第一話 赤ちゃん登場
新連載始めました!
よろしくお願いします。
稲葉光希25歳。
今は会社から帰宅途中で電車の中。
私は、重要な問題に直撃している。
問題とは、結婚を考えていた彼に逃げられたかもしれないということだ。
確かに見た目も可愛い系で少し気が弱いような男ではあったけれど、保育園の保父さんをするくらいに子どもが好きで、面倒みも良くて、優しくて、彼となら結婚してもいいと初めて思えた人だった。
付き合ってから2年程、今までは毎日のように彼から連絡がなにかしらあったのに、それがもう3ヶ月も連絡がない。
自分から連絡すればいいのだが、「寂しいから連絡した。」なんて、私に言えるわけがない。
そう、意地っ張りなのだ。
自分では可愛らしさがなくて嫌いだが、彼はそういうところも私らしくて好きと言ってくれた。
こんな時にのろけている場合ではない。
すごく好きなのに「会いたい」も言えない。
こんな自分に嫌悪感を抱きながら、会社から戻っていた。
帰ると玄関に彼が大きめのなにかを抱え、立っていた。
久々の彼の姿と、出迎えてくれた嬉しさに浸りながら、近づいていった。
久々に見た彼を見て、微笑みがこぼれた。
もう無理だって思ってても、心の底では戻ってきてくれると信じていたのだ。
「そろそろ帰ってくる頃だと思ってた。おかえり。」
「あー。」
「た・・・ただいま?」二人分の声が聴こえた。
声の主を探ると、彼の抱えていたおおきなものだった。
そう、抱えていた大きなものとは、赤ちゃんだったのだ。
思わず数秒呆然としていたが、冬の寒い中に彼と赤ちゃんをいさせるわけにはいかない。
「とりあえず家に入って!」
そう言って、彼と赤ちゃんを家に招い入れた。
読んでくださってありがとうございます。
思いつきで書いてます。最後はどんなオチになるか自分でもわかりません(笑)