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「ほら、よく考えて見てくださいよ。ロリってかわいいじゃないですか? そのかわいいものが世界中にもっとたくさんあったら、それってすごいいいことだと思いませんか?」

 え、なんか怖い。

 やっぱり変態の思考は一般人には理解できないのか?

 これじゃあ、歩み寄ろうにも歩み寄ることなんてできない。

「ちょっと僕には、よくわからないかな」

「あたしはちょっとわかるような気がしないでもない」

「母さんも少しはわかるわよ」

 異分子は僕であった。

「そうですね、蛍くん。ロリを憩ちゃんに置き換えて考えたらどうでしょうか?」

 憩はかわいい。

 かわいいがたくさん。

 憩がたくさん……。

「リバーさん、あなたのやりたいことはとてもよく伝わりました。憩は一人でも十分だけど、確かにどれだけいても困ることはない」

「ちょっと、お兄ちゃん、恥ずかしいよ……大声で言わないで」

「へえ、それじゃあ憩、小声ならどれだけでも愛を囁いていいのか?」

「それは……もう、お兄ちゃん、いじわるしないで」

 連続する撮影音。

 そこ二人、各々の撮影機材で勝手に撮影会を始めるんじゃないよ。

 あと母さん、リバーさんに対抗して父さんの一眼レフ持ってこなくていいから。

 そろそろ話を本筋に戻そう。

「こほん、それで動機についてはしかたないから納得してあげましたけど、そろそろ、どうしてわざわざ僕をそのプロジェクトの対象に選んだのかを教えてほしいですね」

 リバーのことだからすごくくだらない理由なのだろう。

 いや、リバーもリバー自身の性癖と矜持のためにそのプロジェクト・リバースとやらを実行しているので、瞬時にくだらないと切って捨てるわけにもいかないか。

「ようやくその質問をしてくれましたね」

 漫画的表現がこの現実にもあったなら、ほわほわ系の人が黒いオーラを突然出したレベルでリバーさんの雰囲気がガラッと変わった。

「それはですね」

 額が冷や汗で濡れ、喉がゴクリと音を立てた。

「あなたがロリコンではないからです」

 へ?

「えっと、どゆこと?」

 いやいや、ブラフに決まっているだろう。

 さっきの雰囲気から、こんなに間抜けな回答が得られるはずがないだろう。

 僕は先ほどからリバーさんにどれだけ踊らされれば気が済むのだろうか?

「いえ、どういうこともなにも、ただロリにするならロリコン以外の男性を選びたかったんですよ。私を差し置いて実験台になった身がロリコンじゃあ、ただロリとイチャコラするだけじゃないですか! そんなのうらや──ゲフンゲフン、ロリも困ってしまいます」

 だからあなたにロリニナールを使用したんですよ。

 うんうんと語り終わったリバーさんの雰囲気は、すっかりアホっぽいそれに戻っていた。

「なる……ほど、とはならないからね、それ」

 それとさっき、羨ましいって言いかけなかったか?

 あと、平然と使っていたが「ロリニナール」ってなに?

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