シャーラへの相談
「「申し訳ありませんでした。」」
頭を下げる影が二つ。もちろん、ナラと晴香である。
「もう、気にするでない。晴香といったかな?すまんかったのぉ。許してもらえるだろうか?」
少しそわそわと尻尾を揺らしながらシャーラが言った。
「いえ、こちらこそすみませんでした。あなた様の立場も考えずに失礼な態度を・・・」
「もう過ぎたことじゃ。で、何の用じゃ?何かあったからわしのところへ来たのじゃろう?」
「えっと・・・」
ナラの方にちらっと視線を向けた。
「ほう!ナラには言えぬことか。」
はっきりと言われ、晴香は身をすくめた。
名を呼ばれたナラは驚いた顔をしている。
まだ、心からは信頼してもらえてないというショックからだろう。
「いやっ!ナラごめんね。そういうつもりじゃないんだ。人に言うのは今回が初めてで、もし、秘密を知って気味悪がられたらどうしようとかいろいろ考えちゃって・・・」
「いえ、あまり気にしないでください。では私は失礼しますね!」
ナラは慌てて部屋を出て行こうとする。
隠そうとしたのだろうか、晴香は見つけてしまった。ナラの目元がわずかに光っていることに…
考えるまでもなく、晴香はナラの細い腕を掴んでいた。
急に引きとめられて驚いたナラが振り向いた。そんなナラの頬を伝う一筋の涙。
「ナラ、遠慮しないでいいよ。私はあまり広めて欲しくないだけだから。秘密にしておいてくれたらいいだけだよ。」
晴香は困ったような笑みを浮かべた。
「またナラを泣かせちゃったね。そんな抱え込まないでよ。」
「そうだぞ。昔からわしも言っておるだろう?」
「すみません。また勝手に・・・」
晴香はナラの手を優しく包み込む。
「もう、謝らないで?ナラは笑っている方が可愛いよ。」
「そんなことは!・・・いえ、ありがとうございます。」
ナラは晴香の言葉を否定しようとしたが、しなかった。
それだけナラも成長したのだろう。
そんなことを思いシャーラは一人、穏やかに微笑んでいた。
すみません。。。なんか長引かせました( ̄◇ ̄;)
次回こそは相談へ( ̄^ ̄)ゞ