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めぐりあい

作者: 奥田 繭

あてもなくぶらりぶらりと闊歩していると

むこうからあいつがやってきた

黒いシルクハットに手をあてて

無言でわたしの横をとおりすぎた


まってくれ

あいつの背中に言葉をなげると

あいつはうろんな目つきでふりかえり

わたしの影に視線をおとした


どなたですか

わたしはあなたにおぼえがない

あいつの声は冷たくて

わたしの鼻先は赤くこごえた


どうしても思い出せませんか

わたしはあなたのお世話になったものです

ある日あなたはあいさつもなく

わたしのまえから去ってしまった


あいつは井戸のように深い目をして

わたしの言葉をきいていた

そして口を動かさずに一言いった

ではさようなら


わたしはあいつを忘れはしない

いつかまた出会う日まで

あいつはわたしから逃れられない

なぜならわたしとあいつは因果なのだから

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― 新着の感想 ―
[良い点] プロローグのような雰囲気のある詩で良かったです。 あいつの正体を自由に想像するのが楽しいですね。
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