蜘蛛1金貨、コカトリス10金貨やバジリスクは同じ10金貨だそうだ。

 追加の巨大熊が1金貨3頭や、大蛇5銀貨1匹、オーク1金貨3頭分と合算して6種類合計で2,750,000Gの買取伝票を渡してきた。


 アベルは当面の資金が潤沢に確保できたので喜び支払い窓口に伝票を出した。

 すると窓口の奥から

「伝票のサインは本物だ! まじかよ? 」

 という声と共に金色の硬貨が27枚、銀色の硬貨が5枚トレー上に出されてきた。



 アベルと夜刀姫は、午後は二人でオースチン街中を歩き回った。

 アベルが準備してあるのは、獣肉も薪束も水甕も大森林から大量に持ってきてある。

 

 飲食店で深胴鍋を出してスープを買い、パン屋で出来立てのパンを買い、市場で調味料も小麦粉もワインも買った。


 薬局で石鹸も買い、食器や胡椒入れなどの小物や調理用の道具も揃えた。

 花屋で藤の木用腐葉土や各種球根や花株・栽培道具も揃えた、プランターを出して中に土や球根や根つき草花を入れてもらって1日を楽しく過ごした。


 翌5日目の早朝にはトリッシュ女伯爵の館に伺う予定だ。





 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



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