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失態

あれ?気が付けば30部行ってたんですなぁー


またまた、期間が大分空いてしまいましたが無事に更新することができました!!!!


まだまだ、お付き合いくださいませ!

「おれは――」


 本当にこのまま逃げるしかないのだろうか?

「何をグズグズしているのよ!! 早くここから離脱しなさい!!」

 

 大きく手を広げ、ニーナは早く立ち去れと叫ぶ。小さな体を目一杯に広げて……。


「もう、行くしかない」

「え?」


 母親は冷たくそう、吐き捨てる。

「私の目的はお前を安全な地下に送り届けることだ」

「いや、だからって――」

 母の決断は早く、そして揺るぎない。もはや、ニーナの姿をその瞳は捉えておらず、何処か遠くを見据えている。もう、選択の余地はない。


「わかった、行こうぜ母さん」

「ここからならばそう遠くはない位置に地下街へつながるマンホールがある」

「ただ――」


 続きを語ることなく、母親は大きく手をあげて合図する。


「全員!! 我らに続いて走り抜けるぞ!!!!振り返るなぁ!!!!」

 その場にいた全員が一気に駆け出す。振り返ることなく、無残に鳴り響く銃声が聞こえなくなるまで……。

 俺達と母親の部隊、合わせて10人は無事にスカイツリーから脱出を果たす。


「はぁはぁ!! んで、その地下には何処から行くんだよ」

「小梅児童遊園の通りから隅田川の先にある言問通りのマンホールから地下街に行ける」

「そこからも繋がっていたのね、さすがは現役警察官であるだけのことはあるわね」


 いつの間にか追いついていた鈴羅が話の輪の中に入ってきた。

「ったりめーだ!! 土地勘の化物だからなこう見えてもな!!」

「で、では亡者が来る前に地下まで行っちゃいましょう!!」

「おっす!! たたらっち!!元気そうでよかったぜーい!!」


 しばらく顔をみていなかった仲間達が集結した。


「おそらく、父親のグループは先に地下街へ到達しているはずだ、予想より亡者もいねぇしな!!」

「てことは、早く行けそうってことだよな?」

「まぁ、そういうことではあるけれど……」

「やけに静か過ぎませんか?」

「流石に気づいたかぁ~亡者の数が明らかにすくねぇんだよなぁ。不気味といえば不気味だが、楽に行けるってんなら母は満足」


 足取りは軽やかに、亡者の猛威から抜け出せた開放感に安堵する。このままの調子であれば到着はそう遠くはないだろう。


「よし、最初の目的地である小梅児童遊園が見えた」

「ここから――」


「た……隊長!!!! あれは、いったい――」


 部隊員の1人が真っ先に異変に気づき、指を指している方向に全員の視線が注がれた。


「嘘、でしょう……?」

「おい、なんだよあれ」


「これが原因で見えなかったってわけか」


「き、気持ち悪い」


 黒い塊となってタワーの様に積み重なった亡者たちがウネウネと蠢いている。大きさはざっと見積もってもビルの5階分に相当するだろう......。


「まさかとは思うけど、この先を行くなんて――」

「行くしかないな、そもそもあの塊が何処まで広がっているか不明だ、どのみちどこに行ってもあんなのがいるってんならわざわざ遠回りする必要もない」

「確証はないけれど、他の場所でもあの現象が起きていないことが証明されない限り、ここを無理矢理にでも通るほうが早いわけね」

「と、とは言ってもあれをくぐり抜けるのですか?」

「ただの塊だってんなら、基本性能は同じだろ?しかも、忘れてるようだが……」


 夕暮れに染まる空は、少しずつ夜を彩り始める。


「時間はないな、行くしかねぇ」

「そういうこと」


 あのどでかい塊が何処まで亡者と同じかは不明だが、生首の時とは明らかに大きな違いがあった。その、違いというのはまんま亡者たちが寄せ集まってできたようなタワーなのだ。

 つまり、現在の亡者であれば聴覚だけが優れているはず。しかし、これ程の数が集まっている場合、どの様な事態が起きるかは予想できない。


「と、とにかく亡者のままの性能なら音を立てないようにするってことですか?」

「まぁ、そーいうことになるな」

「特異……多々良ちゃんの言う通り音を立てずに行けばいい、ただあれだけの塊だと何処まで音を拾ってくるか……」

「どんなに音をさせないようにしても、自然と発生する音は意識しても消せないわね」


 ヤツらの聴力が何処までかわからない以上、通り抜けるには作戦が必要だろう。


「一気に走り抜ける!!」

「アホか!! あんなタワーに上から来られて見ろ!!全員仲間入りするぞ!!」

「ありえないわね」

「峰島先輩、流石に無理ですよ」

「で、デスヨネー」


 女性陣から猛反発を食らいました。


確かに、冷静に考えれば無茶苦茶な作戦だし、そもそも作戦と言えるかも微妙な所だ。


「ならば、あのタワーを攻略するには――」

 黒い髪の毛を耳に掛け、しばし何かを考え込む鈴羅をひたすらに見つめていた。

「ええい!! うっとおしい!!犬みたいに私をみるな」

「えー……」


 まさかの文句を言われる……。


「取り敢えず、もう少しだけ奴らのタワーに近付きましょう」

「オッケー、物影を上手く利用して近づくぞ!! ついてきな!!」


「っと!! その前に!!なるべく金属類は外して鞄なり、バッグなりに詰めておきましょう」

「そ、そうですね。金属が擦れ合う音も命取りになりかねませんよね」

「なるほど、んじゃま金属類は俺のリュックに入れていいぜ」


これでカチャカチャと音が鳴る心配はなくなった。

はぐれてフラフラしている亡者にも注意しながら周囲を警戒する。亡者タワーに近付けば近づく程に鳥肌が止まらなくなる。


「見た感じだと、繋がっている感じはないわね」

「ということは、個々で集まってタワーを形成しているんですかねー」

「そうなるなぁ、にしても集まった意味が分からねぇ」

「つか、いい感じに道路に亀裂が入って投げやすいサイズの破片があるじゃーん」


「これを利用して、進行方向とは逆の位置に投げてやれば……」

「落下した音で注意を惹き付けて、その間に走ってしまえばいいって話だな!!」

「峰島にしては、珍しく理解が早いわね」


余計なお世話だ!! と、思いながらも砕けた道路の破片に手を伸ばす。


「準備はいいわね? 奴らが反応したら直ぐに走るわよ」


5、4、3、2、1――。

鈴羅が左手を軽くあげ、指で数のカウントを開始する。


その合図に合わせ――。


「せぇ~~のっ!!!!」


投げるよりも先にデカイ声が無意識の内に出てしまっていた。


「あっ……」


考える隙などなかった。


「っ!!!! バカ息子!!作戦もへったくれもねぇ!!!!こうなったら自棄だ!!!! 肺を潰してでも走れぇっ!!!!」


母親の声と同時におびただしい数の亡者が、頭上から降り注ごうとしていた。

数千以上の塊となった人間モドキが雪崩のように押し寄せる。


「うわああああああああ!!!!!!!! みんな!!本当にすまねぇええええええ」

「本当……最悪ね!!」


生々しい落下音と同時にドスグロイ血飛沫が撒き散らされ、俺たちが元々突っ立っていた場所は瞬きをする間もない内に亡者で溢れかえる。


ゾンビ映画のワンシーンが流れているのではないかと、疑いたくなる。が、これは紛れもなく現実なのだ。


立ち止まる暇もなく、無我夢中で走り続ける――。


「チッ、やっぱりただの亡者ではないみたいだなぁ!?クソッタレが!!!! 珍妙な体勢で走って来やがるぞ!!」

「はぁ、はぁ!! 本当に申し訳ない!!あんなミスをしちまって」

「つべこべ言わず走りなさい!! 起きてしまったのだから気にしても何にもならないわ!!前を見て走るのよ!」

「大丈夫です! 峰島先輩は悪くありません」


励ましの声を受けながら、チラリと後ろの様子を伺う。


軽く後ろを確認しただけだが、数百体位の亡者を確認......。

しかも、『ただの亡者』とは異なる様だ。ブリッジしたままあり得ん速度で駆ける個体に、四つん這いで野生動物の様に駆ける者、両腕をぐるぐる振り回しながらジグザグに走る輩もいる。


「ま、まじかよ。あんな奴らコミケの会場ですら会ったことがねぇぞ!!!! 個性撒き散らし過ぎだろ!!」


さらに最悪なのは、どいつもこいつも早い。普通に追いつかれてしまうペースで迫っている。


「ああもう!! なんなんだよ!」

「ダメです隊長!! このままでは、追いつかれます!!迎撃するしかありません!!」


「あーーーはいはい!! わかりましたよーーーだっ!! 奴らを捲るのは無理だ、葉留!!!!それと、多々良の嬢ちゃんは先にマンホールに行け!あたしらがこいつらを引き受ける!!」

「はぁ......その口調からして私も巻き添えね? いいわ、どのみち時間はないわね」


「母さん!? 鈴羅!?なに言って――」


「良いから先に行けってハナシ!!!!」


息ピッタリの母と鈴羅さんは武器を構えて立ち止まる。生き残った母親の精鋭部隊も逃げることなく、銃を構えて微動だにしない。

「足を止めるな!!!! 多々良の手を取って、そのまま走れ!!」

「あなたみたいに私達はヘマなんてしないわ、先に行って待ってなさい」


「み、峰島先輩?」

戸惑い気味の小さな少女の手を取り――。


「行こう、まずは多々良さんを必ず安全な場所に連れていく」

「わ、わかりまし......た。よろしくお願いします」


母親と鈴羅さんの間をすり抜ける――。


「頼んだわよ、峰島葉留――」


一瞬だけ、鈴羅さんと目を合わし......止まることなく走り抜けた。


 そんなことを言われなくたって、とっくに覚悟はできている。

 鈴羅の言葉に返事をする余裕はない。このまま振り返らずに、俺と多々良さんは目的地であるマンホールを目指し、走る。


 多少距離が開いた辺りから、凄まじい銃声が後ろの方から鳴り響いていた。


しばらくして、俺は急ブレーキをかけて走るのをやめた。


急に止まった為、ボスッ!! と、多々良さんが俺の背負ったバッグに激突した__。




そう、沢山の武器が入ったままのバッグを俺は背負ったまま__。



「ど、どうしましょう。峰島先輩、そのバッグって沢山の武器が入って__」


~失態~ END To be continued


不定期ではありますが、今後ともよろしくお願いいたします!!!!


更新頑張るよ!!!!

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