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Mr.メリーの溜息



綿飴色の溜息だった。

まるで体毛のようにふわふわとした、とんでもなく甘い溜息だった。

恋をしているのだ、彼は。

恋をしているから、溜息は綿飴に甘くてふわふわしているのだ。

けれど誰も、彼の相手の恋を知らない。

彼は寡黙で、自らの事を口にする事はほとんど無かったのだ。


Ms.メリーなら知っているだろうと、誰もが彼女の元を訪れたのだけれど。

彼女は幼い口元を歪ませて、秘密だと笑うだけだった。


今日も彼は溜息を吐く。

綿飴色の溜息だ。

Mr.メリーの体毛によく似た、ふわふわした溜息だった。

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