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第10話 二人の弱者

お待たせいたしました第10話です!

楽しんでって!

「ガッハッハ〜チャンスはやるが失敗したらどうなるかわかってるよな?

勿論だが貴様ら二人をこんがりと焼いて食ってやるからな?

それにメスの肉は甘くて美味しいから好みなんじゃよ早く食いたいの〜(笑)」


そんな事を口角を上げてニタァっとゲスの笑みを浮かべながら言ってきそして本題に入る。


「さ〜てそれでは本題のチャンスを決めるかのぉ〜

とりあえずじゃがわしの全力の攻撃を受けて死んでなかったら逃げてもよいぞ〜

攻撃も物理系か魔法系最強か選ばせてやるわい〜

どっちにする?(笑)」


選ばせてくれてはいるが二人とも心の中では同じ事を考え渇ききった喉をごくりと鳴らしアイコンタクトをとり頷くとそのままマジックポーションを一気に飲みダッシュしてそのまま山を降りていくのだった。


「全力なんて受けたらゼッテー死ぬだろ!

ハァハァハァハァ〜

あいつ結局俺たち二人とも食う気しかないみたいだぞ(笑)

普通に考えてわかるよな……さっき軽く吹かれたブレス止めるだけで二人ともガス欠なのに……

てかリムシーさんやあいつニヤニヤしながらこっち見てきてるだけで追っかけて来ねーぞ!」


「本当ですね(笑)

何はともあれラッキーです!

このまま一気に下山しますよ!

ってあれ? ディアリオがいなくなってるんですけど?」


そうリムシーが言うと大きな笑い声が地面の中から聞こえ地響きと地割れとともに再び炎龍が姿を現し行く手を阻むように下山する為のルートに大きな穴を開けたのだった。


「おいてめーら逃げるとはいい度胸してんなぁ〜

せっかくチャンスもやったのに受けずにそのまま逃げるのか〜

残念だなぁ本当に本当に残念だよ(笑)

まーそりゃそうだよな?圧倒的な存在はこえーよな?さっきのチャンスは継続させてやるが魔法の決定権は無しだ俺様がそんなへたれた心をぶっ潰してやるよ

そのあと美味しくいただくから感謝しやがれよ?」


そうディアリオから告げられるとリムシーは膝をつき絶望の表情を浮かべハジメはと言うとリムシーと同様絶望の表情を浮かべながらも諦めずに逃走する手段を考えていた。


「くっそ本当に詰んだけど……もしかするとあの方法なら……だけどあの魔法は特殊魔法でうまく使えるかもわからないしおそらくだけど今の魔力量だとぜんぜんたりてねー……

だけど……一つだけ手はあるんだ魔法の本に書いていた方法なら……」


するとハジメは顔を上げ大きな声でリムシーに質問をした。


「おい!リムシー魔力の受け渡しって確かできたよな?」


暗い声に暗い表情絶望しきった声でリムシーが答えたのだった。


「できますけど……今更どうする気ですか……

どうせもう終わりですよ、こんな状況どうあがいてもかえれっこないですよ!」


するとハジメはニコッと笑い少し声を震わせながら言うのだった。


「俺が絶対にお前を逃がしてやるからそんな顔するなよ……大丈夫だぜそんなに怖がらなくても

俺が全部この場の状況ひっくり返してやるから!

俺はどんなに絶望的な場面でももう死ぬのは嫌だ

死ぬのは怖いんだよ……

だからリムシー俺は絶対に諦めねーぞ!

魔力が凡人以下でもお前がいれば俺はすげー魔法を使えるかもしれねー

もし俺の事を信頼できると思えるんだったらリムシーの魔力を全部俺に預けてくんねーか?」


そう伝えるとリムシーの表情は少し明るくなりそのまま立ち上がるとハジメに抱きつき全魔力をたくしたのだった。


「力がみなぎってくるぜ!

これだったらあの魔法も使えるはず……」


そしてハジメは魔法を詠唱し自分のもてる最後の一手をだした。


「開け!」


そう唱えるとリムシーのママが使っていた魔法と同じ特殊魔法空間移動が発動されそのままリムシーをその中に押し込みニコッとぎこちない笑い方と震えた声で一言告げた。


「元気でな!」


そう伝えるとリムシーの心はざわつき始めこのまま消えたらダメだと判断し押し込んでくる手を跳ね除け再び戻るとゲートが閉じそして魔力を使い果たしたハジメは地面に膝と両手をつきうつむきながらリムシーに怒鳴りつけるのだった。


「どうして……なんで……なんでにげなかったんだよ!

せめてお前一人だけでもって思って全魔力使ってまで発動したのに……どうして戻ってきたんだよ!

これじゃ意味無くなったじゃねーかよ!」


するとリムシーはハジメの顔に強烈なビンタを食らわしひざまずいているハジメの頭を自分の胸に抱き寄せ優しく呟きはじめた。


「どうしてって……そりゃーハジメさんが本当は怖いくせに自分だけかっこつけて一人通ったら消えちゃうようなゲートを作るからですよ!

それに私だけ逃げるなんてなんか後味わるいしずるいじゃないですか……

だったら私は最後まで怖がりなハジメさんの隣にいますよ……それに今の選択のせいで例え死んだとしても私は後悔しませんよ絶対に!本当ですよ?」


そう告げるとリムシーはハジメをゆっくり地面に下ろしハジメのカバンの中のマジックポーションを全てのむとハジメの目の前に立つのだった。


「次は私ががんばるばんです、ゆっくり休んでください」


そして究極の一撃をためていたディアリオの攻撃がとうとう二人を目掛けて飛んできた。


そのディアリオの一撃は自らの身体に炎纏わせそのまま突っ込んでくると言ういたってシンプルな技だったのだが、火力が強すぎて通った地面はドロドロで真っ赤になりマグマのように変わり果てていた。


そしてリムシーも全魔力は解放し自分のもてる最大の防御魔法を発動したのだった。


「キャルキュリオ!」


そう唱えると全体が光の結界で覆われディアリオの攻撃を受けても一瞬は耐えていたのだったが、やはり徐々に覆われていた分厚い光がみるみるうちに削られていくのだった。


そしてディアリオは煽るように二人に話しかけてきた。


「所詮どれだけ足掻こうが人間はやはりその辺の石ころと一緒の様なものじゃな!

感動ごっこはもうおしまいだぜ!

さートドメじゃ!」


するとハジメが立ち上がりそのままリムシーに抱き着き呟きはじめた。


「ごめんなリムシー……絶対に逃すって言ったのに……

いまはまだ耐えてるけどもうじき壊れるんだろ?」


するとリムシーは泣き笑いながら言った。


「はい……あと少しで壊れて二人とも死んじゃいますね(笑)

だけど最後まで一緒に入れてなんか幸せでしたよ……

その、、、短い間だったけど、、、ありがとう!」


そう告げられるとハジメも泣き笑いながら言った。


俺も一緒だぜ……リムシーと最後まで一緒にいれて本当に良かった……最初にこの世界で出会ったのがお前で良かったって本当に思ってる、、、

俺の方こそありがとな」


そう言いあいながら泣き笑いおでこを合わせてお互いを強く抱きしめ合いそして等々魔法が解けたのだった。

さてどうなるかな?

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