サングラス
しばらく更新をしていませんでしたが!!ここらで一つとある少年の変貌を描きました。若干短いですが、後にこの回想は読者の皆様に更なる絶望として牙を剥くことでしょう。
どうかおタノシミ下さいマセ!!
夕方とは言え、容赦ない日射しが僕に襲いかかる。
「暑い...」
普段のモードであるならば僕はもっと痛々しい程に恥ずかしい言動をしているけれど...流石に一人になると大人しくなるものだ。
「みんな...大丈夫だろうか」
勢い良く燃え盛る炎を見つめながら、僕は皆の帰りを待っている。焔の中では共に戦った仲間と悲劇を生み出した元凶が同じく弔われている。
「自分の家できちんと供養してあげたかったな...」
我が家であればしっかりと彼らと彼女をそれぞれの死後の世界に迷うことなく導いてあげれた筈なのだ。道を間違えないように灯火となるお線香も、お経を歌うこともできたのだ。本来ならばできて普通のことなのだ...しかし、今となっては...。
「ゆくゆくはお寺を継いで行くはず...だったのに...」
あまりにも環境が変わり果ててしまった...。これでは明日を生きることだけで精一杯だ。両親は僕を助ける為に数えるのが嫌になるほどの化物達と共に...家や自分自身さえも犠牲にして、僕だけを荒れた世界に解き放ったのだ。勿論、僕を生かすための最善策だったのであろうが。
「この先に生きる希望はあるのかい。おとうさん、おかあさん」
弱々しく呟く自分はその場で体育座りをしてぼんやりとした感覚のままゆらゆらともゆる火を眺めていた。
ザッ!!!!
ふと、自分の真後ろから不可解な地面を踏み締める音が聞こえたのだ。すかさず自分は後ろを振り向くと。
「よぉ、こんなご時世になったってのに呑気に火遊びかぁい」
「な、何ですか!?あなた方は!!」
一人の足音を除き、他の連中までいたとは気付かなかった。見てくれや銃の装備からして一般人ではないことは一瞬で理解する。では、コイツらは一体何者なのだろう。
「クソ生意気だねぇ!?名乗りもしないでさぁ!!えぇ!?敬語もろくに使えねぇのかよ!!あぁ!?」
酷く汚い男勝りな口調の女性は激しく激昂しているようだ。そんな様子を見てしまうと、僕は怯んでしまう。
「あっ...えっと、申し訳......」
「あぁ~...別にそう言うのいいから。どう足掻いてもアンタは逃れることはできないんだよ」
そう言って、訳の分からないことを女性が吐き捨てるのと自分が立ち上がる瞬間は同時だった。
「え...それはどう......」
言葉半ばにして僕は声がでなくなったことを認識する。すぐさま腹部から重い衝撃が加わった瞬間、口から勢い良く胃液が地面に向かって吐き出される。
「ぐっはッ!!!!」
「このガキを縛り上げろぉ!!」
「ハッ!!了解しました!!」
流れる様な早さで手足を拘束されてしまい、なすすべなく地面に這いつくばる。更に、拘束に使われているのは単なる紐ではなく特殊な金属製の拘束具の様だ。
「カッハッ!!」
「チッきたねぇなぁ.....あー後、聞こえてねぇかもしれないが!!このサングラスは貰っとくぜー」
「ぐっ...この...や...ろ...」
吐き出したい思いは虚しく途切れ途切れになって行く。思いも、痛みも、憎しみも......全部全部
全部
全部
全部
全部
ぜんぶ
ぜんぶ
ぜんぶ
ぜんぶ
ゼンブ
ゼンブ
ゼンブ
ゼンブ。
「あっは!!!!お前には丁度良い感じの仕事を与えてやるよぉ!!」
「まっ、まさか!あれをお使いになると言うのですか!?」
「ったり、めーだ!!そろそろ大詰めなんだ。1発ここらで見せとかないとなぁ!!!!」
意識が消え入る寸前に僕はそんな話をしている奴等の姿を目にするのだった。
「人間が初めて地球の為になる瞬間って奴をなぁ!!」
「りょ...了解致しました。我らが栄えある未来を手にする為に!!」
メザメると、ソこハとてモくラくテ......。
コわイ...。
「誰か!!!!助けて!!!!ここは何処だ!!僕を解放しろ!!!!」
ぼクは、そウさけビひ...しニタスけテをくりカえス。
ダれカ...ぼクをた...テ...。
ガシャン!!!!
あア...まブし...イ。ヒかりガぼクにあたテ、きもチイい。
でも...
チガウ
チガウチガウチガウ
アナたをぼクはのゾんデ...なイ......
チガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウちがゥゥ...。
こナイで。
「ギャーギャーうっせぇんだよ!!!!亡者がよぉ!!!!だまって寝てろや!!クソが!!」
ズバン!!ズバン!!
みネじマくン...タたラさン...スず......ラさ...ぼクを...ス...ケ......テ......。
ほクはサウ、ネがイなガら......ゆクりト...メ...トじルるる...。
「よぉし!!!!野郎共!!こいつを使って特異点と家のバカ息子にこの世の在り方を見せつけてやるよ!!!!」
「おぉーッ!!!!」
「せっかく生き延びたんだ...しっかりと絶望してくれよ。バカ息子」
~サングラス~ END 次回へ続く
今回は短い文章でのちょっとした掘り下げとなっておりますが、ここからどんどん胸が苦しめられるような展開をご用意していきますので是非是非飲み込まれて行ってくださいませ!!
それでは次回でまた、お会い致しましょう!!