12.何故、書くのか?
忘れた頃にこんにちは。
気がついた頃には執筆開始から一年経ってるんですねー。今では作品数もちょっと増え、時折コメントも頂いたりしてます。
更新を停滞させていたこの半年で、また色々と考える機会を得ました。
最も考えなければならなかったのは、タイトルのとおり
「何故、書くのか?」
という事でした。
私に関して言えば、最初に書き始めた中学時代は、
「話すのが苦手だったので書いてストレスを解消した」
これが、小説を書いた理由でした。他にも、
「伏線やキャラ設定を考えて、孤独感を晴らした」
「単に面白い話を書きたかった」
などなど、書き続けると陰鬱な私の中学時代が垣間見えるような理由によって、私は小説家としての第一歩を踏み出したのでした。
その後高校に入り、「他人を面白がらせたい」という新しい目標を見つけて今に至ります。
今では、誰か読者がいないとうまく書けません。
自分の衝動で書く小説と、他人を面白がらせるために書く小説。
この境界は非常にあいまいなのですが、とりあえず以下のように分類してみました。
1.完全に「他人を面白がらせたい」
こういうの、「エンターテイメント小説」というそうです。赤川次郎なんかその代表例らしいです。何もない状態から面白そうなテーマを探してきて、面白がってもらえるように構成します。
ギャグを意識しすぎでスベったり、ベタベタな話になってしまったりする事もありますが、まだ読める作品になっている事が多いと思います。面白がらせたい、と考える時点で、客観的な視点を持っている場合が多いですから。ただ、サイトで小説を載せていたりする人には、このタイプはあまりいません。
2.純粋に「衝動のままに書きたい」
こちらは「純文学」というのが適当な呼び名かもしれませんが、明治文学などでもこのタイプはあまりいません。しかし、サイトで小説を載せている人、特にポエム調のものには非常に多いタイプです。また「衝動」としましたが、なんとなく書きたいという程度の場合も多くあります。
初心者に多いタイプですので、衝動のままに書いた後での推敲が大切になります。逆に、よい衝動はそのままに上手く言葉を使っていると、読者をあっと言わせるようなパワーのある作品になります。
3.内在的に「他人を面白がらせたい」
はじめは純粋に書きたい衝動があるのですが、細かいエピソードを付加していくうちに面白がらせる方向に進んでいくタイプです。このタイプは、ある程度経験のある人に多いようです。
書き方に気を配れば、それなりに面白い話が書けます。しかし、最初の衝動が世界観やキャラクター設定だった場合には、テーマ性がないので、読者を惹きつけるような魅力を持たせることはなかなか難しいタイプです。
4.内在的に「衝動のままに書きたい」
はじめは読者が喜ぶようなものを書きたいと考えていますが、書いているうちに自分の考えや価値観をどんどん織り込んでいきたくなるタイプです。
このような小説はアグレッシブで強い印象を持ちますが、失敗すると作者の自己陶酔になってしまいます(設定やストーリーはしっかりしている分、そのイメージは強まります)。いかにテーマを絞って自然に加えていくかがポイントになると思います。
5.「自分を面白がらせたい」という衝動
純粋に「書きたい」という衝動はなく、「自分を面白がらせたい」がために書いているタイプです。本当に面白い小説を書こうとしたときには、あまりよくないタイプだと思います。
自分が面白いと思って書いているので客観的な視点を持ちにくく、独りよがりになりがちだからです。また、過剰な解説や状況描写不足など、初心者が陥りやすい失敗を引き起こしやすいように感じます。
6.偽の「衝動のままに書きたい」
書きたいものがあると見せかけて、実は読んだ本や小説を書いている知り合いに影響されたりして書いてしまうタイプです。
このタイプは小説にオリジナリティが欠ける傾向があり、作風などが影響を受けた作品そっくりになってしまう事もよくあります。しかし、独自のアイディアを見つければすぐにでも面白いものを書くことが出来ます。
ひとまず、今の私の主観でこんな風に分類してみましたが、多くの人は複合的なタイプを持っているのだと思います。作品によって、時期によって、色々な動機で書き始めることがあるし、それでよいのだと感じます。
ま、作品とその書き手に対する新しい視点として。
あ。引き続き、語って欲しい内容があれば受け付けます。