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強行作戦

え~苦悩の末、ようやく投稿することができました。


っと、その前に!!皆様!!明けましたおめでとうございます!!


これからも、なるべく週一ペースで行けたらと思うのですが、中々に苦悩しそうですので極力頑張っていきますよー!!

いくら辺りを見回しても、奴らの姿を見ない箇所はない。

どこを見ても亡者だらけ、4車線ほどある道路は見事に生きた屍共に占領されている。そんな有様を俺達10人は背を向け合うようにして武器を構える。


「いいかぁ~おじさんが張り切って先人を切る!!その隙きに両サイドから援護+α遠距離部隊の援護これが基本だ!!!」

「おっけー!!親父の合図でこっちはいつでも行ける!!!」

「アタシもいつでもオーケーだぜ!!!」


コクリと深く頷いた父親は表情をガラリと変化させる。


「強行作戦!!!開始だ!!!!!!」


そんな言葉と同時に強大な槍を亡者にぶちかます!!!!


ズシャ!!!!!


「やれ!!!!加賀美!!ハル!!!オメェらでおじさんの両サイドをカバー!!!」

「了解!!」

「分かった!親父の援護は任せろ!」

「ほう、ならばおじさんは派手に暴れ散らかしますかねぇ~」

そう言って、親父は見る者全てを圧倒し、圧殺してしまいそうな程に大きく息を吸い込んでニタリと笑う。息を吸い込んだだけ――


それだけなのに、親父の存在感はただそこで槍を構えるだけで恐怖と支配を提供する。槍を背中に回して斜めに持つ、その姿を見ただけで俺が敵なら即退散を迷うことなく選ぶレベルだ。


正直言って、一戦も交えたくない。


「親愛なる諸君を信じ、おじさんはおじさんのできる最大限の力を持ってして全力で応えよう!」

そんな、言葉にも理解力のない亡者共は見境なく我先にと親父の前に詰め寄って行く。


「あ、おい!まて親父!そんな先行し過ぎると――」


言葉半ばで他の者を凌駕する一閃が静かに亡者の頭部を見事に纏めて吹き飛ばす。その一撃は重く、そして非常に好戦的だ。振り抜かれた槍は亡者の血液がベッタリとまとわりついてた。


「援護は任せると言った、せめておじさんに付いてくる位の根性はみせろ。わが息子よ」

「だるいのは分かるけどダメだよ~私よりサボるの禁止ね!」

「あっ…いや、え?ちょい!?皆さんはやすぎないですか?モチっと合わせてくれても――」


そんなことを口走ると、鬼の形相で二人に睨み付けられてしまう。まるで――


しっかりと食らい付いて来いと言わぬばかりに――


目は口ほどに物を言う、まさにその通りだと痛感する。

少々遅れながらではあるが、何とか二人のペースに合わせることができた。しかし、一仕事を終えて直後の俺にはあまりにもキツい。

「ひよっ子!!左右から来るよ!!優先順位を決めて狩りな!」

「うわわ!!!!ま、まじかよ!?どれがどれ!?」


右にも左にも亡者、亡者、亡者!!素人目の俺には優先順位など付けようがない!!あちらからもこちらからも亡者が手を伸ばして俺を求めて迫り来る。


「お、お前からだ!!!!食らいやがれ!!」


握りしめたアゲハは鈍い光を放ちながら対象の頭を叩き割る。


ドシュリ!!鈍い生々しい感触を味わいながら次の敵を殺す体勢をとる筈だった――


「――え?あっ!!ちょっ!ま、まて!抜けない!!あああ!!」

「チッ、ひよっ子が!!」


右にも左にも正面にも、おびただしい数の亡者がスタンバっている。何度もグリグリするが、剣が亡者の頭に張り付いたように離れない。


ヴアアアアアアアアア!!!!!!


「やめ!来んな!!!!」


虚しく、手をパタパタさせると同時に、金色の輝きがふわりと宙を舞う。


――――瞬間、目視で捉えるのが困難な程の早さで加賀美さんが通り過ぎて行く。


彼女が通過した後には、頭部を失った亡者が真紅の華を空中へと向けてばら蒔いていた。


その後、間髪いれることなく、俺の真正面に立つ美しい戦士は不機嫌そうに刀に付いた血を振り払う。


「常に戦場では冷静であれ、筋肉の収縮の影響で抜けなかったり深く刺さると抜けにくくなる場合がある」

「あ、はい。わかりました」

「グリグリするんじゃなくて、刀身を上下させる。あーもう帰りたいからしっかりして――」


華麗に半回転をして、更に亡者を切り倒す。


「くーださい!!分かった?」

「肝に銘じます…」

「剣や刀の修行を面倒くさいけどしてあげるよ~鬱だけど」

「お願い致します」

「よろしぃ~んじゃ、生きないとね~」


口調がかなりフワフワしていてどこまでが本気なのか非常に分かりにくい人物だ。だが、彼女の強さは多々良さんでさえも上回っているかもしれない。


「峰島、またしてもみっともない姿を晒したのね。可哀想に」

「私たちも参戦します!頑張りましょう!峰島先輩!」


そこには見慣れた美少女2人組が颯爽と俺達の横を駆け抜けていく。男子の俺よりも強い美少女、悔しいが俺には真似できない。


「私たちも参加するわよ!ゆいちゃん!!派手に行きましょうか」

「勿論です!!援護しますよ!ゆずりは先輩!」


――そのまま、勢いを殺すことなく最前線にいる親父の戦場に殴り込んでいく!!


「最前線に参加致しますわ」

「お、おじゃましまーす…」

「なっ!!お嬢さん達!?ムチャされるとおじさん困るから!」


呆気に取られて、親父もかなり焦った様子だ。


「では、戦いぶりを見て評価をお願い致しますわ」

「左に同じ!です!!」


有無を聞く前に二人は亡者の海に疾風の様に突っ込んでいく。

小柄な少女と長い黒髪がローテーションの要領でクルクルと遊んで回る。


「カバー!!」

「了解です!」

「右に注意よ!!ゆいちゃん!」

「はい!!ゆずりは先輩!!交代します!!私を前衛に!!」


互いに背中を預けながら息を呑む程に美しい連携が織り成されている。最早彼女達の独壇場と化している。


その姿に思わず、親父の口はパッカーンと空いてしまっていた。しかし、親父の背後に亡者の影が忍び寄る。


「いけない!!隊長!!後ろ!!チッ!!」

警告を促すが、加賀美さんの前にも亡者が迫り、身動きを封じられている。


動くのは俺だ!!走れ!!亡者を倒せ!!


「うああああああ!」

「――――っ!いかん!!間に合わん!!」

「間に合えーーーー!!!!」


――守られてばかりの自分を変えろ!!もやしの自分を乗り越えろ!!肝心な時に歩みを止めるな!!


一心に――――駆けろ!!


「うらああ!!!!」


おぼつく足を無理やり引っ張り込んで全身をなげうつ覚悟で親父の背後に立つ亡者に襲いかかる。当然、足は付いてくる訳もなく寸前で転ぶ――。


体勢からして、立て直しは不可。ならば――


「てめえの足、地面においてけや!!!!」


転ぶ勢いをフルに生かして、亡者の足を両断することを決断する。全身の重さと落下速度を纏った一閃は見事に足をブツリと切断する。


――捨て身の甲斐もあり、亡者は勢いを無くし――


懐から抜き出された親父の刀によって絶命するのだった。


「ついでにその体も地面においてけや~なんてな~」

「ゴフッ!!ってぇー!!あーあ、マジでいてー」

「ハハッ!そんだけ派手にコケて擦り傷すらしないとはな!!運がいいじゃねぇか!!おじさんは憧れちゃうね!」


ニッコリ笑う親父が差し出した手を握り返し、俺は立ち上がる。

一人でも多くの人間を救う。失い続けるのはもうウンザリだ。


「やるときゃやるんだよ!俺は!」

「ふむ、そうじゃな!!じゃが!まだまだ脇が甘いなぁ~」


そう言うと丁度、俺のこめかみ辺りの位置に親父の槍が勢い良く放たれていた。


「うわぁ!!なにしやがる!殺す気か!」

「後ろ、後3秒遅れただけであっち側になってたぞ?」


振り向いて見れば、間近で亡者の死体が倒れていた。


「さっすが!親父!」

「言ってろ!バカ息子!」


互いにニタリと笑いながら拳同士をコツンと合わせる。


「うぇーーい!!前衛部隊さんや!!元気にしてるかぁー?生きてるなら朗報だ!!!!」


そんなやりとりの後に、後方部隊にいた母親から威勢のいい声が聞こえてきた。


右手を高らかに上げたままの母親が、すかさず上げていた腕を振り下ろす。同時に幾つかの乱射音が響き、亡者共がバタリとその場からドミノの様に倒れる。


「待たせたなぁ!空港行き、ただいま開通だ!!この野郎!!」

「よっしゃ!!愛しの麗しき我が妻よ!!素晴らしい!!」

「すぐに撤退しようぜ!親父!!」

コクリと頷く親父。


「よーし、前衛部隊!!空港行きが開通だ!!!!撤退しろ!」


最前線で戦っていた全員はダッシュで母親のいる所まで下がる。疲労感は凄まじいが、この作戦に関しては犠牲は出ていない。ようやく安堵ができた瞬間だった。これならこのまま松山空港に向かうことができる!!


とはいえ、亡者をたんまり残した状態で俺達は撤退をしている。追手に捕まる前に全員がそそくさと空港に行く為に荷物を車に運んでいる。


その間、俺はぼんやりと逃げてきた方向を見つめていた。そんな風景の中に、違和感を感じた。離れた場所ではあるが黒い塊が大きくなっている気がした。


「あれ?地面の血がゆれてる?」


徐々に揺れは明白な物となり、ボコボコと煮えたぎるように音をたてる。


「ん?なんだぁ?血がコポコポ――」


 ボコボコと吹き上がる血溜まりは次第に大きくなり、巨大な結晶ならぬ血晶を生み出し行く手を阻む。


「な、なんだ――こ、れ」

「チッ!!んなもん銃でぶちかましちまえ!!!!」


 母親が苛立ちを隠せない様子で銃をブチかます!!

が、甲高い音も立てずに鉛弾は血の結晶の内部へと溶けるように吸い込まれてしまう。


「そんな――銃弾をまるごと飲み込んだのかしら」

「物理は利かない、おじさんたちも通さないってことだろうねぇ」

「ふっっざけんな!!!!ここまで来たってのに!!畜生!!」


ようやく切り拓いた希望の道は突如として現れた謎の壁によって再び閉ざされる。


「突っ込んじまおう!!!なぁ!!なぁってば!!」

「無茶を言っちゃいかんよ、我が最愛なる妻よ。いくらなんでも不確定要素が多すぎて無理やり突破するにはリスクが高すぎる」

「だからってのんびりしてらんねぇだろ!?来ちまうだろうがクソ共が!」


 そんな会話をしている最中でも目まぐるしく変化は訪れる。俺達が狩り尽くしてきた地面には真っ赤な絨毯が敷き詰められている。

この血晶現象は、血がある場所で起きているようだ。遠くの方でも聳え立ち、壁の様に立ちはだかっている。

 そのおかげではあるが、亡者の行進も防がれているようだ。


「はぁ~あ、面倒くさいわね~鬱だわ。この現象を起こしたバケモンが多分私達との戦闘を望んでいるわね」

「加賀美さんも分かりましたか?あの黒い球体状の存在ですよね」


気がつけば肥大化した球体が静かにポツンと姿を晒している。距離は少し開いているが、いつ襲ってくるか分かったものではない。


「あぁーあ、もう嫌な予感しかしない」

「愚痴るなハル!!おじさんも嫌なのは一緒なんだから!!」

「じれったい!!たったと潰しちまおうぜ!!!なぁ!!」

「よーく観察したほうが良いのではありませんか?情報が少なすぎます」

「あーだるいー帰りたーい!!」

「皆さん!!集中してください!!!多分来ます!!!武器を構えてください!!」


 各自がベラベラと喋っている中で、多々良さんだけがただならぬ集中力で謎の球体を見つめている。


「皆さん、あの球体!変異種です!!!」


多々良さんがそう告げると同時に球体が紅い絨毯の中に溶けるように沈んでいく――。


「きえた?いや、とけ――」


 一分も立たない内に、その答えは回答される。目の前の血溜まりが一際激しく不気味な泡を生み出しながら次第に大きく膨れ上がる!!!!!


「おいおいおいおい!!!!!!!うそだろ!!!!!おじさんもびっくりしてんだから!!!!全員!!!臨戦態勢!!!!」


 全員が敵を倒すために武器を構える。此方の準備は万全だ!!化物の変異種は何度も見ている。ビビることはない、サクッと倒して空港に行くだけだ。


――盛大に叫ぶこともなく襲いかかることもなく変異種が姿を晒す。


「ウヴェ!!!!!ゴポッ」


 俺はその化物の姿を見た瞬間に嘔吐(えず)きそうになり、全身に鳥肌が襲う。しかし、貴重な食料を吐く訳には行かない!!意地でそれを飲み込んで耐える。今まで見てきた変異種の中で1番に軍を抜いて酷い姿だった。


「な、んだよコレ?悪趣味を通り過ぎて目を疑うぞアタシは!!」

「あまりにも酷い、酷すぎますよこの姿は」

「鬱」

「最悪ね」


 静かに目の前に現れた変異種は無数に亡者の頭部をくっつけた形で球体を形成している。顔が口をパクパクさせており、切断面の首からは血を垂れ流している。この世の生き物とは思えない姿だ。

 直視するのも本能的に拒んでしまいそうな姿がそこに鎮座している。その球体からは人間のような足が四本ほどだろうか、束ねられた足を頭部と頭部の隙間から4足程が顔を覗かせている。


「構うな――コイツを殺しておじさんたちは空港に行かねばならん。容姿に圧倒されるな!!!ここで折れるわけにはならん!!!!行くぞ!!!!化物が!!!!!!その生首どもを斬り伏せようぞ!!!!!」


 物怖じすることなく親父が先人を切って化物に突っ込む!!その後に並ぶ形で多々良さんと加賀美さんも追従する。


勇敢たる3人の戦士は牙を剥き出しで喰らいつこうと迫る――


 親父が切り込む寸前で人面球体が生々しく肉を引き裂く音を出しながら生えるようにして腕の様な物が現れる。腕は凄まじい速さで親父を吹き飛ばす。


「うぐおぁ!!!!!!」


ガシュン!!!!!!!


 鈍い音と共に、球体の凄まじく早い一撃をなんとか防ぐが、約3メートル弱は吹き飛ばされていた。続けざまに多々良さんと加賀美さんがカバーに入る。


が――今度は血溜まりの地面から無数の血晶が行く手を阻み――


「峰島!!!!!攻撃を防いで!!!!!!!!!!」

「え?なんだ――」


そんな警告と同時に()()()凄まじい速さで通り過ぎたり掠めたり目の前に現れる!!!


「あぁああああああ!!!」

「うがあああああああああ!!!!!!!」

「いやぁあああああああああ!!!!!」


後ろの方から嫌な悲鳴が脳裏を襲うがそんなことはどうでも良くなる。目の前に5本の指先が揃った手が目の前でワキワキと蠢いている。


 気色の悪さから反射的に切落とすことに成功し、溶けるようにしてその手は地面に消えていった。


「皆!!無事か!!!!!」


 すかさず後ろを振り返り状況を確認する。


「私は問題ないわ」

「母さんの方も無事だが、軽く3人は持ってかれたな」


 親父が引き連れていた部隊の数名が手の餌食となってしまい、心臓を引き千切られていた。グッタリと死んだ瞳を宿した隊員達をそのまま宙に軽々と持ち上げて行く。


「何をする気なの!!アイツは!!!」

「クッソ!!!死体遊びでもやろうってか!?ざけんなクソが!!!!」


誰にも拒まれることなく死体を本体まで持ち込んだ人面球体は3名の死体に貪るように食らいつく。無数の顔が生者の肉を引き裂き、無残に食い荒らす。


「ワレらのクルシみをしるが良い良い良い良い良いいいい!!!!!」


様々な声が球体から発せられ不気味さを増させる。


「苦しみだ?ほう?ふざけたことを抜かしやがる!!久々に頭にきたのう」


「わレら二あだなすニンゲんよ、きさまラのしカバネをニクをワレラにササゲ、ムダなアガキハいみをもたぬ」


「ぬかせ!!!その球体!!二度と喋れなくしてやるわ!!!この場に晒して頭部をブチまきやがれ!!」


親父の挑発が効いたのか、先程まで作り上げていた壁を血溜まりの中に溶け込ませ、静かに微動だにしない。


「はハハハはははははは!!!」


「笑ってられるのも今のうちじゃ!!!くそったれ!!!仲間の恨み!!ただでは済まさせん!!!ゆくぞ!!!」

「お任せください!!隊長!!」

「わ、私も!!サポートします!!!」


「ハジメよう!!ハハハははははハハ!!!!!!」


そう言って人面球体は3人だけを招待し、俺達がいる周辺に紅い血晶を再び目の前に形成する。


「くっそ!!!てめー!!!卑怯だぞ!!!!」

「母さん、落ち着いて!!!3人を信じよう!!」

「現状、選択肢はそれだけね。見ているしかないわ」




「上等だ、おじさんたちを招待したこと後悔するんじゃねぇぞ」


~強行作戦~ END To be continued 

期間が少し開いてしまい申し訳ありませんでした!!


次回もオタノシミに!!またの!!

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